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解離性同一性障害という病気。


2015年のある日、当時通院していたメンタルクリニックの主治医から
「あなたは解離性同一性障害だね、いわゆる多重人格のことね。」
と突然の診断を受けました。
へ?解離性同一性障害?
性同一性障害じゃないよね。なにそれ??

「多重人格?って・・なんとなくテレビや映画では聞いたことがあるような・・」
当時の私はフルタイム正社員でアパレル勤務をしていて
正直仕事や日常生活に、まだ大きな支障はきたしていませんでした。

メンタルクリニックの通院歴はそこそこ長かったので
「まぁよくわかんないけど、とりあえずいつもの”現時点での病名”ってヤツでしょうが・・毎回毎回適当やな。」
って、当時の私はものすご~く軽く捉えていました。
この病気の本当の大変さなんて、あの日は考えもしませんでした。

最初は、解離性同一性障害(DID)について調べました

Wikipediaなどで”解離性同一性障害”と検索してみると、まぁそれはそれは小難しく、いろんな専門的なことがずら~り書かれています。

せっかくnoteに登録したのだから、記事を読む側だけではなく
当事者である私が、この「解離性同一性障害(DID)」という、なかなか一般的に人から理解を得にくい病気のことを、自ら発信してみるというのはどうなのだろうか?とふと思いたち、とりあえず記事を書いてみることにしました。

ここで既に多くの記事を書いていらっしゃる医療従事者の方々や、同じカテゴリの病気を抱えている皆さんに・・・もちろん精神疾患とは無縁の方々にも。
僅かでも「こんな症例もあるんだな」と参考になったり、精神疾患について興味を持っていただければ幸いです。

今のわたしと主治医からの診断。

私自身は12年ほど前、離婚を経験しており
その当時から不眠、不安症、パニック発作など徐々に精神的な病気の兆候が現れ始め、メンタルクリニック通いはもう13年以上です。

”解離性同一性障害(DID)”とは、簡単に言うと
一般的な精神疾患でいう「解離症」のカテゴリに分類されるもののうちで、最も症状が重い病気なんだそうです。

私の今の主治医によると、ごく一般的な解離症の患者さんていうのは 一時的な健忘、ボーっとしてしまったり、自分が自分ではないような感覚(離人感)を味わったり。人によってごく短時間の症状しか現れない人もいれば、それが継続してしまったり、うつ病や他の精神疾患の合併で日常生活に支障をきたす方もいるそうです。

私の診断されたDIDという病気は、
一般的な解離症の状態をドカーン!と突き抜けて、本来は自分の内側にあるべき様々な感情やトラウマなどが、
「完全なる独立したひとつの人格」として表に現れてくることを指します。昔で言う「多重人格障害」なのね。

現在確認ができている交代人格は4人。
年齢も性別も、名前も全部違います。人格たちのお話はまたのちほど・・・
主治医いわくDIDの場合の多くは、それぞれの人格に”役割分担”があるんだとか。
そういったことも今の主治医との出会いがなかったらこの病気を理解しようとも、そもそも病気だなんて受け容れようとも思わず過ごしていたかもしれません。

余談になりますが、
精神疾患で手帳の交付を受けるのはなかなか厳しいそうなのですが、私はこの診断を受けたことで障害2級の認定を受けました。

いま私に起こっている症状と交代人格のことを少しだけ。
この病気の”本当の怖さ”とは・・・

現在の私に、現れている交代人格は4人。

  1. 陽気でお気楽な性格の女性で交代人格の中で唯一普通に他者とコミュニケーションをとることが可能。私自身に最もよく似ていて、頻繁に現れる主人格。

  2. 危険なOD(オーバードーズ=薬の過剰摂取)のみを好んで繰り返し行う、鬱人格の女性。

  3. 自傷行為のみを淡々と行う、10代半ばくらいの女性。

  4. 8歳くらいの男の子の人格、帰る家がわからなくなり迷子になりがち。


ちなみに私の場合、
解離(人格の交代)が起きるとその間の記憶がまったく無い状態で、
その場に居合わせた方々や、家族や親しい友人から「あなたね、つい今までこんなんだったんよ!」と話を聞かされます。
ただ、自分の記憶には全くない出来事なので
「・・はぁ(?)」と(教えてくれた方には申し訳ないけれど)
正直とても他人事のような複雑な感じがいつもしてしまうのです。
でも、これは現実。これが現実。

彼ら交代人格のもっとも恐ろしい点は
「わたしの交代人格は全員が”痛みを感じていない”ということ」が分かったこと。

例えばオーバードーズをされたあと
気が付いたときには身体はふらつき、激しい吐き気やめまい、悪寒や震え、頭痛。
視界は歪み、ろれつも回らなくなって(飲まれたお薬にもよりますが)
ひどいときにはそれはそれは恐ろしい幻覚や幻聴を見ます。
またある時には
「・・・痛!!いった~い!!え???何で血まみれ?!うわ、腕パッカーン切れてますやん!はあ・・・また救急かい。今度は何針縫われるのやら・・」
と、外傷の痛みや血圧低下による激しい気分の悪さで解離状態から戻ります。
またある時には、運転中に突然解離がとけた事もあり、本当にビックリしました。
私の場合はこれが「解離状態から正常な自分に戻った状態」です。

~痛みを感じていない~ 
この怖さ、想像してみてください。
人間の痛覚というのは本当に大切で、痛みを感じないということはすなわち自分の知らない間にいつのまにか死んでしまうかもしれない、という恐怖との闘いにもつながっていきます。

とりあえずまとめ

こんな感じで2021年に過去のDIDが再発して以降、いろんな事件を起こしまくり精神科への入院もして、現在の療養期間に至っています。

が、幸いなことにいま私はちゃんと生きている。
家族のサポートはもちろん、病気を告白しても受け入れ理解を示してくれる大切な友人。通院や日常生活のサポートをしてくれる恩人。
一生懸命、その時の私の困りごとを親身に聞きサポートしてくださる主治医や相談員さん、ケアマネさん、薬剤師さん。

たくさんの人に本当に「ありがとう!」という気持ちで今を生きています。

2016年当時診てもらっていた先生に今また診ていただいてます
通院遠いけどね。こんな景色を見られたら気分転換にもなります♡

続きはまた次回の記事に綴っていきますね。
最後まで読んでくださって、本当にありがとうございます♡

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