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国宝の茶室

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国宝指定されている三名席(待庵・如庵・密庵)+αの解説です!
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2024年6月の記事一覧

憶昔席(西本願寺 飛雲閣)

「憶昔席(いくじゃくのせき)」

京都西本願寺境内の滴翠園(てきすいえん)内に建つ飛雲閣に付随する茶室。

寛政7(1795)年9月に席披き(せきびらき)が催され、寺側の記録によると西本願寺十八代門主・文如(もんにょ)を正客に、藪内家六代・比老斎竹陰(ひろうさいちくいん)も相伴に加わっていたそうです。当時、文如は比老斎に茶道の相伝を受けており、この茶室はその比老斎の指導・好みで建立されたと考えられ

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国宝茶室 如庵(愛知 犬山有楽苑)

「如庵(じょあん)」

愛知県犬山市の有楽苑にある国宝茶室。

元々は建仁寺の塔頭正伝院に設けられた茶室で、織田有楽斎の作とされています。有楽は織田信長の実弟であり利休と同時代を生きた茶人の一人です。

明治6(1873)年正伝院は同じ建仁寺の永源院と合併され、正伝院の建物は四散します。明治41(1908)年に売却され、如庵と書院とは一旦は東京三井家本邸に移されます。

その後、大磯の同家別荘を経

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