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有楽の茶室

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織田信長の実弟・織田有楽は利休に茶の湯を学び、隠居後は一流の茶人として活躍。そんな有楽のつくった茶室は独創的です!
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2020年8月の記事一覧

天満屋敷二畳台目(有楽の茶室)



「天満屋敷二畳台目」

信長の実弟で茶人であった織田有楽の天満屋敷には二種の二畳台目の図が伝えられます。

これはそのうちの一種で、下座床(げざどこ)の席で、それも点前座のすぐ背後に床が構えれました。

有楽の茶室は、伝えられるほとんどが下座床か亭主床で、点前座と床の間の密接な関係を重視していたことが窺えます。

対比としては、利休の茶室はあくまで床は客座にというのが原則でしたから、利休は有楽

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二畳遣違い(有楽の茶室)



「二畳遣違いの茶室」

二畳遣違い(やりちがい)とは、点前座と客座を少し食いちがえて並べ、洞床を設けた形式で、有楽の作と伝えられます。

現存しませんが、織田信長の実弟で晩年の作品「如庵」が国宝に指定されている、織田有楽の着想の豊かさが垣間見えます。

他にも、床と点前座を対向させた九窓亭(春草盧)、亭主床や袖壁に下地窓をあけた九昌院茶室(元庵)、躙口を客間中央に設ける手法など、織部や遠州など

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