佐倉部

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創作をしたい人間 自我薄め:Instagram 自我強め:https://nijimiss.moe/@CosmosFreesia

最近の記事

ボトルメール

482文字/SCRAPさんのボトル謎から派生してできた話 ずっと旅をしていた。愛するあなたの手から離れて、もうどれくらい経っただろう。 あなたが選んだコルクのふたは水がすっかり染み込んでしまった。 ゆっくりと遠ざかる私を見て。念願の旅に出る私を祝福して。 死してなお、あなたと共に居られない私を赦して。 わたしはきっと戻ってきます。いろいろな海岸でさまざまな人に祝福されて、そうして出会いと別れを繰り返し、真っ黒になった私をどうか迎えにきてください。 そうしたら、今度こそ。

    • 再現性のないレシピ~炊飯器おでん編~

      タイトルがすべて 普段料理はするけれど、レシピを見ずに味見だけで調理する人間の飯です。おいしいものができた!とうれしくなりながら、再現性のなさに絶望します。 発端:寒くなったしおでんが食べたい、のに、コンビニ3軒まわってもどこも置いていなかった。おでん什器はあったのに、焼き芋が鎮座していて、焼き芋好きだから妥協するかすごく悩んだ。 おでんのレシピで、炊飯器使うものって絶対あると思ったのに、見つけられないので試行しました。 なお、このレシピは再現性のなさを重要視するので、写

      • 全国のまえださん

        856字  元ネタ「全国の私の脳内で公開予定!」 ピー。データを受信します。 わたしの脳内に、無機質で無感情な声が響く。次にくる衝撃に耐えるため、静かに目を閉じた。 瞬時、暗転した視界に流れていく中華料理の数々。回鍋肉、青椒肉絲、ラー油……これは、シュウマイだろうか。なんだか知らないけれど、ふわふわしている。鼻孔をくすぐるごま油の香り。ああ、おなかが減った。いただきます。幻聴が聞こえて、口内に酸っぱくて甘くて香ばしい、想像通りの中華料理が運ばれた。 空の口内で味わって、わ

        • 字書きもAIで遊びたい

          ついにAIが文章を書いてくれるらしい。 いや、情報が遅くないか? オモ〇ロさんを読んだ「AIのべりすと」というサイトを知った。 AIに親しみは無いが、絵描きさんがイラスト生成したり、チャットで対話したりしているのを傍から見ていて羨ましかった。楽しそう。 これは試してみるしかあるまい。 ▼AIのべりすとさん https://ai-novel.com/novel.php 最初の文章文章が書けないけど文章が書きたい、と矛盾した欲求で過ごしていたから、これ幸いと最初の文章を作っ

        ボトルメール

        マガジン

        • 即興小説
          14本
        • 雑記帳
          5本
        • 3M式卒業論文の作り方
          1本

        記事

          すごーく美味しくって好きだったんだけど、SNSに散見する政治的思想がちょっとなって思うなど。 店舗が政治的思想色を強く出すことに忌避しようとするのなんだろうな。人それぞれなのに。許容力が足りないのかな。

          すごーく美味しくって好きだったんだけど、SNSに散見する政治的思想がちょっとなって思うなど。 店舗が政治的思想色を強く出すことに忌避しようとするのなんだろうな。人それぞれなのに。許容力が足りないのかな。

          珈琲とジャズは最高のペア

          それはよく晴れたいい土曜日のことである。 家から遠い勤務地に、ごく自然に遅刻した。 まあそれは置いておこう。 なんといってもこの仕事、休憩時間がめちゃくちゃ多いのである。 ということで、朝ごはんにカフェへ行こう。 BEAT CAFE@入谷コンクリ壁と木の扉。めちゃくちゃいい。 店先に掛かった「平日8:00~16:00 土日休み」の看板。扉のノブに揺れる「OPEN」の文字。 どっちだ…… 大きな窓からひょこっと覗くと、珈琲を楽しむ女性の姿が。 よし。大丈夫。 軽快なベルの音

          珈琲とジャズは最高のペア

          ついったの移行先探そうと思ったけど、新しいもの作るよりここでいいじゃんってなった さっき

          ついったの移行先探そうと思ったけど、新しいもの作るよりここでいいじゃんってなった さっき

          即興小説トレーニング様から移してきました。お騒がせしました。 とてもお世話になっていて、そろそろまた書こうかと思ってた矢先でしたので、とても悲しいです。今までありがとうございました。

          即興小説トレーニング様から移してきました。お騒がせしました。 とてもお世話になっていて、そろそろまた書こうかと思ってた矢先でしたので、とても悲しいです。今までありがとうございました。

          知らんけどきっとこういうこと。

          ※即興小説トレーニング様から お題:調和した14歳 制限時間:15分 読者:74 人 文字数:740字 「おめでとう!14歳!」 母親が持ってきたのは、白と赤のコントラストが映えるショートケーキだった。細身のロウソクは無機質なそれに彩りを添えている。 「ほら、ふーって!!」 「早く消さないと俺が消しちゃうぞ」 「はいはい」 母も父もこの日を待っていたと言う。誕生日の本人を差し置いても、ワクワクを隠そうとしない。 期待に満ちた眼差しから顔を逸らすように、僕は息を吐いた。ロウソ

          知らんけどきっとこういうこと。

          小さい愛のままで

          ※即興小説トレーニング様から お題:でかい私 制限時間:15分 読者:139 人 文字数:673字 夢の中で、私は「でかい私」になっていた。15階建てのマンションに住む友人が、ベランダから顔を出した。それはちょうど私の目線と同じ高さだ。 「どうしてそんなに大きくなっちゃったんですかー」 何時かの引越し屋が脳裏に浮かぶ。あれは、小さいのに大きかった。 「君への愛だよー!」 冗談を吐いた。友人が叫んで問うから、私もつられて叫んでいた。風圧に耐え兼ねるように、友人は言う。 「愛が

          小さい愛のままで

          ポテチまみれのスマートフォン

          ※即興小説トレーニング様から お題:わたしの好きな人々 必須要素:ポテトチップス 制限時間:15分 読者:51 人 文字数:793字 私の好きな人々が、どうか幸せになりますように。 いつか願ったこの思い出は、その結果を知りえない。 ポテトチップスの袋の影を、スマートフォンが明るく照らす。画面にはメッセージのやりとりがみえる。もちろん、私のアカウントではない。私が送ったメッセージは、相手は見ることが無い。 いつだったか、こうして情報収集をする漫画を読んだ記憶がある。なるほど

          ポテチまみれのスマートフォン

          駄菓子屋は夢の世界

          ※即興小説トレーニング様から お題:苦し紛れのカップル 必須要素:駄菓子 制限時間:15分 読者:21 人 文字数:927字 「懐かしい!」 彼女が駆けていったのは、昔ながらの駄菓子屋だった。今にも落ちてしまいそうな縦書き看板には、はなぶさと書かれている。屋号だろうか、と彼は思う。はなぶさなんてよくある名前を使うところも、古めかしいと思ってしまう。 彼が彼女を追って店内へ入ると、彼女はカゴにお菓子を詰めていた。 「今日は駄菓子パーティーね」 話しながらも彼女の手が止まること

          駄菓子屋は夢の世界

          ふたりぐらし

          ※即興小説トレーニング様から お題:淡い地獄 必須要素:挽き肉 制限時間:15分 読者:26 人 文字数:800字 鍋をつつく箸が止まった。 「苦い」 分かりきったことを彼女は言う。ボーナスがでて、ハイになったのだろう。夕食の買い出しを頼むと、山のような食用花を買ってきた。私はそれを予定していたみぞれ鍋に浮かべた。 そもそも、頼んだのは挽き肉だった。冷凍庫に保管していた僅かばかりのそれでは、ボーナスを祝福できない。もっと凝った、それこそハンバーグだとかを作るべきだろうと思っ

          ふたりぐらし

          レンズ越しのおじさん

          ※即興小説トレーニング様から お題:早すぎた伝説 制限時間:15分 読者:188 人 文字数:778字 「次ご登場いただくのはこの人! 伝説のヨシノさんです!」 ライトを一身に受けて登場したのは、道端でスカウトした変哲のないおじさんだった。普段浴びることの無い明るさに目を細めている。彼が明るさに慣れるまで、足元から写すよう指示があった。 くたびれたスニーカー。用意していた靴は彼のサイズに合わなかった。 対してシワのないチノパン。デザイン性の強いシャツとの隙間から、ベルトの本

          レンズ越しのおじさん

          通知ランプ

          ※即興小説トレーニング様からの移動です お題:どうあがいても何でも屋 制限時間:15分 読者:27 人 文字数:675字 ーー今日空いてる? ーーお願いしたいことがあるんだけど。 点滅する通知ランプは途切れることがない。先日知り合った「女性」は、何かにつけて僕を呼び出す。 間違いだったかな、と嘆息した。 初めて踏み入れたきらびやかな街に酔ってしまったのだ。出張で訪れた街は、ネオンサインが煌々としていた。道行く人はみな手を繋いでいた。僕が繋ぐのは黒い革ベルト。そこにぬくもり

          通知ランプ

          京都旅行記〜そのいち〜

          こんにちは、入力に手間がかかる名前にしてしまって後悔している佐倉部です。 突然ですが、私は京都が好きです。京都府、というよりも京都市が。 歴史のある街、風情のある神社仏閣、京野菜におばんざい。数多くのパン屋、観光条例。3世代居住してようやく市民と名乗れる。400年前近くの威光を未だに振りかざす。 明媚で壮麗で、高慢で尊大な京都が好きです。 いつか京都府民、京都市民になりたかったですが、未だに県民のままでいます。 そんな諸県民は、月イチで京都旅行をしていました。 最近は時間的

          京都旅行記〜そのいち〜