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【エッセイ】孤独は贈り物だ~Isolation is the gift~

Isolation is the gift

 中島らもの記事やランブルフィッシュという映画の記事を書いている時に度々チャールズ・ブコウスキーという作家/詩人の事に触れているが、私の中では海外の作家と言えば、バロウズ、ケルアック、ギンズバーグと並んで外せない人物なので、記事にしておきたいと思った。

 この記事のタイトルとした”Isolation is the gift”は彼の「Roll the dice」という詩の一節である。

”孤独は贈り物だ”

この詩を素材にした動画は多く存在しているが、原文と和訳を対比させて割と大きく表示していて観やすく読みやすい動画があった。

映画”バーフライ”~Barfly

 1988年公開の映画でブコウスキーが脚本も書いているし、カメオ出演もしている。
 主演はミッキー・ローク、ヒロインはフェイ・ダナウェイ。
 酒とケンカと女の間をいつもふらふらと歩き回り、全てを言葉で繋ぐ詩人の話。
 この映画を観た後は、無性に酒が飲みたくなる。

映画”酔いどれ詩人になる前に”~factotum

 2007年公開の映画で、こちらはブコウスキーの小説「勝手に生きろ!(Fuctotum)」が原作の作品。
 主演はマット・ディロン、ヒロインはリリー・テイラー。
 酒とケンカとギャンブルと女の間をいつもふらふらと歩き回り、全てを言葉で繋ぐ詩人の話。
 要するにバーフライとほぼ同じ(笑)

作風

 上記の映画2作のトレーラーを観てもわかるようにほぼ「同じ」である(笑)
 実際、ブコウスキーの短編集を何冊か読んでみると、別の本に似たような話が何度となく収録されていることがある。
 もちろん違う作品として書かれているのだが、本人が意識してか無意識のうちになのか、そういう事になってしまっていてそれをそのまま作品化している場合があるのだ。
 時折とても詩的でファンタジックな話が混じったりしているのだが、基本は酒、女、ケンカ、ギャンブルが題材になっている。
 逆に詩の方はかなりヴァリエーションに富んでいて、内容的にはエグイものも多いが、やはり繊細で優しく悲哀に満ちていながらも、その悲哀を抱えたまま生き抜く力強さを湛えている。
 小説で言うと「町で一番の美女」が短編集で読みやすい。
 詩集なら「モノマネ鳥よ、俺の幸運を願え」が良い。
 また、一応日記の体裁をとってはいるが、実は小説なのではないかと思わせる極めて私的でシンプルな晩年の作品である「死をポケットに入れて」が面白い。

自由律俳句

金?
女?
物欲?
名誉?
酒?

全部手に入れる方法がある

メチャクチャでいいから
デタラメでいいから
嘘っぱちで構わないから

書け!


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