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会社・学校・職場のメンタルヘルス 【プロローグ】-私たちの知らない世界ー

どうしても≪扱いにくい人≫がいる組織から、魅力溢れる組織へ

この記事では、企業で働く大人の中に一定数存在する発達障害や精神障害の方について、私がこれまで受けてきた多くの相談の事例をもとに、それらに対峙している方々の一助になるよう対処法・解決法をお伝えしています。

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こんにちは。
職場魅力をアップさせる組織メンタルヘルス専門家の橋本さきこです。

普段は、発達障害や精神障害の子どもの専門家、教育現場のカウンセリング・コンサルテーション指導、いじめや暴力防止の講演、企業でのメンタルヘルスコンテンツ制作、実装までのサポートなどを中心に活動しています。


あなたは、
こんなことでお困りではありませんか?

・ちょっと周りと合わない、協調できない
・ひとりだけ変わっていて違和感がある
・ひとりだけ極端に売上が低い、極端に仕事ができる、一方で問題をおこす
・相手の感情の読み取る力が不安定
 職場内に、こんなメンバー・部下・上司がいる

私が大事にしている想いの中に、
どんな人であれ、人として存在を尊重されること
という想いがあります。

あなたの職場が、様々な個性がぶつかり合う環境であったとしても、個性ある人々が共存共生しながらノンストレスな環境を築き上げ、どうしても≪扱いにくい人≫がいる組織から魅力溢れる組織にするために、一人で抱えず変化を促す道をつくりましょう。

そして、この記事は
こんなことに役立ちます!

・実際に現場でおきた事例を知ることで、対処法や解決策をイメージしやすくなります。
・事例を知ることで、ひとりで悩み抱え込まず、誰かに助けを求めるきっかけになります。
・企業・会社内、とりわけメンバー・部下を束ねる管理職の方が知っておくだけで業務が円滑になります。
・1社員が1年間休職することによって必要な人件費は、その社員の年収の3倍になります。その損失を軽減させることにつながります。

これからお読みいただく記事は、わたくし橋本さきこが、これまで心理士として延べ1万名以上の方とカウンセリングやコンサルテーションを通じて築きあげた経験や現場のリアルな声、ケーススタディに基づいた対応法・解決法をまとめたものです。

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会社・学校・職場のメンタルヘルス

【プロローグ】-私たちの知らない世界ー
第一章 職場の中の≪扱いにくい人≫
1項 あなたの会社にいる≪扱いにくい人≫はもしかして…
2項 職場で≪発達障害・精神障害≫問題を乗り越えられる人
3項 企業内での発達障害にかかわるトラブル事例
第二章 発達障害・精神障害について
第三章 自殺について
第四章 コロナ禍で生きるために
【エピローグ】
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あなたやあなたの周りの方にとって、魅力溢れる職場の実現を願って書いていきます。

【プロローグ】

-私たちの知らない世界ー


現在、日本には約430万社が存在し、そのうち労働者が「常時50人以上の事業場」においては、2015年より職場のメンタルヘルスの義務化が施行されました。

義務化の背景には、施行当時日本は年間約3万人の自殺者を抱える自殺大国であったことが一つの要因です。

現在は、メンタルヘルスの様々な取り組みの効果により、年間2万人まで減少していますが、一方では年々休職者が増加の一途をたどっています。

その背景にある問題として
家庭・生活問題
健康問題
経済・社会問題
勤務・労働環境問題
男⼥・性問題
学校・教育問題  などが挙げられ、
中でも《勤務・労働環境問題》は、労働者にとってもっとも大きな影響を与えていることが統計的に明らかになっています。


では、メンタルヘルスが十分に行われていないことで、職場におけるロスコストが日本全体の経済にどのような影響を与えているか、という視点で考えてみましょう。

>ご存知ですか?職場の観えないロスコスト

メンタルヘルスの義務化が推進された背景から、メンタルヘルス不調が社会に与える影響を、あなたはどのくらい認識されているでしょか。

1.1年間の自殺者総数約2万人(令和元年速報値)
2.メンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者がいた事業所の割合は、6.7%
(平成 29 年 11 月1日から平成 30 年 10 月 31 日までの期間)
3.自殺・うつによる社会的損失の累計額 2兆6782億円 (2009年推計)

自殺・うつによる社会的損失の累計額(2009年推計)から細かく見てみると、

● 69歳以下の自殺者2万6500人が働いていた場合
生涯所得 =1兆9028億円

● 2009年にうつ病を患った人の推計
労災補償給付 = 456億円
休業者が失った所得 = 1094億円
失業者への失業給付 = 187億円
生活保護費 = 3046億円
医療費 = 2971億円

このように費用は膨大にかかり、損失額の大きさがわかります。

企業の使命として、株主・社員・ステイクホルダー・顧客のために利益の拡大を目指し、社会の消費拡大により企業成長を遂げよう!とビジョンを掲げても、こうした見えない社会的損失は企業・会社のメンタルヘルスの取り組み方により右肩あがりになってしまう状況なのです。


>右肩上がりのメンタルヘルス不調

メンタルヘルス不調による課題の中でも、《休職者課題》は組織や部署に大きな影響を及ぼします。

「2.メンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者がいた事業所の割合は、6.7%(平成 29 年 11 月1日から平成 30 年 10 月 31 日までの期間)」
これを100人の社員がいる会社で考えると、約7人が休職していることになるのです。

社員1名あたりの労働時間からロスコストを考えると、

例)8時間×22日×12か月=2,112時間

休職者が発生すると、この膨大な時間を別のメンバーがカバーすることになります。

● 応急措置をして乗り切る
● 生産効率をUPさせる試みをとる
このように、対策が成されるとはいえ、
10人の部署であれば1人あたり211時間分の仕事が追加されます。

単純計算になりますが、月平均にすると約17.6時間の残業時間が追加されることになる訳です。

これでも仕事がこなせない状況になると、
● 派遣社員やアルバイトなどの臨時雇用
という次なる対策がなされるのですが、これには更なる課題が待ち受けています。

‣ 引継ぎを誰が行うのか。
‣ 引継ぎの時間をどのように確保するのか。
‣ 新しい社員を迎えるメンバーの戸惑いは誰がフォローするのか。

少なくとも、仕事の効率は保てないことは予想できます。
それに伴った、ロスコストが発生することになります。


一番の望みは、はじめから休職者が出にくい部署をつくる

これにつきるのではないでしょうか。


>管理職の役割と立場

休職者が出にくい部署をつくるために、重要な存在が管理職の立場です。

もし自分の周りに
「あの人、大丈夫かな?」
「ひとりで抱えて悩んでいないかな?」
と思われる人がいた場合、
● 声をかけること
● 常に気に掛けること
が良いとされています。

職場であれば、管理職者は特に配慮することが求められます。

しかし、配慮することは文字にするほど簡単なことではありません。
問題課題を抱えている人をフォローするには、自分自身の心身のバランスをコントロールする必要があるのです。

厚生労働省の「仕事や職業生活に関する強いストレスの有無及び内容別労働者割合」をみると、30~49歳の管理職になる可能性が高い年齢の割合が最も高く、平均して61.9%になっています。

この数字からも、管理職者の負担が大きいことが伺えます。

なぜ日本の多くの管理職者が、強いストレスを抱えているのでしょうか。

それは、プレイングマネージャーとしての役割を担っているからに他なりません。

部署・組織での活躍だけでなく、企業・会社、はたまた社会全体への功績が求められているのです。
これが、管理職者に一定の責任ある立場として、重くのしかかっていきます。

● 日々の売上に対するプレッシャー
● 上司から受ける大きな期待
● メンバーや部下へのマネジメント
● 自身の変化(ホルモンによる不調など)
● 家庭内の経済に対するプレッシャー(住宅ローンや子どもの学費など)
● 家族のケアや介護

といったように、多くの役割と立場を担っている状況で、管理職者自身が自ら心身のバランスをコントロールするゆとりを持てるでしょうか。


>新型コロナウィルスによるインパクト

2020年3月に入ってから、中国武漢から発生した新型コロナウィルスによる全世界に対するインパクトにより、世界中が幸か不幸か企業活動を見直すタイミングにもなりました。

1.一斉のテレワーク化
2.製造業の大量の解雇・工場の停止(事実上の自宅待機)
3.飲食店・アパレルなど、接客業で業態変化ができなかった企業の倒産
4.国による保障の限界  など

これらは一例ですが、多岐にわたり影響を受け、企業・会社だけでなく社会全体が変革を余儀なくされました。

そして、外出自粛要請や休業要請などにより、私たちは生活パターンそのものまでも見直す機会を与えられたのです。

1.家族で過ごす
2.今あるものでやりくりする
3.近所・仲間での助け合い
4.大量消費が実は必要なかった?
  ーミニマルな生活の必要性

あなたにとって、あなたの仕事にとって、新型コロナウィルスはどのような変化をもたらしましたか。


>ロスコストを減らすための提案

想像してみてください。

もし先程述べた2兆円という損失額が、あなたの身近な人・地域・次世代の子どもたちへの社会的貢献の活動資金に当てられたらどうなるでしょうか。


2兆円の時価総額の日本企業をみると、
富士フイルムがそれにあたります。
※2020/6/14時点

日本を代表する企業トヨタ自動車は22兆円です。


富士フイルムの社員数は、約3万人です。

日本の全体での会社員=就労者の数は約6,724万人(※)です。
※非正規雇用含む

1%に満たない数ですが、全国の求職者や損失額と比較すると、大企業の1社分を生かし切るだけのコストということになります。


このことからも、決して無視できない数字であることがお分かりいただけると思います。

このロスコストを0にする努力をし、更に未来に新しい産業や利益を生み出す必要コストに転換させるにはどうしたらいいでしょうか。


私からの提案は、非常にシンプルなものです。


人のケアができるプロに任せてください。


仕事を内省化するよりも、子会社や得意先に委託・外注した方がコストカットになるように、今まで管理職に重くのしかかっていた役割の一部をプロに任せ、組織内の風通しを良くすることの効果を是非考えてみてください。

これらの【膨大なロスコストが軽減される】としたら、いかがですか?


>求められるプロフェッショナル

「心理士」の立場は、日本ではまだまだ重要性あるポジションとして認知されにくいところががあります。
しかし、メンタルヘルスの取り組みがより盛んになると、欧米のように益々必要な存在になってくると考えています。

休職者が出にくい部署をつくる為には、休職者がなぜ休職するのか予測検討すると同時に、休職希望を受けた場合の対応方法まで考える必要があります。

例えば、休職の理由のひとつである精神疾患(うつ病など)は、過度なストレスが原因だと言われていますから、

● 精神疾患についての知識が十分にある
● ストレスをケアするプロである
● 個人的な問題課題に対してアドボケイトができる

「心理士」の存在が、必要になるのです。

こうした助け合いや協力体制を新たに構築することで、次なる世代に通用する仕組ができ、より組織を魅力ある場になると確信しています。

そして、外注して空いたリソースをもっと多くの利益拡大や投資に使っていただきたいと思います。


社員・職員のメンタルヘルスに関するロスコストを軽減させるために…
企業・会社・職場・部署に集う人々の人間関係や家庭などが少しでも良くなるように…
私がこれまで相談を受けた多くの事例や経験が、魅力溢れる組織つくりのきっかけやアイデアの一助になれば幸いです。


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