笹原 鉄平

地元静岡での独立を目指す日本料理人 多数のクラフトマンと共同で地方のアップデート、価値…

笹原 鉄平

地元静岡での独立を目指す日本料理人 多数のクラフトマンと共同で地方のアップデート、価値を創造する sake diploma取得 noteで新しい日本酒の表現を模索中

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なぜ僕は生産者に会いに行くのか。

先日ふと頭をよぎったこの疑問を深堀りしたいと思った。 五年前の僕は前日に注文して届く食材に最善を尽くしていた。 大きさ、形、色は揃い 貴重な高級魚も相当に長期間、時化が続かない限り手に入る 何の疑問も抱いていなかった それから環境も変わり、現在の親方の下で働かせて頂いて、しばらくたってからの事 筍農家 田原一樹さんの竹林に連れて行って頂いた。 塚原といえば筍の名産地として有名 立派なトップブランドだ 一樹さんの畑を見てすぐに違和感を覚えた。 「な

    • 日本料理人の日本酒テイスティングノート VOL.36

      山の壽 フリークス2久しぶりの投稿は今最もアツい このお酒❗️ 日本酒loverならご存知ですね😊 僕も気になって取り寄せてしまいました🚚 何故そんなに   注目を集めているのか?それは… "4MMP"という日本酒の新しい香気成分を 含んでいるからです 元々は白ワインの葡萄品種 ソーヴィニヨン・ブラン種 に含まれる アロマ成分として知られています "マスカットを 丸かじりした様だ"と評価を受ける程 今までの日本酒とは一線を画す 斬新な味わいだという事なので 早

      • 日本料理人の日本酒テイスティングノート VOL.35

        2020年 特別頒布会 碧蛙 微弱二次発酵リベンジバージョン 先日の天蛙に引き続きの頒布会シリーズ 新政の実験的な小仕込み「秘醸酒」 リベンジバージョンって事は? 気になったので色々と調べてみた所 前回の仕込み(2010年)では 絞りまではうまく行ったものの 流通途中に未熟香(ヨーグルトの様な) が出てしまったとのこと その後、更なる改変を続け 微弱二次発酵という、 低アルコール酒を醸造する場合に 駆使する新技術を開発し 高いクオリティを達成 それが碧蛙🐸という

        • 日本料理人の日本酒テイスティングノート VOL.34

          玉旭 Echoes 酒母搾り 生原酒 発泡性清酒 酒母搾りという聞き慣れない製法 多くの日本酒と出会ってきたが こちらは初物です 少し分かりやすく言い方を変えると 一段仕込みという製法になる 醸造技術の進化により より確実に、より美味しく作るために 色々な製法が試されてきた そして基本的な醸造方法として 現在普及しているのが 三段仕込みと呼ばれるものです こちらは醪造りの段階で 酛(酒母)に水、米麹と蒸米を三回に分けて 加えていく醸造方法 酵母に対して緩やかな

        • 固定された記事

        なぜ僕は生産者に会いに行くのか。

          日本料理人の日本酒テイスティングノート VOL.33

          宮泉銘醸 写楽 純米吟醸 米を愛し、酒を愛し、人を愛す。 そんな写楽を愛しています‼️ とても久しぶりの再会だが このお酒との付き合いも長い 昔に飲んだ羽州誉の白ラベル この味が忘れられず どんなお酒が好みですか? と聞かれたら 写楽の羽州誉です‼️と言ってた時期が割と長かった笑笑 (店員さんからしたら迷惑な話で はぁ みたいなリアクションが多かった🤣) そんな思い入れのある日本酒を 今の自分はどう感じ 何を思うのか 楽しみながら向き合ってみた 透き通った美しい

          日本料理人の日本酒テイスティングノート VOL.33

          日本料理人の日本酒テイスティングノート VOL.32

          新政酒造 低酒精発泡純米酒 天蛙 僕の師匠が(勝手に言ってるだけ) 日本酒の新しい可能性を引き出した作品‼️ と豪語していた今シーズンの天蛙🐸 そんな事言われたら行っちゃいます… 透き通る夜空の星空の様な景色 淡い雪の様なヨーグルトの香り 淡雪がとけると ホロ甘い微発泡が 舌の上で弾ける 今まで感じた事のないほどの クエン酸の旨味は レモンサワーを思わせる新しい感覚 低酒精(低アルコール)であり 飲み口も軽いのも嬉しいポイント プラムの果実感や 酢橘やライ

          日本料理人の日本酒テイスティングノート VOL.32

          日本料理人の日本酒テイスティングノート VOL.31

          神雷 純米酒 初めてこのお酒を頂いた時のインパクトは 良く覚えている… 広島県で一番標高が高い所で 醸している酒蔵 歴史も古い 6人という小規模の蔵 仕込み水を二種類 別々の井戸から汲み出し 使い分けているという 食中酒としての評価が高く 一緒に楽しむ事で進化を発揮する そのためか有名銘柄というよりは 舌の肥えた日本酒loverに大人気だ 僕も名前は聞いた事はあったが 正直、見かける事はなかった ところが‼️ 御縁のあるお店で やっと出会う事が出来たのだが、

          日本料理人の日本酒テイスティングノート VOL.31

          日本料理人の日本酒テイスティングノート VOL.30

          天明 中取り閏号 閏年にのみ販売される超限定酒 しかも受注生産という新しい試み アベレージよりも 四年に一回というブランディング 常に行われている酒造りの ブラッシュアップの表現の集大成 天明さんが普段使用しないとする カプロン酸エチル系酵母 山田錦のみを使用という あえて華やかさに富んだ日本酒 狙いにいった味わいを迎えに行くのも一興 思う存分楽しみましょう 長野県 真澄からの派生酵母1801号 01なので泡無しタイプの酵母ですね 透き通るクリスタルの美 香

          日本料理人の日本酒テイスティングノート VOL.30

          日本料理人の日本酒テイスティングノート VOL.29

          ドメーヌ仙禽 麗 うらら 2020 酒蔵のドメーヌ化ドメーヌとは自社で葡萄畑を持ち栽培から瓶詰めまでを一貫して行う生産者の事を指す この日本酒バージョンがそれだ つまり自社田を持ち酒米作りから 瓶詰めまでを一貫して行うという事 ※仙禽さんはさらに仕込み水に使う 地下水の水脈上で酒米作りをしています(゚Д゚) えっそれが普通じゃないの? そう思う人もいるでしょう 現在の日本酒作りに使われる酒米は 酒米の産地から取り寄せる事がほとんどです もちろんそれが悪い事ではあ

          日本料理人の日本酒テイスティングノート VOL.29

          日本料理人の日本酒テイスティングノート VOL.28

          奥能登の白菊 純米吟醸無濾過生原酒 そのまんま どうしてもこのお酒が欲しくて このお酒だけのために 取引している酒販店さんがあると語る店主 取り扱うお酒にはこだわりが強いお店が それ程までに想いをのせる日本酒は どのような景色を見せてくれるのか 胸が踊ります♪ やや霞がかったその日本酒は 希望と期待に満ちている。 山田錦と五百万石を酒米に使用 華やかさと洗練された佇まいを併せ持つ 香りは控え目なのが嬉しい お米の優しい味わいが滲み出ていて 凝縮された旨味の向こう

          日本料理人の日本酒テイスティングノート VOL.28

          日本料理人の日本酒テイスティングノート VOL.27

          飛露喜 純米吟醸 生詰 黒ラベル 王道 この言葉がこれほど似合うお酒も そんなにはないでしょう 毎年変わらない安定感 唸るバランス感覚 日本酒の持つ旨味の表現 どれをとっても素晴らしく 美しい日本酒ってこれだよなぁって 時間を忘れて没頭する 飲み口は柔らかくまろやか マスカットを思わせる 芳醇な香り 熟れたメロンの様な旨味 ジューシーな甘味が ふくよかなボディを演出する 厚みを持ちながらも 重たさは感じさせない 旨味を伴う酸の心地良いキレが素敵すぎる この

          日本料理人の日本酒テイスティングノート VOL.27

          日本料理人の日本酒テイスティングノート VOL.26

          散歩中の大型犬から赤ちゃんを守る 兄弟が眩しすぎて心がうずうずした本日^_^ いい事があった日に飲みたい 華やかな気分になる日本酒を紹介! 而今 純米大吟醸 NABARI 2018 透明感のある見た目からは 想像できない程の華やかさ 若々しくも凝縮された果実味 純米大吟醸とは思えない力強さに 酵母と酒米の豊かさを感じ アタックですでに心を持っていかれる 完熟した白桃、熟れたメロン その背景にはライチや苺の様な爽やかな酸 新緑、清々しい青竹のニュアンス コクのある適度

          日本料理人の日本酒テイスティングノート VOL.26

          日本料理人の日本酒テイスティングノート VOL.25

          鉾杉 改 純米酒 このお酒を初めて飲んだのは三軒茶屋。 勘のいい日本酒loverの方はどこのお店か お気づきだと思います^_^ おそらくあまり出会わないタイプのお酒 だからこそ楽しんで頂きたいと思います! 透明感のある黄色味がかったクリスタル 爽やかな蒼 炊きたてのお米 柔らかな乳酸 まろやかな口当たりと 特徴的な柔らかで余韻の長い酸味 マスカットを思わせる果実味 この味の構成と凝縮感はおもしろい! もっと楽しみたくて即席燗銅壺笑笑 熱燗をつけると香りは落ち着き

          日本料理人の日本酒テイスティングノート VOL.25

          日本料理人の日本酒テイスティングノート VOL.24

          涅槃龜 にるがめ 90%低精米 新政酒造のコンセプチュアルな作品 (全てそうなのですが笑笑) 飯米と同じ精米歩合 つまり食べるお米と同じ状態 その酒米を使用して どこまで美味しい日本酒を作れるか という挑戦ですね ではその酒米もぜひ紹介を 秋田酒こまち 平成十年に秋田県で誕生した オリジナル品種の酒造好適米 山田錦並みの醸造特性を持ち、 美山錦並みの栽培特性をもつ。 さらに大粒で扱いやすく 表面が乾きにくい特性から麹が作りやすい たんばく質が少なく でんぷん質も消化

          日本料理人の日本酒テイスティングノート VOL.24

          日本料理人の日本酒テイスティングノート VOL.23

          にいだ自然酒 生酛造 にごり 熱狂的なファンの多い仁井田本家さんのお酒 御縁のあるお店さんから頂きました! 書ききれないほど こだわりの多い酒蔵 事前に知って頂いた上で楽しんで欲しいので 少しだけ紹介を 自然米(農薬、化学肥料不使用)のみ 純米のみ 日本の田んぼを守る酒蔵として 昭和42年から現在のスタンスをとり続けている 50年以上のキャリアを持ち 自然酒を一大ブランドまで 押し上げた銘酒といって良い 今回はその肌感 身体に馴染んでいく日本酒の感覚を 思う存分楽しん

          日本料理人の日本酒テイスティングノート VOL.23

          日本料理人の日本酒テイスティングノート VOL.22

          新政 ラピスラズリ 瑠璃2015 木桶仕込オーク樽貯蔵酒 -5°熟成 久しぶりのプレミアム酒に 少しだけ心が踊った意味を 自分に問いかけてしまった僕です(笑) まず新政さんの大前提から 生酛仕込と純米造りしかしませんよ 秋田県のお米、水で作りますよ 表示義務のない添加物も一切使用しませんよ 酒質管理の観点から殆どが4合瓶ですよ 6号酵母(新政酵母)しか使用しませんよ 全量木桶仕込みにしましたよ えっと、全部すごいです(笑) それぞれがオリジナリティであり高い技術力を

          日本料理人の日本酒テイスティングノート VOL.22