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『20世紀の商業デザイン』を読んで、最近の映画のポスターや電車広告を連想した話
20世紀の国内外の雑誌広告やパッケージデザイン等が大量に収録されている、カラフルで楽しい一冊。解説が付いていないため、肩の力を抜いて商業デザインそのものを楽しむことができる。美術館の中をフラフラと歩いているような感覚。読み物というよりは、写真集に近い感じ。
イラストレーターのナカムラユキさんによる序文の、ある段落が印象的だった。
優れたものに共通している点は、「絵・文字・色・間」この4つのバランスが良いことで、どれか一つが欠けても、また行き過ぎていても良く見えてこないのではないだろうか。「行き過ぎ」の中には、「絵を描き過ぎ」「文字を詰め込み過ぎ」もあるが、特に「デザインされ過ぎ」を痛切に感じる。情報を詰め込み過ぎることは、かえって訴求力を弱めていくことにつながりかねない。さらにここ数年、パソコンの急速な発展により、どこか機械的でクールさが際立っているように思う。
(出典:『20世紀の商業デザイン:アール・デコから現代まで』(青幻舎第二編集室編,青幻舎,2008))
この文章を読んで、思わず小野寺系さんのこのツイートを連想してしまった。
『二の国』のポスター、構図とかシチュエーション異様なんだけど…ああでもない、こうでもないと、いろんな意見をとり入れてるうちに変な感じになっちゃったんだろうな。 pic.twitter.com/osl2B2sNiT
— 小野寺系 (@kmovie) June 26, 2019
伝えるべき商品の魅力は絞りに絞るべきであって、欲張って全部盛り込もうとすると逆に何も伝わらなくなってしまうのね。本末転倒。
反対に、最近の商業デザインの成功例として頭に浮かんだのが、Netflixオリジナル作品『リラックマとカオルさん』の電車広告。
商品の宣伝機能と、見た人の心をワクワクさせる機能の両方を兼ね備えた広告をつくりたいものです。
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