オシム氏を悼む。日本人の「日本人化」とは。

昨晩、多くのサッカーファンを悲しませる報道が伝わってきました。サッカー日本代表の監督として、短期間ですがものすごい影響力を残したイビチャ・オシム氏の訃報が伝わってきました。ちょうどセルティックのスコットランド・ダービーをライブで見ていたので、そういえば水野とかセルティックにいたよなーと思い出しながら、感無量の想いでした。ホント、オシムさんの死を惜しむです、、、ご冥福を心からお祈りいたします。

いろいろなところでオシムさんの業績は報道されているので、今更詳細は記載しませんが、近年の日本サッカーにこれほど影響を与えた外国人監督はいないでしょう。

日本サッカーの「日本人化」を目指す、と銘打ち、３色、４色のビブスを用いた実践形式の練習は本当に革命的でした。私も、実際みたこともあるんです。側から見てても、訳わかりませんでした（笑）。「考える」サッカーを標榜し、日本人が日本人の武器を最大限に活かせるサッカーを追い求めたオシムさん。コワモテの表情ながら、ちょっと憎めないお茶目な側面もあった古き良きヨーロッパの偉人、サッカー界以外からも惜しまれる声が多々報道されていますね。

メキシコオリンピックを銅メダルに導いたクラマー氏を筆頭に、サッカー日本代表には多くの素晴らしい外国人監督が存在しました。サッカー日本代表の流れを変えたオフト監督、いろいろと賛否両論、日本開催ワールドカップを盛り上げたトルシエ監督、そして鹿島の伝説ブラジルの至宝ジーコ監督、イタリアのいいオッチャンのザック監督、今はマジョルカで久保っちも面倒みるアギーレ監督、などなど錚々たる面子ですよね。

その中でひときわ異彩を放つのが、オシム監督だったと思います。20年以上日本サッカー代表を応援している人ならば、やはり最高の監督はオシム監督だったと皆が口を揃えていうでしょう。

オシムさんは、サッカーだけでなく、日本人を本当に愛していたと思います。日本人がどうしたら本当に日本人として国際社会で活躍できるのか、それをサッカーの世界で体現しようとしたのがオシムさんに他なりません。脳梗塞という病に倒れ、その志は夢半ばとなってしまいましたが、欧州のサッカーの本場で日本人が活躍するのが日常となった今日を嬉しく想い、永眠されたことでしょう。

日本人の日本人化、これは今こそ我々日本人が真剣に考えるべきテーマかと思います。第二次世界大戦後、奇跡の復興を遂げ、世界第二位の経済大国にまで上り詰めた日本。しかし、超高齢化社会、人口の減少、純債務国化、円高に物価高と難問は山積みです。それと同時に、世界に誇るべき点もいっぱい持っています。驚異的な識字率、義務教育の普遍化、犯罪率の低さ、歴史と風土を重んじる美観、日本人が世界に伝えられることは山ほどあります。

オシムさんの逝去にさいし、あらてめて日本人が国際社会で活躍するためにはどうしたらいいのか、ということを考えたりしました。そして、サッカー日本代表には是非とも悲願のW杯制覇を成し遂げてほしいですね。できれば、俺が生きている間に達成してほしーーー（笑）。

最後に、ジェフユナイテッド千葉の佐藤勇人さんが伝えた、オシムさんの最後の言葉の一部を引用させていただきます。日本人への温かいメッセージですよね。

（オシムさんのメッセージ）

日本のみなさん一人ひとりにあいさつしたいが、日本は人口が多すぎる。よろしくといっているうちに舌が伸びてしまうかもしれない。ジェフはジェフだ。本来はJ1にいるのがふさわしいチームだ。どうしたらそこに戻れるのか、考えなければ。そのためには、チーム経費をできるだけ少なく、チームのクオリティをできるだけ高くしなければならないが、両立は簡単ではない。

　ぼやぼやしていると、給料の高いチームに移りたいと言い出す選手が出てくるかもしれない。残念ながら、サッカー界全体がお金に買われてしまったような状態だ。サッカー界が大地から離れて、ふわふわ浮き上がっている状態なのが心配だ。

　サッカーで勝つにはお金がかかるようになってきている。しかし大半のチームにはそんなに資金はない。よいアイデアを実行するにも先立つものが必要だ。しかし、そこで大切なことは、どんなポストについていても、明日の世界がどうなるのかを常に考えて、そなえることだ。

　過去のことは過去にすぎない。くよくよしても仕方がない。しかし、明日のことを考える時に、過去の失敗の例を振り返ることは役に立つことがある。とくにサッカーのレベルアップをめざす時にはそうだ。サッカーには金がかかるようになった。日本のサッカー界も同じだ。そう感じるだろう。この前のオリンピックも、そのための国際会議も、莫大なお金が使われた。

　使ったお金は返さなければならない。そのためには稼がなければ。大事なのはアイデアをだすことだ。頭を使うことだ。さまざまなアイデアを出すことが革新につながる。もちろん全部のアイデアが採用されるわけではないが、未来を予測して、それに見合ったアイデアを出すことが大切だ。一歩一歩、進んでいくしかない。

勇人CUO　ブラボーと言ってください。オシム氏　ブラボー。ありがとう。いい仕事をするためには、誰かいい相棒を見つける必要がある。何人かでアイデアを出し合えば、ひとりよりももっといいアイデアが出てくる。勇人と話せてよかったよ。元気そうでよかった。もし監督が必要ならここにいるぞ。選手がほしいならいってくれ。みんなによろしく！　じゃあまた、チャオ！バイバイ！

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