マガジンのカバー画像

ドイツで心理療法士を目指す

6
運営しているクリエイター

記事一覧

【認知行動療法】3.依存症(3)心理療法

【認知行動療法】3.依存症(3)心理療法

第3-4回目の心理療法理論のゼミのテーマは「依存症」。
この回では依存症治療の動機付け面接後に行われる心理療法を紹介する。
動機付け面接についてはこちらの記事参照
依存症についてはこちらの記事参照
そもそもドイツで心理療法士の職業訓練とは?についてはこちらの記事参照

1. 心理教育入院施設での例:
依存症に関するテーマと文献が提示され、患者がグループワークを通してテーマの理解を深める。週に3回6

もっとみる

【認知行動療法】3.依存症(2)動機づけ面接

第3-4回目の心理療法理論のゼミのテーマは「依存症」。
この回では特に依存症治療にとって最重要な動機付け面接について扱う。
依存症についてはこちらの記事参照
そもそもドイツで心理療法士の職業訓練とは?についてはこちらの記事参照

1. 動機づけ面接とは
Miller und Rollnick (2015)によると、
- クライエントが何かしらの変化を起こす際に、
- 行動変容へのやる気や、達成への

もっとみる
【認知行動療法】3.依存症(1)依存症とは

【認知行動療法】3.依存症(1)依存症とは

第3-4回目の心理療法理論のゼミのテーマは「依存症」。
認知行動療法の依存症の治療アプローチを学ぶ。
なお依存症の疫学、なぜ起きるか、診断方法などに関しては今回の記事では取り扱わない。
そもそもドイツの心理療法士の職業訓練とは?こちらの記事参照。

1. "依存"の定義Wanke, 1985
- 特定の経験をしている状態に対する拒否できない欲求
- その欲求に自分をコントロールする力が下回る
-

もっとみる
【認知行動療法】2.精神科病棟での心理療法

【認知行動療法】2.精神科病棟での心理療法

第2回目の心理療法理論のゼミのテーマは「精神病棟での心理療法」
そもそもドイツの心理療法士の職業訓練とは?こちらの記事参照。

講師によると精神病棟での心理療法士の何より重要なメインタスクは危機介入をしアドヒアランス(患者が治療に納得し前向きに取り組む姿勢を構築)を達成すること(目次2項目)。
認知行動療法のプロセス(目次3項目)以下は、できればプラスだが絶対必須ではなく、病院外来やクリニックに引

もっとみる

【認知行動療法】1.心理面接技術と初診

第1回目の心理療法理論のゼミのテーマは「心理面接技術と初診」
そもそもドイツの心理療法士の職業訓練とは?こちらの記事参照。

1. 治療者の適切な振る舞い方:基本3原則=> 患者との良好な治療関係を築くため

1-1. 積極的傾聴(active listening)
=> 注意を向けていること、受容の準備ができていることを示す

- 相槌:促す、話しについて行っていることを示す機能
- 最後の言葉

もっとみる
【ドイツで心理療法士】概要・日本比較

【ドイツで心理療法士】概要・日本比較

日本で言う臨床心理士/公認心理師は、ドイツでは心理学的心理療法士(Psychologische Psychotherapeut)と呼ばれる。

この職業につくためには
①大学院で臨床心理学を専攻した後
②3年間の心理療法士の職業訓練(Ausbildung)を経て
③ドイツの医師開業免許(Approbation/国家資格)の試験に合格する
必要がある。

私はドイツの大学・大学院で心理学臨床心理

もっとみる