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「仕事で遊ぶ」には、面白がる心が大切?

これは、葛藤を抱えながら就活している大学生と、東京で働くクリエイティブディレクターとのリアルな交換日記です。今の就活生が感じる心の揺らぎと、社会人からのさりげないエールをお楽しみください。

前回までの就活交換日記

就活に動きはなかったものの、自分をご機嫌に保つことが、いい大人になるための条件だと気づいた愛さん。ご機嫌な未来のために、お金の勉強も始めてみたそうです。
そんな愛さんに対し北さんは「お金は付き合うものくらいの感覚で」とエールを送ります。お金という「金融資産」のことばかりを考えがちだけど「時間資産」や「人脈資産」「経験資産」も人生では重要なんじゃないかと。

#05の就活交換日記はこちらから。

今週は、2020年最後の愛さんの日記から始まります。

登場人物

大学生の愛さん(仮)
地方文系大学に通う就活生。留学経験がある。ひょんなことから北さんと出会い、交換日記を始めることになった。様々な心の葛藤を抱えながらも等身大に就職活動を行おうと奮闘中。

クリエイティブディレクターの北さん

コピーライター歴、約20年。長年採用広報に携わってきた経験から、採用のクリエイティブをもっと面白くしていきたいという熱い思いを持っている。宣伝会議コピーライター養成講座で、求人広告クラスの講師も担当。

愛さんの今週の日記
「改まって考えると」

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【2020年12月某日】
今週はすっかりホリデー気分のままこの日記をお送りします。
就活への準備と危機感が皆無である手前、口では焦っていると言いつつも心に焦る気持ちがあまり浮かんでこないのは、さながら夏休みが終わる直前まで宿題をためてしまう小学生の私のようです。計画性というものは母親の胎内にでも置いてきてしまったのでしょうか...就活という一旦の締め切り前に、ヒイヒイしながら帳尻を合わせようとする近い未来が目に見えています。

そんな私ですが、就活という社会的な未来の構築をサボりがちな事実に反比例して、うなぎ上りにプライベートが充実しているのです。思い返せば最近はサウナや温泉で体を温めたり、焚火をしたり。音楽をひたすら掘り起こしてシャンソン歌手の魅力にハマったり、ほぼ毎日映画を見て感動したりと、いかにも時間に余裕のある大学生らしく時間を使っていました。そしてそのどれもが今まで「やらなければいけないこと」を解決した後にやろうと先延ばしにしてきたことばかりだったのです。なんとなく今この時間の使い方をしていなければ、社会に出たとしてもなんとなくただ目の前のタスクをこなすだけの機械的な人間になってしまっていたのではないかなと思います。

北さんのエールには一貫して「仕事で遊べ」というメッセージがあるような気がします。もちろん「締めるところは真面目にね」という前提の上で、仕事をすることで出会える様々な人や出来事を面白がる心を忘れずに働くことかなと私は受け取りました。そんな風に働くためには、面白がる子供のような心を素直に認めて受け入れる体制が必要なのではと思います。そして今がまさにその受け入れ態勢を構築している真っただ中なのではないかと。なんだか就活をサボっていることを大げさに眩ませてごまかしているのではという感は否めないので、新年を迎えた辺りからぼちぼち就活というものに触り始めようかと思います。

2020年は個人的に成長の多い一年でした。2021の年末も、しみじみとこの日記を振り返ることができるように新年から沢山タネをまいていけたら良いなと思います。
それでは、良いお年を。

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北さんからの就活エール
「理想も大切。ご縁も大切。」

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あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。この日記をはじめて一ヶ月。ふと、自分の就職活動を振り返りながら思うのは、就活の一年間は孤独感が大きかったなあということ。友人ともなんとなく連絡が取りづらく、説明会や面接の時の社会人との会話はどこかよそよそしく、選考に落ちるたび、「僕を必要としている会社は本当にあるのだろうか」と世の中からも拒絶された気分になっていたなと思うのです。

だから、ちょっと褒められるとうれしくなったし、自分のことを認めてくれた人や会社がすごく好きになった。冷静に考えると、出会っていない人や会社の方が圧倒的に多いし、目の前の人や会社以外にもきっと相性の良いところはたくさんあるのだろうけど、もう、とにかく孤独感から解放されたい気分が大きかった気がします。

理想か、ご縁か。就活でも、結婚でも、家探しでも、、、人生の大きな選択の際は常にこのふたつの狭間で揺れると思うけど、まあ、正解はないのですよ。自分の選んだ道をとにかく走ってみて、なんか違ったら、一度、立ち止まって周りを見渡してみよう。年初のアドバイスとしては中途半端な気もするけれど、世の中の大人たちもその程度の心持ちで日々をなんとか生きています。


編集:家洞 李沙(Fanclub)

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