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夜
2024年6月24日 22:34
「今日何時に帰ってくる?」仕事から家に帰り、すぐにレッスンの準備をして再度出掛けようとしたとき、ダンナに聞かれた。「んー、たぶん18時?センセの気まぐれで延長することがあるかも。」前回のレッスンは2時間半だった。ダンナ、何か悟ったような顔。「あー、あの人めんどくさいからなぁ。わかった。帰るとき、連絡ちょうだい。パラグライダーの大会でもらったビールでBBQしようよ。」センセ…
2024年6月4日 23:14
「センセ、私また、センセを怒らせるようなこと、しました?」そう言いながら、私はおずおずとレッスン室に入った。先生、キョトンとした。「なんで?」「だって…メールに返事がなかったから。」私は先日の所属オケ定期演奏会の翌日に先生へ『おかげさまで無事終わりました。』と長文メールを送っていた。「ああ…!」先生、思い出したように頷いた。「ゴメン!メールは読んでいたんだけど、返事するタイ
2024年5月16日 23:15
先生には先日会ったばかりだが、レッスンは1か月ぶりだ。私が楽器を準備して椅子に座るなり、先生が話し始めた。内容は、レッスンと関係ないことばかり。仕事のこと、親戚のこと、最近のニュースのこと。先生のお喋りが途切れたタイミングで、私は言った。「今の時間、センセにとっては休憩時間になってるんでしょう?」先生は一人で30分も喋っていた。私の前には4人、後ろには1人、レッスンが入って
2024年3月25日 22:54
「夜、久しぶりだなぁ。3週間ぶりか。」レッスン室に入ると、開口一番先生にそう言われた。3週間ってそんなに久しぶりでもないと思うのだが、なんだかんだで先生とは毎週顔を合わせていたからな。「確定申告は終わりましたか?」私が聞くと、「15日には終わったよ。年明けから少しずつ書類揃えるようにしていたからね。」先生、得意げにVサインしてみせる…かわいい。先生の家、物が多いからなぁ。「えら
2024年3月3日 23:14
扉が半開きになったレッスン室から“バッハ無伴奏チェロ組曲3番サラバンド”が聴こえる。この華やかで軽やかな演奏は先生のものだ。すぐにわかる。「なつかし〜。」そう言いながら、私はレッスン室に入った。私が2年前の発表会で弾いた曲。(私のサラバンドは重っ苦しい。低音を効かせたがるからだ。)先生は私に気付かないようで、演奏を続ける。いつものことだ。きっと、どこかの演奏会で弾く予定があるの
2024年2月19日 23:53
自宅練習で時間があれば、オケで演奏するブラームス交響曲第3番のいずれかの楽章を、音源と合わせて通して弾くことにしている。1楽章の最後の部分、弦楽器の嵐が去って、天から光が差し込むようなチェロのソロを弾く時なんか、チェロやってて良かった、オケやってて良かった、生きてて良かった!とさえ思えて泣けてくる。 ★前の生徒さんと入れ替わりにレッスン室へ入った。「先日はお邪魔
2024年1月22日 22:36
先週に引き続き、今週もレッスン。今回は、私が一番最後だ。「今日はセンセのお父さんの月命日じゃないですか。こんな遅い時間までレッスンしていていいんですか?」楽器をケースから取り出しながら私が聞くと、先生がびっくりした表情をした。「どうしました?」「よく覚えているね。」「…そりゃあ、そうですよ。」先生の返事に私は訝しみながらそう言った。先生はちょっと困ったように私の疑問に答
2023年11月28日 23:02
「センセ、外は雪が舞ってますよ。」言いながら、私はレッスン室に飛び込んだ。室内は暖かい。「うん。急に寒くなったもんなぁ。」と、先生。「風邪に気をつけてくださいね。」と私が言うと、先生「僕は今のところ健康なんだけれどね、」と言って、浮かない表情をする。「何かあったんですか?」「仕事仲間のヴァイオリニストがね。脈が遅いということで病院へ行ったら、あっという間に心臓に付ける電子機器
2023年11月12日 22:51
「センセ、遅れてスミマセン!」私はレッスン室に飛び込んで言った。10分の遅刻。先生は、私の知らない曲の練習をやめて「なんかあったか?」と聞いてきた。「家を出て2kmくらいのところで、車が故障しました。」トロトロ走って、何とか家へ引き返すことができた。先生「それは大変だ。」と言った。「故障が大通りに出る前で良かったな。」「はい。大通りの真ん中で止まらなくて良かったです。」
2023年11月2日 23:11
ロビーコンサートに出演してから、私がチェロを弾くということが職場で知れ渡った。退勤後に工房を予約していたので、チェロを抱えて出勤したら、色んな人から「今日は練習あるの?」とか、「またコンサートしてくれるの?」とか声をかけられるようになった。今回の工房訪問の目的は、調整。発表会前から師匠に「A線(一番高い音の出る弦)が響きすぎる」と指摘されていた。発表会は一人演奏だし、音をまろやかに
2023年4月16日 22:59
「チェロセクションでロビコンすることになりました。」レッスンの準備をしながら先生に報告した。「ロビーコンサート?定演のときにやるの?曲目は?」と先生。「えっと、ゴルターマンのセレナーデとロマンス、アヴェ・ヴェルム・コルプスです。」「2曲はお前やってるな。弦六やるっていうのに、よくそんな余裕あるなー。」先生呆れる。「全員って訳じゃないですよ?数人のチェロの人たちです。」「
2022年6月20日 22:49
価格が天井知らずの弦楽器の話の続きです。私も手頃な価格のチェロを気に入れば良かったのになぁ。先生や大先生の音を間近でずっと聴いていたせいでしょうか。耳が贅沢になってしまったようです。私は楽器の大きさが気になります。フルサイズだけどひと回り小さいのってどうなんだろう?音の迫力が足りなくならない?「小さめのフルサイズであれだけ鳴る楽器は貴重だよ。今そういうサイズ作ってないし。小さめで作
2022年6月19日 23:04
今回はレッスンというよりは、話中心だった。まず、2日前のチェロ試奏の話から始まる。先生に「試奏どうだった?」と聞かれる。「楽しかったー😆♪♪」「教室の生徒は皆初心者だし、周りに楽器買い替えの人いないから、僕も久し振りにいろんなチェロ触れて楽しかったよ。」私が帰った後、先生と工房のお兄さんとで、私が気に入ったモダンチェロの話をしたそう。前回なかったモダンチェロ、しかも今市場にあまり