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立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花を生薬視点から:慣用句
オリジナル記事はこちら:https://sairyu-sensei.com/tatebasyakuyaku/
立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花
故事成語、というわけではありませんが講釈師や噺家さんが良く使う言葉です。
立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花。
それぞれが独特の美しさです。
世間一般の解釈:美人女性の容姿
美人の容姿を例えたとされるこの「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」。
都々逸の「七七七五」のリズムをとっています。
実際に花屋さんやネットでこれらの花を見てみると、本当に見事美しく咲いています(季節にもよります)。
後半では、Noteにて素晴らしい花の写真を載せている記事を貼っていきます。
芍薬はすらっとした茎に、大きめの蕾、そして花は大きくそれでいて花弁は薄い。
牡丹(ボタン)は色鮮やかな葉と華が特徴。
ユリの花、楚々として清潔感あり、優美にすらっと伸びています。
一世代・一世紀前なら、理想的な女性!といったところでしょうか。女性を表す言葉自体が絶滅危惧種。
ところが、視点を変えてみると、実に合理的な意味を持ってきます。
生薬の解釈:女性特有の症状に合わせている
さて、薬剤師視点から。生薬を学ぶとこの言葉、時々登場します。
20年前の薬学生時代、生薬の授業で先生が授業前の雑談として教えてもらったのを覚えています(授業内容は忘れました)。
①立てば芍薬
イライラなど気が上がっている、気が立っている状態。鎮痛鎮痙作用のある芍薬(シャクヤク)が役に立ちます。漢方処方では収斂・鎮痙作用による腹痛、筋肉痛、下痢などの薬方に配合されます。もしかしたら、すぐにトイレに「立つ」女性にも配合されたかもしれません。
芍薬の素晴らしい写真「花と日々 Yas」さんのノート記事から。記事最後にもリンクを張ってあります。
②座れば牡丹
ボタっと座る女性(足腰に力が入らない)、座ってばかりの女性に「牡丹皮(ボタンピ)」という生薬が使われます。消炎・鎮痛・駆瘀血作用があり、婦人病や血の巡り(瘀血)を改善する生薬・漢方薬で使われます。
牡丹の花写真を紫乃さんのNote記事から。この記事最後にもリンクを貼ってあります。
③歩く姿は百合の花
少しの風でも靡くようなフラフラ・ナヨナヨ歩きをしている女性、心身症や精神衰弱など言われますが、元気のない女性。精神の安定を図る百合(ビャクゴウ)。消炎・強壮・清熱・益気作用で、精神不安やノイローゼ、気管支炎を改善するのに使われます。なお、民間薬として生のオニユリりん片葉を擦りつぶし、酢を加えてできものに塗布することがあります。
綺麗な百合の写真を甲斐凡子さんのNote記事から。リンクを最後にも貼ってあります。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
美人の容姿を謳ったといわれる「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」。
一般に言われている慣用句も、薬剤師・生薬観点から見れば理にかなっています。
それぞれの効果効能は昔からの女性特有の症状と合致しています。もしかしたら覚えやすいよう工夫されているのかもしれませんね~。
他にも慣用句を分析すると新しい発見がありそうです。
参考資料:東京生薬協会(https://www.tokyo-shoyaku.com/)
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