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真っ赤な傘の下で

昔、おかしなことばかり言う女の子がいた
「おばあちゃん、明日しんじゃうよ」
「あなたの赤ちゃんもう長くないわ」
村人たちは気味悪がりました。その少女の言う通りになるからです。
あの子は魔女の子だわ、村中で噂になりました。
そんな女の子の不思議なお話し。

彼女には家族はなく、いつも一人でいました。おかしなことばかり言うので村人からは毛嫌いされています。彼女は2つ目の村に住んでいて、1つ目の村からは不吉な少女として村長から追い払われました。

彼女は不吉な予言をし、いつも真っ赤な傘をさしていました。村人たちは余計に彼女を奇人だの異人だの罵りました。
一人が悲しかった彼女のもとへ一人の男の子がやってきました。
その子も彼女を見て怖がっているのは十分伝わってきました。
「君、私の所へ来てどうしたの?」彼の姿を見て彼女はもてあそぶように話しかけます。
「あ、あたなへ頼みたいことがあるんです」早口で言葉を連ねた彼は、服の中から一匹の猫を出した。生まれたばかりだろうか、かろうじて目が開きそうなくらい小さい猫だった。
「この猫は家で生まれたんだけど、この子だけ目の色が違うんだ。きっと僕の親がころしてしまいかねない。だからあなたにこの猫をもらってほしいんだ!」
彼はそう言って彼女に猫を押し付けてそそくさと帰っていった。
残された彼女と猫は降り出した雨を見上げて真っ赤な傘をさす。
そしてご機嫌に歌を歌いだした。
「♪君は、どうしてこの世に生まれたんだい♪何をしに生まれてきたんだい♪」不気味な歌は村中に響き渡りました。

猫はまだ小さくて震えています。真っ黒の毛が美しい女の子でした。
ですが、目は真っ白で彼女は猫に言いました。
「君は運がいいね、その見えない目はこの世の汚いものを見なくて済むからね。君に名前を付けよう。そうだね、ネクロにしよう!きっと、特別な存在になれるよ、ネクロ」彼女は猫を抱き上げ空に掲げて笑いかけた。猫もそれにこたえるように鳴いた。

彼女とネクロはまたいつものように村を転々とし、村人たちは恐怖で震えていた。あの娘がきた村には必ず死者が出るという噂でもちきりだった。
今日は小さな男の子へ向かって
「君の犬はもう長くないよ」ヘラヘラしていた彼女だが、男の子が皆みたいに怖がらないので不思議に思った。でも男の子は犬のことをわかっていたようで一言話した。
「安らかに眠れますか?」
彼女は驚いた、そんなことを聞いてくる人は誰もいなかったから。
「そうなれるように伝えておくよ」彼女のせい一杯の返事だった。
男の子は少し安心したように涙を一粒流して丁寧にお辞儀をして帰っていった。そんな後ろ姿をずっと見つめていた。ネクロは目がみえないはずだけど、ずっと男の子を見つめていた。また降り出した雨を今日は睨んだ、そして赤い傘をさす。
彼女たちの後ろから黒い影が出てきた。死神だ。大きな鎌と真っ黒いマントを羽織った死神がすーっと二人を通り抜けて振り返る。
彼女たちは頷く。それを確認した死神はまたすーっとあの男の子の犬の方へと行ってしまった。しばらくして大きな声で泣くあの男の子の声がした。
いつもは何とも思わない彼女とネクロだが、今日はなんだか心の奥を針で刺されるような、そんな痛みを感じた。

死神はそのままこちらへやって来る。そして彼女とネクロは頷く。今度は私たちの番だと理解している。

先ほどの男の子が真っ赤な目をしてこちらへ走ってきた。
だが、もう彼女とネクロを「人」は見ることができない。男の子は地面に落ちている傘を拾ってひろげた。
すると目の前に彼女が現れた。だが「人」の目には映らない。
「ありがとう、この後は僕が引き受けるよ」彼女は驚いた、男の子は死神となった彼女とネクロが見えていたから。肩に乗っているネクロが鳴く。
彼女は男の子に伝える
「君は、そんな辛いことを引き受けなくていいんだよ。それは私たちの仕事さ。だから、涙を拭いてよ。私たちなら大丈夫だから」そう言って頭をなでてあげた。男の子は「その時が来たら言ってね」そう言って傘を彼女へ返し帰っていった。
また驚いた。「あの子には未来が見えているんだね」ネクロが返事をするようにまた鳴いた。
彼女は傘をさし、歌いだす。

「♪君がこの世に生まれてきてくれてありがとう♪生まれてきてくれたことにありがとう♪」軽快な歌は村中に響き渡りました。


あとがき
この物語は↑↑↑のストーリーから生まれた物語です。

こんな感じで、ランダムな言葉の羅列から物語を作ることを試しています。
その中で出来たものからの派生で作りました♡

言葉って面白いね。

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