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詩 『救 済』 (20代前半の作品)

作:悠冴紀

私が最も救いを期待したとき
求めた救いは私に背を向けた

たぶんそれで良かったんだ

おかげで私は立ち方を覚えた
自分で考える機会を得た

私に最も救いが必要なとき
私はもう救いを期待しなくなっていた

たぶんそれで良かったんだ

おかげで私は歩き方を覚えた
一人で闘う機会を得た

私を救おうと言う者が現れたとき
私はその救いに偽善の陰を見出し拒絶した

たぶんそれで良かったんだ

おかげで私は生き方を覚えた
自分をダメにする存在を見抜く機会を得た

救われないことが力をくれた

落ちるところまで落ちればいい
試行錯誤して彷徨いながら
自分なりの道を見出せばいい

誰かに救われてしまったら
自分で歩けなくなってしまう

甘えを覚えてしまったら
救済依存症になってしまう

救われないこと自体が
自分自身への救済なんだ


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※1998年~1999年(当時21~22歳)頃に書いた詩。

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