冴木彼方

マイペースに主に短編小説のような戯言を書いて行きます。

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マガジン

  • 独り言

    ふと思う事、考える事、今の自分の思いの粒を垂れ流したものを纏めました。所謂日記です。 いつかまた読む時に自分が好きになれればいいと思う。

  • まほろばの人々

    まほろばに棲む人々の暮らし。 少し個性的な人々が思い思いの生き方をしている街を散歩するのです。

最近の記事

火を灯したい

「世界は作る側が一番強い」と、鼓舞のように、言い訳のように話すことがある。 小さい頃から何かを作るのが好きで、何かを作る人になりたかった。 それと自分が混ざって、役者、という仕事に薄皮1枚を引っ掛けている。 最近、もやつくことが多い。 役者の仕事ができていないことも多いにあるし、年を重ねてアンパンマンの主題歌が脳内をエンドレスループしているということもある。 「何のために生まれて、何をして生きるのか」 パンの彼ですらわからないのに、石ころのような自身にわかるはずはない

    • 天使のエレベーター

      天使は何故空から降りてくるものだと思い込んでいたのだろう。 天使の梯子なんて大層な名前の陽射しが 天使は地上から登るんだなって、初めて気がついた。 深い青に日が滲んで明るくなる辺り。 早朝、私の散歩道の先で、薄汚れた白の塊を見つけた。 猫か何かの動物が倒れているのかとぎょっとし、少し立ち止まり、悩み、周りを見るが人通りの少ないこの道で見向きする人は居らず、恐る恐る近寄った。 動物病院は開いていたかしら、もし悪い想像通りならばどこに連絡をするのが正解かしら、などと嫌な想像で

      • 親と会話が上手くできない

        久々にnoteを開いた。 Twitterに呟くと凄く長くなりそうで、だと言って腹に据えたままだと胃もたれそうで。 公開し忘れていた下書きもままあったが、それは一旦置いといて、タイトルのお話。 あれから、noteで書いてた会社から転職し、1ヶ月経ち、GWに帰省し今日帰ってきた。 まあ沢山親に心配かけてたので、転職先は良さそうだし、私は元気ですよと顔見せのつもりで帰った。 なんというか、どんどん父母が圧縮言語で話すし、私が気になる話し方をしまくるので、心が狭い自分は都度突っ込

        • 言語化することについて

          デザイン事務所に飛び込んでもうすぐ2年になるが、まだまだ未熟だと感じる今日この頃。 しかしながら、事務所自体も小さく、発展途上なので変化が著しい。 側から見ると、発展途上というか、現状から逃げ惑ってその場でぐるぐる回ってるように見える時もあるが、私と同様に変化がある。 色々とキツイので人の出入りも激しいし、ルールの変更も多い。それは上司の気分や機嫌で変わる。 求められるデザインの質だけは大きく揺るがないから、それくらいしか頼りはない。 だがそんな中で、デザイン関連での変化

        火を灯したい

        マガジン

        • 独り言
          13本
        • まほろばの人々
          6本

        記事

          大人と子どもが共存できるのかという疑問

          ダイアナ・W・ジョーンズが好きだった。 幼い心に心地よく染み渡る優しさと空想を、言葉にして物語にしたらこうなるのではないだろうか、という児童書を書かれている作家さんである。 (海外の方なので、翻訳された方が合わせて素晴らしかったのかもしれない) 私は幼少期図書館が大好きで、週末には何冊もハードカバーの児童書を借り読み漁っていた。 もっぱらファンタジーが好きで、魔法使いや妖精が沢山いる世界の空想に耽った。 ダイアナ氏はその中でも、図書館にあるだけ全作品探して読み耽るほど好き

          大人と子どもが共存できるのかという疑問

          怒りたくない

          今日、職場で大きな声を出してしまった。 あれほど毛嫌いしていた上司達と同じである。 まじでやらかした。反省している。 が、反省しているのは、他の人がいるところでデカい声で話しちゃったからで、私が間違ったことはしていないと思う。 以前仕事を放り投げた人の仕事を引き継ぎ、面倒極まりないマウント取りたがり顧客の相手をずっとしてきた。 こっちに非が出来ないようにミスないようにと心がけたし、無茶振りも昔年の負債からなるべく対応したし、今もずっとそれは続いる。 そんなお客様に後輩く

          怒りたくない

          私のショートカットについて。

          生まれてこの方、肩より下に髪が伸ばしたことがない。 私がまだセーラームーンに憧れてた時、薄く細い髪は、襟足に収束し、豚の尻尾と呼ばれていた。母が伸ばしていたのだろう。 しかしながら、アトピーを持っていた私に首元の髪は煩わしく、そこから自分の意志を持ったショートヘアが始まったと思う。 ボーイッシュなファッションを好んでた自分は、格好良くなるようにと、男の子に見えるようにと意識的に髪型を決めていたのかもしれない。(KERAというゴスロリ・ゴスパン系の雑誌の男装モデルに憧れてい

          私のショートカットについて。

          爪先を着飾る

          「メイクアップ」 なんて掛け声で変身するヒーローヒロインに憧れていた幼少期。 隠れて母のメイク道具で、化粧ごっこをして遊んでいたのを覚えている。 姉を持つ同級生が多い田舎育ちの私の周りは、思春期も早くから皆着飾った。 その中で私はメンズファッションばかりを好んだ。ピンクは嫌いでスカートも嫌い。 私服の卒業式で、キラキラした制服ファッションで入場する女子の中、1人ボーイッシュ過ぎで浮いてた記憶がある。 中学はセーラー服だから、そのようにしてたが短髪で、ジャージを事が多かった

          爪先を着飾る

          ケンタウロスは翼が生えるのか

          兄弟は兄と弟の2人しかいないから、仲良く、困った時は助け合いなさい。 そう、祖母に言い聞かせられ幼少期私は育った。 兄は気分屋だから、兄のしない事は私がやろう。 両親共働きだから、休日のお昼ご飯は拙いが私が作ろう。 祖母の相手や両親の相手、兄が苦手ならば私がしよう。 私は家族が大好きで、ファミコン、ブラコンを自称していた。 そうであるべきと思っていたし、強要していた。 なんとも押し付けがましい糞餓鬼である。 ケンタウロスになった兄の家に顔を出さなくなって、数年が経った

          ケンタウロスは翼が生えるのか

          3人以上で会う時、立ち位置に困るやつ。

          来月は4月。 外も暖かくなるし、人と気軽に集まることが難しくあったストレスからか、花見やらバーベキューやらに誘われた。 今からめっちゃ不安。 もとより、人付き合いは得意な方ではない。 得意というか、好き嫌いの話になるが、個人的には苦手なのだ。 理由は、帰ってからものすごく疲れるから。 小さい時から友達100人、ヒーローヒロイン主人公的人物に憧れてた私は、一時期人を嫌う事をなるべくやめてた。 だから好きにもならないし、いつも誰かと一緒、という事も比較的少なかったように思う

          3人以上で会う時、立ち位置に困るやつ。

          嫌いな上司達と酒を飲む。

          久方ぶりに、めっちゃ苦手というか嫌いな職場の上司達と飲んだ。 私が今の職場に入ってからずっとお世話になっている方達で、ある部分すごく尊敬するが、ある部分がそれを帳消しにするくらい、私にとって嫌いな人達なので、最近は仕事の関係がない食事を共にすることを避けてきた。 当人達には言ってないが、タイミングがあればいつでも辞めようと思ってるし、早くタイミングつくって転職できるようにと考えている。 嫌いな部分というのが、長年共に仕事をされてる数人の関係性が非常に苦手で、その数人がメイン

          嫌いな上司達と酒を飲む。

          無理なものは無理、と思うこと。

          私は、完璧主義で自己肯定がうまくできない人だった。 逆に言うと「私には不可能なことはないぜ」と思う事で、希望多く夢描きがちな精神を大切にしてきたのだ。 だからこそ、出来ないとはちゃめちゃに凹むし、出来てもより良い解が、結果にたどり着くのにより良いルートがもっとあったはずだと、それが出来なかったことを必要以上に悔やんできた。 一昨年仕事を変えて、20代も後半から未経験OKなデザイン事務所で働き始めた。 最初は非常に自分の性質に苦しめられた。 「何故もっと出来ないのか。何故

          無理なものは無理、と思うこと。

          苦手意識ってマジやばい

          私は勝手に自分に呪いをかけがちだし、思い込みの沼から抜けられないタチなのだが、最近顕著にそれが明るみに出たって話。 デザイン事務所で勤務する中、制作にあたり得意なものと苦手なものがある。 WEBデザインは、コーディングが学び中なこともありものすごく苦手である。 グラフィックのように紙面で一旦終了せず、これから育てていく媒体だから使い勝手だとか、考える分量が非常に多いからである。 LPを作れと指示が出た。 はちゃめちゃに苦手である。 分量が少なくはないし、まとめ方を考えない

          苦手意識ってマジやばい

          私は所謂主人公になりたかった。

          物書きになりたいと幼少期に思ったことがある。 その熱がふと思い出したかのように温まってしまったから、記録したいと思い久しく開いていないノートを開けた。 私は、私じゃない何かにずっとなりたくて、でもそれは私を媒体とした素敵なものになりたかった。 誰もが振り返るような美しさを持ち、誰もと友人になれ、誰もが憧れ、誰かのものになりたかったし、唯一無二の存在になりたかった。 思春期に皆が通る道を、私は抜けきれず、未だにその道を伸ばし続けている。 モラトニアムの時期にもそれは続いてて

          私は所謂主人公になりたかった。

          息をする

          何をやっても上手くいかない時期が来る。 余りにも憂鬱で、足が重く何度も止まる。 なんとか職場へついて、仕事をしても、ミスをする。 細やかなミスで言われた言葉が耳に入った瞬間、息が出来なくなった。 つまる。 気付かず胸を手で握りしめるが、吸うことも吐くことも出来ない。 ああ、こういう事もあるんだな、と。 忘れないようにしよう、と。 書き留めているけれど、気付かない内に、心に留めてしまっていた事が沢山沢山あったらしい。 私の涙腺は、極々たまに壊れる時がある。 言葉に出来なかった

          アルミと真珠

          一緒に暮らしていた昔の彼が、部屋に残していった大量の空き缶。 出て行った彼はモノを捨てられない人で、捨てられたくない人でした。 物が多く雑多な部屋から減ったのは彼のみで、大量のよく分からないものと私は置き去りで、息の白い12月の年末を迎えようとしていたのです。 私はこのまま置き去りにされるのが嫌で、部屋のモノを全て捨ててやろうと、彼の気配の残るすべてを捨ててやろうと、沢山のこべりついた想い出をゴミ袋に入れました。年末はごみを捨てるにもいつもより大変で、キーキーと泣く自転車に跨

          アルミと真珠