見出し画像

爪先を着飾る

「メイクアップ」
なんて掛け声で変身するヒーローヒロインに憧れていた幼少期。
隠れて母のメイク道具で、化粧ごっこをして遊んでいたのを覚えている。

姉を持つ同級生が多い田舎育ちの私の周りは、思春期も早くから皆着飾った。
その中で私はメンズファッションばかりを好んだ。ピンクは嫌いでスカートも嫌い。
私服の卒業式で、キラキラした制服ファッションで入場する女子の中、1人ボーイッシュ過ぎで浮いてた記憶がある。

中学はセーラー服だから、そのようにしてたが短髪で、ジャージを事が多かった私は、幼馴染の彼氏に間違われたし、母親に「あなたは中身男の子なの?」と声をかけられた事もある。
性別がどうとかはよくわからんが、私は一応女子のつもりだし、違和感もない。
ただそういうファッションが好きで、「中性」という存在に憧れていた。
(憧れが強すぎて二次性徴が出始める12.13歳以降は人生の終わりだと本気で思っていた)

それはさておき、周りと比較的遅めに女子のファッションに目覚めた私は、メイクやら着飾る事がとてもとても好きだった。
今でも好きだが、一時期は威嚇するためにゴテゴテのファッションを楽しんでいた。
アクセサリーはつけたらつけるだけ強くなる武器。ピアスもこっそり開けまくり、大学生になり髪の毛も週一で染めてたら中々人に顔を覚えてもらえなかった。

ある時期から色を好まなくなった。
それまでは原色、柄物ギラギラが大好物だったが、全身真っ黒になった。
毎日喪服のような格好をしだしたのは、周りに影響されやすい自分への戒めか、それらへの反抗心か。
ファッションに自信がなくなったからかもしれない。また色々なジャンルの服が好きすぎて、収集がつかなくなった故の落とし所だったのかもしれない。(黒で集めておけば、どんな服でも一応まとまって見えると言う持論)

今でも自分に一番似合う色は黒だと思うし、プラスアクセントカラーを楽しんでいる。
財布に余裕があるならば、柄柄したいしギラつきたいのは常にある。でも大変だよねー素体が装備に耐えられるようケアするのって、とも思ったり。(出来たら最高だけども)

さて、ここ2年近くでまた服装が変わった。
仕事に打ち込む、と言うか振り回され出してから、こだわりがガクッと薄まったからだ。
一日中デスクワークで、人に構われたくない、楽な格好で、目が痛くならない、体を圧迫しない服装を好んで着るようになった。
化粧もしない、コンタクトもつけず眼鏡で、最低限の清潔感さえあれば良いわと適当に日々を過ごす。

マスク生活も相まって、より自分への美意識が低くなった。
今でも微かにあるが、外に出るたびガラスに映る自分を見る、家でも鏡に向かって「今日はまだまし」「ずっとブス」だの唱えていたあの自分がだ。
人って変わるもんだなあ。なんて、今なら思うが、本当に適当な格好しかしてないのは色々疲れてるからなんだろうな。
まあ、それはそれで自身への呪いが薄まってていいのではないだろうか。

変にナルシストで、顔面をやや褒められて育つと歪んだ自尊心が出来るから、厄介だと思う。
外見の話になると、ずっと拗れてる過去と今があるから話が長くなるが、外見を褒められると母がいつも「私がきれいに産んだから」と言ってくれるお陰で、外見なんて自分の努力の成果ではない。なんて、意味わからん卑屈な精神になるから人との付き合いも下手くそになるよな。
私は人の顔の好みはあるが、美醜に関しては疎いと思う。美しいものは好きだし憧れるが、表情がその顔に合ってたらブスとは思わないし、ケアをあまりにもしてなかったり笑顔がブスだとブスだと思う。私は自分の笑顔が嫌いだ。


そんなことよりも今は爪の話で、最近、セルフでジェルネイルを始めた。
やっぱキラキラは好きで、仕事に余裕が出てくると自身の身だしなみが気になってくる。
最近ギラギラしてないなと。何してんだ自分と悲しくなる。
ストレス発散にバチバチにメイクして散歩に出かけるくらい、私の中で外見を整えることはモチベに大きく関わってくる。
それが今やミソッカスの日々。地味に凹む。そんな私は爪先に目をつけた。

幼い頃ピアノの影響で、爪を伸ばすとイライラして千切ってしまう。
もとより千切れるほど爪は薄く柔らかい。
白魚の手になりたかったけど程遠い私は自分の手が大嫌いでコンプレックスだった。

が、最近は自分への気まぐれのご褒美にと購入したセルフジェルネイルネイルセットで、毎日のようにキラキラの爪を楽しんでいる。
デスクワークだから出来る事なのだが、それがとても良くってマジでテンション上がるし上げれる。

外から見たらアンバランスだろう。
髪や顔はボロボロ、服もまあ適当、爪だけギラギラ。
それでも私は最高にキラキラしてる自分(の爪)好きだ。

ジェルネイルのお陰で爪が伸びてきて、形も整ってきた気もするし、前ほどコンプレックスは消えたと思う。
最近の悩みは適当なケアと、元々手汗が酷いからかすぐにネイルが剥がれてしまう事。
自分に合うやり方を見つけて、今後も楽しもうと思う。

今の私は爪さえキラキラならば、心強く生きていける気すらする。
もう少し余裕でたら、他のところもギラつきたいけど。

書いてて何回も寄り道をしてしまうくらい、自身の中での外見に対する意識や思いが爆裂大きかったということに、今更気付く。また改めて書いてみようかしら。
私は得意だったり知識があるわけではないし、自分の腕の届く狭い範囲でしかないが、ファッションやメイクやヒールやなんやらかんやらがとてつもなく好きだし、スッゲーこだわりが強いらしいと最近気づいたから、整頓することつもりでまた書こう。

とにかく、私はこれからも、毎日どこかにキラキラを携えて生きていきますよと。年々キラキラの装備品は場所をかえ品を変えするけども。
そう言う話でした。
やっぱキラキラは最高。
カラスかよって思うけど、別にいいじゃないか。
何十年後には本当に魔女みたくなれるかもだし、なれたら最高だね。

とにかく、自分の爪と生活に合うネイルを探して行こうと思う、今日このごろ。

皆さんはいかがお過ごしでしょうか?って感じで。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?