その使命感、いらないかも
少し気になることがあったので、自戒を込めて少しお話を・・・。
定期的に私のnoteを読んでくださっている方はご存知だと思うのですが、私は今パニック障害という病気の治療中です。しっかりとした治療を始めて、もうそろそろ1年というところでしょうか。
このnoteを始めたきっかけも、そこにありました。
普通に生活をしていて身近にあるはずの病気ではあるものの、世の中の病気に対する理解はそう進んではいません。会社を急に休み始め、悪気がなくとも動揺してしまったり、私を変に避けたりする人が増えてしまうのではないか、と思い、それがあまりにも悲しいことだと思ったし理不尽に感じたので、この場を見つけて発信を始めた、という感じです。(今は、偶然にも「書くこと」そのものの楽しさを見つけたので、病気の啓蒙のためだけに書いているという意識は全くないです)
こんな病気なんだよ、こんな症状なんだよ、これはできるし、これはできないんだよ、発作が起きていないときはどこからどう見ても普通だし、仕事だってできるんだよ、と。
ときには、「何もできなくなってしまったんじゃないか」「頭おかしくなったんじゃないか」「まともに会話できないんじゃないの」「もう仕事はできないんじゃないか」と偏見の目で見てくる人もいる。だからこそ、そういう人が一人でも少なくなるように、私の経験でしかないけれど、できる範囲で発信していこう、と。
それから、「病気療養中の人は、不幸そうにしていなければならないんですか?」というのも、大きな疑問としてありました。
このnoteを始めた時も、もちろん病気に関係ない日常のこともたくさん書いたり発信したりするわけで、もしかしたら読んだ同僚が「ブログなんて書いちゃって、全然元気じゃん」「なんだ、働けるんじゃないの?」と簡単に思ってしまうんじゃないかと、とても悩み、考えたりして。でも、答えはすぐに出ました。ありのままの過ごし方を書いておこう、と。
「なーんだ、元気じゃん」は、あまりにも浅はかだと思ったのです。そう思う人が一人でもいたのなら、私のnoteやSNSに書かれた日常を以ってして、病気療養中の人が「病人らしく」していなければならないなんてことはないはずだ、と強く説得したかった。悪気はなく、無知なだけの、そんな浅はかな一言で傷つく人が1人でも減ればいい。そう思って、できることを全力で楽しみ、その姿をSNSを通じて惜しみなく書いています。今も。
そして最近ではそれと同時に、病気そのものを、社会的に信用をなくす要因にしたくないという気持ちが、強くあります。もちろん病気の種類や状況にもよると思うけれど、「病気なの?それじゃあこれは頼めないね」「信用できないよ」と言われてしまうんじゃないか、と。
全てを理解して、全てを受け入れてくれる優しい世界もあるのでしょう。でもそういうところばかりじゃないから、多少の偏見を持った人にも「できない人」「頼れない人」という先入観を持って欲しくない。そう思って、できる限りの偏見をなくすために、ちゃんと言葉で語り、理論的に説明し、行動で示せるように、取り組んでいるつもりです。
もちろん私は「患者代表」ではないし、パニック障害であるということは私の個性でもなんでもない。私を説明する肩書きでもない。ただただ「そういう状況がある」とか、私のとある一つの状況を表す言葉のうちの、ほんの一つの要素でしかありません。
以前からもそうですが、最近もまたぱらぱらと、著名人の方でパニック障害の経験を公表される方を見かけます。
私が最近目にした中だけでも、経営者のハヤカワ五味さん、タレントの西内まりやさん、杉原杏璃さん。
一般人とはまた違う覚悟を背負ってこうして発信されているんだろうなと思うし、他人が言ったり報道したりするのではなく、自分の言葉や自分の意思で発信している皆さんは、いろいろな面で、病気に対する偏見や理解の浅さをどうにか解決しようとしてくださっているんだろうなぁと勝手に理解し、心強く思ったりしています。
ただ一方で、これは自分に対して言いたいのですが、ちゃんと啓蒙活動をしたいからといって、まるで「患者代表」のように頑張らなくてもいいな、ということ。誰に頼まれたことでもないからこそ、自分の意思だからこそ、使命感みたいなものが出てきてしまう。
「頼りないと思われたくない」「これができない、あれができないって、思われたくない」。そう思う気持ちがあればあるだけ、頑張ってしまう。でもそれは、本来の目的とは、ズレている。
啓蒙したいからといって、わざわざそのために強くなろうとしないこと。ありのままであること、ありのままを伝え、見せること。そうやって自然体でいることが、一番理解が進む近道なんじゃないかな、と思っています。なんとなく。
珍しく病気のことに特化して書いてしまった。自分のために書いたようなnoteになっちゃったわ(笑)。
数ヶ月前の自分のように苦しんでいるどこかの誰かにも、伝わっているといいなぁ。
Sae