たったひとつのこだわりと感情【人生明晰夢化その4・最終回】

現実(人生・リアリティー)の創造において、感情は推進力や燃料のような働きがあると私は長年思ってきた。それがここにきて感情への見方をだいぶ変えつつある自分がいる。感情についての理解が、多次元的になってきたという感じ。

感情そのもの、それ自体は良くも悪くもないが、感情が何であるかを知ると活用することができるのだ。
この記事は「人生明晰夢化」講座の第四回、そして最終回でもある。

当シリーズ全体の説明は以下を。

「あなたがあなたの現実を創造していること」を自覚し、創造者として人生を扱う(現実という夢を明晰夢化する)講座、今回は第四回、最終回。
日時を決めて行う講座と違い、お好きな時にご自身で学んでいただけるのがメリットだ。シリーズ全体を順を追って読むのでも、各回のうち、あなたが心ひかれる回を単体で読むのでも、あなたに合った使い方でどうぞ。
<全四回、各記事へのリンク>
★第一回・導入編★
「【人生明晰夢化その1・導入編】リアリティーの外へ・人生という夢を明晰夢にできてるかチェック」
★第二回★
「自己認識の置き所が違いを生む!【人生明晰夢化その2】」
★第三回★
「ここにいないと知っていることが必要・生命の定義【人生明晰夢化その3】」
★第四回(当記事)★
「たったひとつのこだわりと感情【人生明晰夢化その4・最終回】」

まだまだまだ、色々な話題を用いて続けようと思えばできるのだが、第一回で書いた通りこの講座の基盤はこれまで私が伝えていたことと共通なので、あえてこのあたりで切り上げ、仕上げることにした。
どのアプローチによっても、内容の本質的なシンプルさが「本当にこれだけなんだよ!」という具合に際立って伝わるといいなと思う。
そしてこのシリーズを始めるきっかけとなった体験(第一回の記事にある)に至ったキーのひとつが、感情そのものについて吟味することだったので、この話題は最終回にふさわしい。

あなたの思いのすべては、どこかの現実で何らかの形で作用している――が、あなたの「この現実」で特定の思考が具現化する(あなたが経験できるほどにアクティベイトされる)には、原理的には今のあなたのエネルギーがしっかり注がれていることが必要だ。
たとえばある過去、ある未来をあなたが経験するには、一定のエネルギーをそれに注いで「自分の現実」と見なしていなければならない。このとき伴う感情があれば、「リアルさ」を付与するエネルギー燃料の役割をする。

とはいえ、意識的な(自覚した状態での)現実の創造では、感情は必ずしも「意図的に注ぎ込む必要はない」。静かな心で、平静に、軽いタッチで現実を創造していくことが可能だ。
ただしこれは「真実に沿った」創造に限って言えることで、それが「あなたの自然な状態がもたらす結果」だからこそだ。

それとは異なり、「無理矢理ものごとを起こす」際は、注がれる感情エネルギーの度合いが、具現化するか否かの違いを生む。
ここには恐れなどの「本人にとって望ましくないけれど強まっている感情」も含まれる。
そのように感情エネルギーの強烈さによって無理矢理ものごとを起こしているときはあなたが真実に逆らっているときで、果たしてそれは必要なのか? という点についてはあなた自身が決めなければならない。
あなたの選択は内で行われている。それも、表層的に自分を説得するような思考によってではなく、内心自分が信じていることによって行われる。

デフォルト(初期設定)の感情は愛。ポジティブが自然な私たち

魂のあるがままの状態、つまり私たちの本来の状態を人間の知覚で翻訳するなら、「愛」や「平安」などになる。
つまり、二極的に感情を捉える中では、ポジティブ・ネガティブのどちらに感じられるかと言うと、平常設定が「ポジティブ」なのだ。あなたが自然な状態にあるならば。まずは、これを覚えておこう。
自己の中心に焦点を合わせると言うと「どちらでもない真ん中」のイメージで捉えるかもしれないが、味わう感覚としてはそうじゃない。

何はなくとも心の中が穏やかで幸せというのは「普通」で自然な状態だ。
あなたがあなた自身に波長が合っているとき、調和しているときはそうだ。

努力しなければ幸せを感じられないなら、それは異常事態。もちろんエゴ(分離を信じる前提)の観念は、それこそが「現実」だと主張するだろうけれど。
愛を「どこかから得なければならないもの」と信じているなら、それも異常事態。あなたの白紙の状態で「すでにある」のが愛なのだから。

愛や平安――私たちが根底で常に求めては、あらゆる形でその「ありか」を外側に投影しているそれらが、実はデフォルトで自分に備わっている! 
これを今一度あなたに自覚してもらって……その上で、次の話に進もう。

観念はポジ・ネガ両方の感情を生じさせる

あなたが生じさせる感情、それがあなたにとってポジティブであれネガティブであれ、その感情の「元」になるものがある。感情は、元に当たるものの「結果」だ。

元にあるものとは観念(Belief)で、これがものごとを判定する物差しとして働く。ある観念に対するあなたのこだわりが大きければ大きいほど、感情は大きなものになる。
こだわりを、「あなたにとって重要であること」「あなたが大切だと思っていること」と言い換えてもいいだろう。それをあなたが自分にとってポジティブな要素と思うか、ネガティブな要素と思うか、どちらでも本質は同じだ。

たとえばあなたが地球の自然界に並々ならぬ愛情を抱いているとして、それがあなたにとって大切であるとしたら、あなたはそこから生じる情熱や楽しみなどの「ポジティブ」な感情を味わう一方で、場合によっては自然の尊厳が踏みにじられていると感じる状況など、あなたの意に添わないように見える事態に「ネガティブ」な感情を生じさせる可能性もある。

ネガティブな反応は苦しみになり、あなたのエネルギー回路への「抵抗」になる。そのとき味わう感情やフィーリングは、悲しみ、怒り、憎しみ、落ち込み、絶望など。厭世観や無力感なんてのもある。

以前よりお伝えしているが、すでに発生した感情は、「抑圧」「蓋をする」ことで消すことはできない。また、その感情の元となる観念を信じているのと同じ次元で、結果である感情だけを発生させないようにすることもできない。「感じないふり」をするのがせいぜいだ。

感情そのものは副次的に生まれる、表現されたエネルギーなのだ。
エネルギーはあなたの持っているパワーそのものでもあるので、感情を無理に押し殺すと生命力が枯れたように感じるだろう。

では、感情をどう扱うことができるのか。
感情の振り幅が激しいことイコール、パワフルな人間だというわけではないことをあなたはきっと理解しているだろう。
むしろ、真の穏やかさが揺るぎない力だ。

睡眠中の明晰夢では、平静さを保つことによる効果を実際の現象として経験することができる。起きている間の世界では、その効果が一見わかりづらくなっているのだが、やはり同じだ。

あなたが人生に映し出している、たったひとつの共通の「こだわり」

感情を観察すると、あなたの「こだわり」を見つけられることはもちろん、自己認識をどこに置いているかに気づくことができる。
☆自己認識の置き所については第二回◆「自己認識の置き所が違いを生む!【人生明晰夢化その2】」をどうぞ。

観念の作用と感情の仕組みをすでに理解し、自分自身で意識的に扱ってきた人、効果を認識できている人には、私はそれぞれの観念を別々のものとして取り組むよりも、一括で観念を無効にする方法をおすすめする。
ひとつひとつの観念が語りかけてくる「ドラマ」に耳を貸すよりも、たったひとつの共通の、以下の「こだわり」に気づけばいいのだ!

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