秋の自然と家族【異なる性質の人もあなたを助けてくれている】

★2020年9月23日以前にご購入くださった方へ★
記事内で話題にしたイネ科植物について続きとなるエピソードがあり、該当するセクションの末尾に追記を入れました!

ナガサキアゲハの幼虫を、ミドちゃんと呼んで2年前から愛でている。
私が今の住まいに移った2018年以降、初めて出会った秋からずっと、初夏と秋が訪れる度に庭で成長する姿を眺めているのだ。
(☆note内の過去記事◆「生命形態と意図、たくさんの目、虫から見つめる知性」でも一度、すでにミドちゃんの話題を登場させている。)

ただし今年の初夏には、うちでは一匹のミドちゃんも見ることができなかった。気温が例年より低かったので、そのせいかもしれないと思ったのだが、もしかしたら単にうちに来なくなっただけで、秋にも現れないのかな……との可能性も考えていた。

最近は、いるならそろそろ見つけられる頃だなと思って、木の葉に何度か目を走らせていたのだが。
今日、家族がうれしそうに「いたよ!」と、教えてくれたのだった。

今年初めてお目にかかったミドちゃん

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写真だとわかりづらいけどこのミドちゃん、まだ全長3センチほど。
いっちょまえに青虫の形になっているものの、小さくて本当にかわいい。
たくさん葉っぱを食べていくうち、この体がみるみる大きくなる(ナガサキアゲハの終齢幼虫は、かなり大きい。私が見てきた感じだと、7センチ近くあったと思う)。
そして、やがてさなぎになり、あの素敵な黒いチョウチョに変貌を遂げるのだ。すごいよね! 自然界って、奇跡の連続。

ナガサキアゲハの成虫の姿を見たことがない人は、こちらをどうぞ。
ナガサキアゲハ - Wikipedia

青虫になる前の幼虫は、こんな姿。

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ところでこの2枚目の写真の子は、別の木から移してきた個体だ。
父が蚊に刺されながら一生懸命探して、見つけて、この木へ運んだのだ。
そして運んできた際に、1枚目の写真のミドちゃんがこちらの木に先住しているのも見つけたのだった。

庭にはナガサキアゲハが産卵する木が2本あって、1本は父が飼育している魚の水の中に幼虫のフンが直撃してしまう位置なので、あまり生息されると都合が悪いのだった(幼虫はけっこうな量のフンをする。落ちているフンで幼虫がいるなとわかる)。それで、はじめは手作業でもう1本のミカン科の木に移してみたところ、次からは、そちらの木にも産卵するようになった。

そのもう1本の木というのが、◆「自然の使者たち(ハチ、ヤモリ、樹木)精霊を見る目」でマザーと呼んだ木だ。彼女は、ミドちゃんたちに葉を分け与えているマザーでもあることになる。

★追記……ミドちゃん観察のかたわら、この木の葉に「ミカンハモグリガ」の幼虫も生息していることに気づいた。これについては木の健康が心配になったので木とコミュニケーションしてみたところ、「大丈夫」との返事を本人(本樹木)からもらっているが、庭を手入れしている父にも報告済み。
ミカンハモグリガは別名「絵描き虫、字書き虫」、幼虫が葉の中に潜って葉を食べるので葉に白い模様ができる。その状態の葉のいくらかは取り除いたが、成木で元気のある木なのであとはそのまま様子見。

今になって説明すると、2018年の秋、初めてミドちゃんと会ったときの記事◆「アゲハの幼虫、ミドちゃんとのランデブー」(私のブログ内)で、ミドちゃんを腕に乗せてみたり、ミドちゃんが身を守るためにツノを出して臭い匂いを発する様子を実体験したりしたのは、父が、そのように別の木に移動させたミドちゃんのうちの一匹を、家で飼ってみようとしたからだ。

父は、どこかにしまってあったプラスチックの飼育ケースを出してきて、葉のついた枝も入れて食料として用意するほどの手際の良さ。
私が現れたときには一匹のミドちゃんがケースに入れられ、天井(フタ)に上って、しきりに出たがっているところだった。
私は飼うことには反対し、そのミドちゃんも木に放すことにした。それが、あの記事のいきさつだったのだ。
そのとき以来、ミドちゃんがツノを出す姿は見ていない。

どういうわけか、うちの父は生き物を飼育したがる。
今だって植物だの魚だの常に何かの世話をしているのに、増やすことを厭わないどころか歓迎している様子だ。気づくと増えている新顔もいる。

私は、できるなら(特に野生生物は)、自然のままにしておいて観察したい派。
なお、父の伴侶である母は、生物が元来苦手である。
こういった家族との背景は先月◆「植物も好きだ(我が家の生物事情、気やエネルギーの話とともに)」で一部、語った。

それでも面白いなと思うのは、私の虫への愛情が伝播し、家族の虫に対する扱いが昔と比べると明らかに変化したことだ。
私があまりに大喜びするものだから、家族もミドちゃんを丁重に扱うようになったという側面はある。

父は生物好きとはいえ、いわゆる害虫になる虫は手入れの一環として駆除していたものだったし、母は虫など見たくもないというタイプだった(芋虫や青虫なんて、「キャー!」と叫ぶほど嫌がっていたのに……と、今ではミドちゃんをかわいいと言っている本人がコメントしている)。

けれども、今は皆がミドちゃんとの出会いを楽しみにしている。
ナガサキアゲハを歓迎ムードで迎え入れる家になったのだ。

いや、アゲハだけではない。
気づくと、他の虫に対してもだんだんそうなっているのだった。

ここからは私の家族のエピソードとともに、まるで水と油のように「あなたとは異なる性質の人」がいても、実はその人は、その人にしかできない方法であなたを助けてくれているということを語っていく。

虫を怖がり、生物を嫌いと言い張る母が、いかに私の学びを促進しているか(イントロ・垣間見えるスピリチュアリティー)

私の身近な人間の中でも、今回フィーチャーしたいのは母だ。
「植物も好きだ(我が家の生物事情、気やエネルギーの話とともに)」で書いた通り、母は人間以外の生物を飼ったり直に関わったりというのは苦手で、父の姿を見ていると、この二人が結婚したのは不思議にも思える。

母は田舎育ちだが、虫や爬虫類、両生類が大嫌いでつらかったと言い、今でもシティ派を公言してはばからない。

だから、私が虫に本格的に関心を抱くようになってからも、家族がいる場でふいに現れた虫へと私が興味の眼差しを向けると、すかさず母が「うちでは虫はだめだよ」と牽制していた。
いや、私とて、観察がしたかっただけで飼おうとしていたわけではなかったのだが……。

しかしこの母、そうは言いながらも妙に生物に人気がある。
初対面の動物たちにも好かれるのだ。
(参照◆「今年のミドちゃんと、アニマルコミュニケーションの極意」
さらには、私も行う多生物とのテレパシーコミュニケーション、「アニマルコミュニケーション」にも実は理解があるし、生物にフォーカスしたテレビ番組があると必ず見ていたり、「本当は生物が好きなんじゃ」と思うことが多々あるのだ。

余談だが、一方で父は、自然に対する自身の経験と知識が豊富であるがゆえにおのずと生き物の状態がわかることも多く、アニマルコミュニケーションという観点はあえて信じる気にならないのだと思う。
昔、テレビ番組内のアニマルコミュニケーションのシーンを見ていたとき、アニマルコミュニケーションを自分は信じていない、と父がはっきり言っていた覚えがある。そのことで父に詳しくインタビューしたことはないが。

母に話を戻そう。
2012年、ブログの◆「いつになったら認める?霊的感覚」という記事では、母の「おとぼけ霊感」について述べた。
母は直観が鋭く、多くのことをわかっている気配があるのに、自分では俗っぽく(というと語弊があるが、ここではあえてその表現で)「普通で」あることにコミットしている。
スピリチュアルな世界なんて私には関係ない! と言わんばかりだ(というか実際にそのようなことを言ってもいる)。

生物に対しても、家にはどんな生物もいなくていいとのスタンスを崩さないが、その一方で、「どんな生き物も神の一部だから魂があり、この世界での役割がある」などと突然サラッと発言したりする(母は前述の通りスピリチュアル分野に興味がないし、宗教を信仰したこともない)。

そもそもあれだけ生物を好きな父と結婚し、生活し続けること自体が、根底から生物を嫌いな人だったら無理なのではないかと感じる。
父が様々な生き物を好み、飼育し、世話しているのは結婚前からだと母本人も証言しているのだから。

しかし、それと同時に他生物を「本当に苦手。嫌がっている」という部分も母の現実であり、私はかわいいと思うヤモリなどの爬虫類にせよ身近な虫にせよ、母の前に出没しようものなら本気で気持ち悪がり、怖がる。

そのくせ、自然界に向けて心を閉じているわけではなく、ちょっとした折に私自身の学びも促進するような意外な「深掘り」をし始めるのだった。

この間は、秋の虫の話から発展した「バッタ」がそれに該当した。

オンブバッタに対する母の問いと、深まる学び

それは今月に入って間もない、ある穏やかな朝のことだった。
天気はのどかで、虫の音が美しく聞こえ続け、部屋いっぱいに、◆「自然の使者たち(ハチ、ヤモリ、樹木)、精霊を見る目」でふれた庭の木の素晴らしい香りが満ちていた。
母はストレッチをしていて、私はそばで扇風機にあたってくつろいでいた。

色々な虫が鳴いてるね、これは何の虫かな、と虫の話題になったのだ。
その流れで私が「虫の世界では、メスがオスより大きいことがけっこうあるよね、たとえばオンブバッタとかさ……」と、ペラペラとしゃべったのである。
私は特に意図はなくその話をしたのだが、母が「オンブバッタって何?」と言い出した。

えっ……この人、田舎育ちで虫がたくさんいた環境だったと言っていたのに、オンブバッタを知らないの? それに私が子どものとき、図鑑や本を私に与えていたのに自分は見ていない?
私は「メスの背中に、メスよりも体の小さなオスが乗っている」バッタの姿を説明した。見たことない? と聞いても、母は見たことがないと言う。

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