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#42【夢日記】激安居酒屋に懐疑的な視線を投げ掛ける僕

こんな夢を見た。

僕は地元の友達と姫路駅に繰り出し飲み屋を探していた。顔馴染みの面々、いわゆる“いつメン”である。姫路駅で飲むことも含め、現実世界でも良くある光景だ。

姫路駅の周辺には数え切れないぐらいの飲み屋がある。どうやら今回は、事前に予約したわけではなく、各々の直感を頼りに、ふらふら〜っと店内に入ろう、という腹積もりらしい。

そんな中、友達の一人が、口を開いた。

「おっ、この店、生ビール安いんだってさ。それもスーパードライ。ココにしない?」

友達が指し示す方向を見やると「ハイボール198円!生ビール298円!(税込)」と大々的に書かれた看板が、店の前に置かれていた。

余談だが、僕は「(税込)」という表記が大好きだ。逆に大嫌いなのは、何の表示もなく、お会計の場面で「(税抜)」であることが判明するパターンだ。店側の策略かと勘繰りたくなることすらある。

もう一つ付け加えると、お会計の際、1円単位になるのも、また好きじゃない。これは単純に、小銭がちょろちょろ出るのが嫌なのだ。割り勘となると現金支払いになるケースが多い。それで1円単位だと、こんなジャラジャラいらねえよ、くれてやるよ、と、毒付きたくなることも。

そういう時に限って、募金箱みたいなヤツが無い。つくづく上手くいかないものだ。そんなボヤキを心の中で吐きながら、小銭を財布にしまうのだ。いや、心の中で、と書いたけれど、深酒した際は、ついつい、心の声を通りこして、悪態をついてしまう場合もある。くれぐれも気を付けたいものだ。

と、シラフの状態では、自分に約束したりするのだけれども、酒が入ってしまうと、悲しいかな、自己コントロール能力が、普段の10分の1ぐらいになってしまう。僕もそろそろ三十路を迎える。お酒の付き合い方を、もっと真剣に、考え直す時が来ているのかもしれない。

・・・おっと、失敬。

余談から、話が逸れてしまった。

友達が提案して来た「生ビール298円(税込・スーパードライ)」に対して、僕は、こう返した。

「店の前にそういう看板出すトコは怪しい臭いがするな」

僕は、学生時代、居酒屋でアルバイトをしていた。その経験もあってか、お客側の視点ではなく、お店側の視点で、マーケティング戦略について、思考を巡らすのが癖付いている。

そんな僕にとって「ハイボール198円!生ビール298円!」といった“いかにも”な看板の出し方は、逆にキケンではないだろうか、という、直感が働いたわけだ。

友達は、こう返した。

「えー。でもスーパードライだよ?」

この友達、よっぽどスーパードライが好きらしい。ちなみに僕は一番搾り派だ。さらに言うと、“いつメン”は、僕以外、スーパードライ派だ。数的不利の状況ではある。

この友達は「多数決の原則」によって、僕の反対意見を、ムリヤリ押し切ろうという魂胆なのかもしれない。あるいは、さっさと店に入って飲もうぜ、俺もう、喉乾いて仕方ないんだよ、と、単に、痺れを切らしているだけか・・・。

そんなことを漠然と考えながらも、僕は「なぜキケンだと思うのか?」という理由について、一気に述べた。

「大抵、そういうトコは他のメニューで採算を取るわけ」

「生ビールはあくまでも客引き。看板娘みたいなもんさ」

「良い店はそもそも『おっ』と思わせる必要が無いのよ」

そこまで言うと、友達は、僕の考えに納得したのか、もしくは、過去に似た経験をしたのか、それは良く分からないが、合点が行ったような表情を浮かべながら「じゃあやめとくかー」と言った。

ソコで会話は打ち切られ、振り出しに戻った形で、僕と友達は、再び、どこで飲もうか、お店探しに繰り出して行った。

ここで目が覚めた。

僕は、起きた後、寝ぼけ眼、ロクに働かない脳でありながらも、ボソボソと、独り言を発した。

「まぁ、お前(自分のこと)の言ってることも、分からんでもないけど、友達におったら嫌なやつやなぁ・・・。俺、現実世界で、そういうこと、言ってんのかなぁ・・・。言動を改める機会を与えるために、夢の世界で、客観視させてくれたんかなぁ・・・。」

真相は分からないが、割と結構、グサリと来る夢の内容であったことは、間違いないだろう。

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