りゅういち@人本旅

「人と繋がる、本と向き合う、旅をする」 5年間で1000冊読破した読書家。https:…

りゅういち@人本旅

「人と繋がる、本と向き合う、旅をする」 5年間で1000冊読破した読書家。https://syuukanndokusyo.blogspot.com/  たまに、ふらりとひとり旅。 今もなお、年間150冊ペースで本を読む40代。 色んな繋がりを求めてnoteにやってきました。

最近の記事

冒険的登山と紅葉

僕が登山に求めるのは冒険的要素であり単独行である。 山の個性は登る人によって受け取り方が違い、山とて機嫌がいいときもあれば悪いときもあり、天候ひとつで全く違う表情を見せる。 単独行の良さは、他人のペースに影響されず、自分の好きな速度で歩き、好きなときに休憩を取り、好きな物を食べる。 自分で選んだ山を歩いているとき、その行動はすべて自己責任であり、心から冒険的自由を謳歌することができるのだ。 探検家・作家である角幡唯介の著書『新・冒険論』によると、冒険とは「シムテムの外に出る

    • 紅葉登山と伝説の洞窟

      『伝説の・・・』、この言葉が装飾されるだけで対象の魅力が増してくる。 紅葉登山、4座目は『伝説の洞窟』がある稲叢山(高知県土佐町)である。 かつては交通の不便さもあって健脚の岳人にのみ許された山であったが、ダム建設のおかげで、身近になった山である。 山頂に続く3つの登山道のひとつに『伝説の洞窟』と言われる険しい岩場がある。 ここは源氏の追っ手を逃れた平家の落人56名が洞窟に立てこもった跡であり、言い伝えによると食糧が尽きて全員が壮絶な最期を遂げた場所であるということだ。 渓

      • 天空の林道と侘寂温泉

        紅葉登山、3座目。 秋の気配はどこへ・・・、各地で10月の暑さを記録更新した。 連日の高温の為、今年の紅葉の色づきは遅く、この日のモミジも青々としていた。 日本は徐々に四季を失っているのだろうか。 愛媛・高知の県境にそびえる中津明神山(1541m)は独立峰で展望が良く、天気が良ければ土佐湾から瀬戸内海まで見渡すことができる。 登山口からは急登の雑木林が一時間以上続き、一気に体力を消耗する。 何度もザックを投げ飛ばし休憩するが、この景観ではテンションが上がらない。 ようやく

        • あの時、ああすればよかった・・・

          「生」は喜ばしい、「死」は悲しい。だが、生と同じ数だけ死がある。 「死んではいけない」と諭される。「死んだら終わり」という人もいる。 生き物は必ず死ぬし、その時期は分からない。 人間は常に死に近づきつつあり、死のリスクにさらされている。 死はできるだけ先延ばししたいし、怖いので考える事も嫌になる。 「死とは何か」についてイェール大学で講義を続けるシェリー・ケーガンは、「どのような生き方をするべきか」についてこう説く。 ”やがて死ぬことがわかっている以上、この問いについて慎重

        冒険的登山と紅葉

          紅葉登山と秘境の水風呂

          秋の気配はどこへ・・・、各地で10月の暑さを記録更新した。 気象庁によると30度を超える真夏日が3日間続くのは観測史上初めてのことで、日本で観測がはじまった1870年代の10月平均は15度前後だったが、近年は20度を超えることも珍しくない。 日本は徐々に四季を失っているのだろうか。 今回の紅葉登山は『伊予富士』である。 四国の真ん中を貫く山脈は西日本最高峰の石鎚山をはじめとした標高2000m近い山々が軒を連ねる。 例年の紅葉の見ごろは10月中旬であるが、この日は20度前後に

          紅葉登山と秘境の水風呂

          紅葉登山単独行

          『ひとりで山を歩く』ということの醍醐味とは何だろうか。 他人のペースに影響されず、自分の好きな速度で歩き、好きなときに休憩を取り、好きな物を食べる。 自分で選んだ登山コースを歩いているとき、その行動はすべて自己責任であり、心から自由を謳歌することができる。 計画は綿密にすべきではない。 予測できる未来ほどつまらないものはない。 道の先に何があるかわからないから面白いのであって、安心をもたらす予定調和など必要ない。 ただ探検家のように歩みを進めるだけだ。 西日本最高峰、石鎚

          サウナで治らない病は治らない

          タイトルはサウナ大国フィンランドのことわざである。 ことわざ通りサウナと健康の関係は深いものだと考えられている。 サウナは殺菌効果が高く極めて清潔な空間であるため、かつてサウナ室内で出産も行われたようだ。 また、健康と幸福は密接なつながりがある。 World Happiness Report 2021(世界幸福度レポート)では、フィンランドが4年連続1位になったのだ。 フィンランドのサウナことわざに『まずサウナを造れ、家はその次』というのもある。 フィンランド人は家を建てる際

          サウナで治らない病は治らない

          読書には風がある

          乱読する時期もあれば、ぱたりと本を手にしなくなる時期もある。 また思わぬジャンルに流され、すごい本や著者に出会い、新しい世界が見えてくる。 まるで風に飛ばされる気球のようだ。 昨今の風に流され、今は探検ノンフィクションにどっぷり浸っている。 角幡唯介→高野秀行→服部文祥→石川直樹・・・ この先どこへ飛んで行くのだろうか。 冒険の探究心や人間洞察の力で描かれた作品は未知の世界へ導き、新しい知見を与えてくれる。 『最後の冒険家 著者:石川直樹』を読んだ。 熱気球冒険で数々の記

          読書には風がある

          ウェブライターを諦めた

          ウェブライターを志し、約半年。この道は諦めた。 厳密に言うと、クラウドソーシング経由での受注を諦めた、ということだ。 ウェブメディアの集金構造として、とにかく人を来させる構造にして広告を貼る、というビジネスが圧倒的多数になる。 PV至上主義になれば記事内容は、不明瞭・不適切が横行してくる。 この典型と言われるのがWERQ事件である。 WERQ事件とは(株)ディー・エヌ・エーが運営していた医療情報の提供を目的とするウェブサイトだが、掲載された記事の中に医学的根拠が不確かな情報

          ウェブライターを諦めた

          4ヶ月ぶりに太陽を見た男

          ノンフィクションの醍醐味とは、圧倒的なリアル感だ。 著者や当事者にさえ、あまりに予想外な展開が待ち受ける。 事実に基づいて作成された物語は説得力を増し、読み手に犇々と迫ってくる。 『極夜行 著者:角幡唯介』がまさにそういうノンフィクションだ。 極夜とは、日中でも太陽が沈んだ状態が続く現象のことをいい、厳密には太陽の光が当たる限界経度(66.6度)を超える南極圏や北極圏で起こる現象だ。対義語は白夜。 極夜の世界に行けば、真の闇を経験し、本物の太陽を見られるのではないか・・・

          4ヶ月ぶりに太陽を見た男

          有効率95%が意味すること

          新型コロナの感染拡大が止まらない。 ワクチンの接種状況を見てみると、日本での必要回数の接種が完了した割合は27.2%である。(7/29 Our World in Data) 集団免疫を獲得するには、接種率7割以上が必要だ。 しかし、新型コロナワクチンの有効性はどうなのだろうか。 『新型コロナとワクチンのひみつ 著者:近藤誠』を読んでみた。 通常、新しいワクチンは有効性と安全性が確認され、各政府に承認されるまで5~10年かかる。 しかも、現在接種しているはRNAワクチンであり

          有効率95%が意味すること

          夏の自由研究と登山と天空露天風呂

          「#夏の自由研究に行こう!」と息子を誘って家を飛び出した。(小4) 今回のテーマは標高と気温の関係だ。 「標高が高いほど気温が低いのはなぜか?」 当たり前のように思っていた現象だが、明確に説明を求められると困ってしまう。 まず、地上が暖かいのは太陽が原因の一つである。 地球に届く太陽光は地面や物体、真空に対して電磁波を放射し、分子を振動させることで熱を発しているのだ。 別の例に例えると、電子レンジによって温められる現象は、食べ物に電磁波を与えて分子を振動させているからである

          夏の自由研究と登山と天空露天風呂

          情報があふれ、多忙を極める現代。冒険心はどこへいったのか?

          『エルマーのぼうけん』を知らない人はいないだろう。 アメリカで出版され、半世紀以上たった現在でも多くの子どもたちに愛されている名著だ。 大人になり改めて読み返してみると、これまで気付かなかった面白さや仕掛け、あるいは現実社会の比喩としての表現。 また、コミュニケーション論にも通ずる新しい発見がある。 簡単にあらすじを紹介しておこう。 大きくなったら飛行機で自由に空を飛んでみたい、そう願っている少年エルマー。その彼が野良猫と話し、野良猫から教えてもらった島にひそかに冒険へ行く

          情報があふれ、多忙を極める現代。冒険心はどこへいったのか?

          天災(人災)は必ず起こる

          地球温暖化が進み、ここ数年、これまで考えられなかったような異常気象が私たちの国土を襲っている。 近年では、経験したことがないような豪雨により、大水害や土砂災害が多発している。 また、内閣府によると、南海トラフ地震が今後30年以内に発生する確率は70~80%、首都直下地震が今後30年以内に発生する確率は70%程度であるとされている。 日本の自然災害発生の危険は、程度の差こそあれ、国内全土の危険度が高いと思っていて間違いない。 地震、火山噴火、台風、洪水、土砂災害。 日頃あたりま

          天災(人災)は必ず起こる

          だから「早く・深く・多く」読める!

          『本は10冊同時に読め! 著者:成毛眞』を読んだ。「同時に10冊読め」というと、「並行して読んでいたら内容を忘れてしまうのでは?」と思うだろう。 著者の成毛眞は「並行して本を読むからこそ、集中力が高まり、内容がしっかり頭に残るのだ。」と喝破する。 文化庁の調査によると、1ヶ月に1冊も本を読まない人が約半数。 1~2冊しか本を読まない人を含めると8割を超える。 読書している人が少ないことは、それだけその他大勢から抜き出ることができるチャンスとも読み取ることができる。 しかし、

          だから「早く・深く・多く」読める!

          知らない土地の土を踏むと、ある人に出逢う。そう、新しい自分だ。

          旅の醍醐味とは「学習」→「準備」→「余韻」ではないか。 旅好きなら誰もが知っている真実がある。 旅は準備段階からすでに始まっているということだ。 インターネットで経験者たちの声をかき集め、その土地の歴史を学習する。 必要ならば関連書籍も購入するだろう。 大切なのは「観光客」にならないということだ。 観光客というのは、旅行会社やガイドブックにに従って、有名な観光地を見物してまわる客、ということになる。 個性と自主性のない「お仕着せ」の旅を抜け出すにはどうしららいいか。 それは

          知らない土地の土を踏むと、ある人に出逢う。そう、新しい自分だ。