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有効率95%が意味すること

新型コロナの感染拡大が止まらない。
ワクチンの接種状況を見てみると、日本での必要回数の接種が完了した割合は27.2%である。(7/29 Our World in Data)
集団免疫を獲得するには、接種率7割以上が必要だ。
しかし、新型コロナワクチンの有効性はどうなのだろうか。

新型コロナとワクチンのひみつ 著者:近藤誠』を読んでみた。
通常、新しいワクチンは有効性と安全性が確認され、各政府に承認されるまで5~10年かかる。
しかも、現在接種しているはRNAワクチンであり、人に用いられるのは初めてだ。

※ワクチンの歴史と詳細 ↓↓↓

有効率95%と評して、先頭をきったのはアメリカの製薬大手ファイザーだ。
さて、「有効率95%」と聞くと、ワクチンを打った人(ほぼ全員)が効果を得ると思ってしまう。
ここではファイザーのワクチンを例に、有効率の意味を確認しておきたい。
※モデルナやアストラゼネカにも共通する

ファイザーワクチンの第三相試験では、4万3448人が被験者となり、半数にはワクチン、残り半数にはプラセボ(生理食塩水)が2回ずつ接種された。
最終解析によると、コロナ発症者がワクチン群では8人、プラセボ群では162人だった。
ここから、コロナ発症(人数)を減らした、有効率が95%だったとの計算になる。
しかし、この結果からは残りの人がどうなるかは不明だ。
つまり、将来も95%の有効性が保てる保証がないのである。

まず、被験者を観察した期間が短い。(2020年7月~11月 平均2ヶ月)
さらに、新型コロナではRNA遺伝子が変異するスピードが速く、インフルエンザでも「毎年、摂取しましょう」と言われている。
このように、新ワクチンの有効率は経過とともに落ちていくと考えられる。

また、第三相試験が「健康な人たち」を主たる被験者にしているという問題もある。
試験では、新型コロナの重症化因子される「心筋梗塞」「肝臓病」「重度の糖尿病」はそれぞれ全被験者の1.0%、0.7%、0.5%に過ぎない。
したがって、ワクチンが切実に必要とされる重大なケースや、高齢者での「有効率」や「副作用」は不明なのである。

では、新型コロナの流行はいつ終息し、我々はワクチンとどう向き合っていけばいいのだろうか。
著者は「自然の理」に任せて新型コロナが「ただの風邪」となる日を待つしかないと喝破する。
本書では、メディアが伝えないワクチンの秘密を最新の研究論文を中心にわかりやすく解説している。
さまざまな情報が飛び交うなか、これからどのように日常生活を送ればいいのか。
この本を役立てていきたい。


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