知らない土地の土を踏むと、ある人に出逢う。そう、新しい自分だ。
旅の醍醐味とは「学習」→「準備」→「余韻」ではないか。
旅好きなら誰もが知っている真実がある。
旅は準備段階からすでに始まっているということだ。
インターネットで経験者たちの声をかき集め、その土地の歴史を学習する。
必要ならば関連書籍も購入するだろう。
大切なのは「観光客」にならないということだ。
観光客というのは、旅行会社やガイドブックにに従って、有名な観光地を見物してまわる客、ということになる。
個性と自主性のない「お仕着せ」の旅を抜け出すにはどうしららいいか。
それは「旅行家」になるということだ。
自分自身で調べて、計画を練り、案内書にとらわれず、自分独自に観察し考える、自由な旅人ということになる。
この視点を取り入れることで、同じ観光地に行っても「観光客」とは違う満足や感動を得ることができるだろう。
これが、新しい自分に出会うということである。
そして忘れてならないのが、旅の余韻だ。
旅の当日はおまけのようなもので、旅行家の視点で「学習」「準備」した経験は余韻としてずっと心に残るのだ。
さて、今回のお題企画は「#旅のフォトアルバム」だ。
2020年7月に北海道へひとり旅に行った。
その時の旅の経験へむかって、もう一度旅をしてみよう。
年に2回のひとり旅(夏・冬)が僕のライフスタイルになっている。
1年前は【熊野古道と紀伊半島周遊】を催行。
2年前は【富士山を列車で一周】を催行した。
今回は北海道【函館~富良野~札幌】である。(2泊3日)
コロナ感染拡大の中、新しい旅行スタイルを模索する旅でもあった。
7/24(金) 高知空港⇒伊丹空港⇒函館空港
7/25(土) レンタカー移動
7/26(月) 新千歳空港⇒関西空港・伊丹空港⇒高知空港
空港では検温・消毒・ソーシャルディスタンスなど、感染防止対策の
取り組みが実施され、物々しい雰囲気に圧倒される。
空港からバスで函館駅へ。
駅前の函館朝市には約250店の店が軒を連ね、海産物をはじめ野菜、果物、珍味など、函館の多彩な味覚が集まる巨大な市場である。
ここで昼食。
店主から高価なバフンウニを勧められるが名前が・・・。
通常の海鮮丼を注文。
バフンウニとは赤ウニとも呼ばれる濃いオレンジ色が特徴で、甘味が強く、香りが豊かで6~8月が旬である。(注文すればよかった)
函館が一躍歴史の表舞台に登場したのは、1859年の函館開港。
西洋文化をいち早く取り入れてハイカラな生活が始まり、エキゾチックな街が形成された。
【金森赤レンガ倉庫と函館山】
街歩きでは「坂」を巡るのも楽しみのひとつ。函館山麓には「八幡坂」「弥生坂」など名前のついた19の坂がある。
【八幡坂】
【函館ハリストス正教会】
函館を後にし、列車に乗り込む。
【特急北斗261系】
持ってきた文庫本を読もうとしたが、車窓からの雄大な景色に圧倒され、1ページも進まなかった。
【駒ヶ岳】
【内浦湾】
北海道といえばアイヌ語に由来した市町村名である。
停車駅である長万部駅。これは「おしゃまんべ」と読む。
これはアイヌ語の「オ・サマプ・ペッ」が由来になっている。
アイヌの人たちの多くが川筋に住み、生活に必要な資材を求めていた。
また、狩猟や交易のための交通路としても、川は重要な存在であった。
川(ペッ pet)や沢(ナイ nay) を意味する地名がとても多い。
宿泊先の室蘭に到着。
鉄の町とも言われるこの町は海沿いに製鉄所が並ぶ北海道を代表する工業都市。
また、日本夜景遺産に認定されるビュースポットでもある。
写真は撮りそびれたが車窓からの夜景も美しかった。
ここ室蘭市のソウルフードがカレーラーメンだ。
札幌のみそ、函館のしお、旭川のしょうゆ、に続く北海道第4の味である。
チェックイン(ホテルニューバジェット室蘭)
翌朝、レンタカーで富良野へ向かう。天気は小雨。
富良野に着くと次第に晴れてきた。
11時前に着き、予定していたカレー屋に向かうが、既に50人程の行列・・・。
第2候補のカレー屋も同様に行列・・・。
ラベンダー畑のファーム富田付近も大渋滞。
カレーが食べたかったが、ここは三密を回避するしかない。
道の駅でカレーパン・かぼちゃパン・美瑛サイダーを買って美瑛へ向かう。
美瑛のパッチワークの丘は観光地として作られた場所ではなく、北海道の自然とそこで生活する人々の暮らしから生まれた絶景スポットである。
【パッチワークの路・丘】
【ケンとメリーの木】
【セブンスターの木】
その後『青い池』に向かうも大渋滞。
青い池とは、Apple社製品の壁紙に採用されたことから一気に人気が高まった場所だ。
駐車場の空き待ちの車で混雑。
待っていても埒が明かないと判断し、温泉へ向かう。
【白金温泉】
十勝岳連峰を見渡せる露店温泉でゆっくりし、再び富良野へ。
フラワーランド上富良野でメロンを食べ、札幌に向かう。
天気は良かったが、富良野周辺は混雑で人が多かった。
三密を避ける為、諦らめた場所もあったが、今回は仕方ないだろうう。
予定を変更して、行きたい所へ行ってみる。
これもひとり旅の醍醐味でもある。
札幌でレンタカーを返却し、すすきのへ。
【成吉思汗だるま4.4二階亭】
すすきのも人が多い。できるだけ人の少ないジンギスカン店で食事。
チェックイン(ネストホテル札幌)
翌朝は二条市場へ。
北海道の各地から新鮮な魚介が集まるこの市場は水産会社や鮮魚店が軒を連ねる。
北海道、最後の食事は海鮮丼と甘エビだ。
札幌駅から電車で新千歳空港へ。
伊丹空港経由で高知へ帰る。
旅は予定通りに終わらない。
旅は人生と同じで、どれだけプロセスを楽しめるかであり、どれだけその後の人生の糧にできるかであろう。
旅にも人生にも、善悪や優劣は存在しない。
新たな自分に出逢う、ワクワクする旅をしよう!
追伸
こちらは今年2月に催行したひとり旅の記事。
観光庁の旅行取扱状況によると、コロナが蔓延しだした2020年2月からの1年間は8~9割減の業績ダウンになっている。
未だ収束の見えないコロナ禍。
オンラインツアーやマイクロツーリズムなど、新しい旅のカタチが提唱されている。
旅の方法や考え方は、人それぞれである。
自分らしい、創意に富んだ、個性的な旅をするなら「書くように旅する」のだ。
自分自身が脚本家であり、演出家であり、主演なのだから。
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