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久芳流
2024年7月17日 08:33
<< 前回1三途の川のほとりで、しおりは手榴弾を持ちながらガクガクと足を震わせ顔が青ざめていた。しおり「わ、私も一緒に戦う」侍「危険だ! 喰われるぞ」しおり「でも……」大蛇「シャアアアアアア!」しおり「キャッ!」しおりを襲う大蛇。間一髪で、しおりは大蛇を避ける。しおり「私が囮になるから! ムラさんはその隙に!」侍「ま、待て!」(くそ! 動けん! 蛇の毒
<< 前回1しおり「へ、蛇!?」突然現れた大蛇を目にして、しおりは目を丸くして驚いて悲鳴を上げて立ち上がる。しおりは手鏡をギュッと抱き抱えていた。大蛇はギロリとしおりを睨む。しおり「う、動けない……!」動けないしおりを標的に大きな口で喰おうとする。侍「ッ!」しおり「キャッ!」しおりを後ろに押し退け、侍が刀を大蛇の牙に当て突進を抑える。侍「おのれ! 蛇め! とうと
2024年7月17日 08:31
あらすじ1話1毒々しい水が流れる三途の川。時折石のように固まった魚も流れてくるが、風もなく穏やかに波打っている。だが突然ブクブクと音を立て、気泡が破裂し始めた。川には小舟が一艘。小舟には、近代兵器を背負った鎧姿の侍が立っていた。モノローグ「三途の川はどこに通じるのだろう」河原で座ってその様子を眺めていた黒髪ポニーテールで頬にそばかすがある女の子――渚沙しおりが立ち上がる。しお
2024年7月10日 19:03
<< 前回1幸せだった日々を思い出し、秋山は意気揚々と自宅へ向かって走っていた。秋山「はぁ……はぁ……」(早く家族に会いたい…会わなきゃ!)静江や灯里の笑顔を思い出す秋山。秋山(静江に、灯里に、家族に! 会いにいかなきゃ!)だんだんと紅潮し笑みを浮かべる秋山。秋山(そうだ! あの時の香水をもう一度 静江にプレゼントしよう! きっと喜んでくれる…それで静江との関係をや
<< 前回1モノローグ「140分後」マスター「おかえりなさいませ。秋山様」アナザーライフ店内に戻ってきた秋山はやつれたようにカウンターテーブルに座った。マスター「いかがでしたか?」秋山「いかがでしたか……? じゃねぇよ! 全然クソだったよ!」秋山はマスターに香奈に告白して玉砕したことを全て話した。★★★マスター「なるほど…… クラス一の美女に告白したら 振ら
2024年7月10日 19:01
あらすじ1話1モノローグ「人生は選択の連続だ」薄暗いマンションの一室。そのリビングで、ザクッザクッという音が聞こえるのと同時に、スカートを履く女の脚が微かに揺れていた。モノローグ「選択したら二度と元に戻れない。 選ばなかった選択肢は二度と見ることができない」その女に跨り、秋山治明は無表情で血濡れの包丁を逆手で握り、秋山「…これはゲームだ…… …これはゲームだ……」とぶつぶつ
2024年7月5日 20:34
あらすじ1話1海上を走る船の上で、ボサボサの黒髪にヨレヨレのシャツを着た男――羽場萃はスマホを眺め、ため息を吐く。その隣で黒いパーカーを着て丸眼鏡をかけた真面目そうな大学院生の男――田丸研一がキラキラとした目で海に浮かぶ研究所を見る。田丸「もう少しですね…羽場先生!」羽場「もう着いちゃうな…何で今日に限って 来たくなかったよ」田丸「またそんなこと言って……ほらもう上陸の準備しましょ
2024年7月5日 20:35
<< 前回1周囲を囲うように設置された加速器装置とその中央に加速器に連結した透明で巨大な容器。それを前にして、羽場はボサボサと髪を掻きながらエマと田丸の方に振り返る。羽場「高次元ブラックホールによる次元転移システム つまりこれが未来資源転送システムだよ」エマはジャンパーのポケットに手を入れつつその装置を見下ろす。田丸は呆然とした顔になっていた。田丸「これが…未来資源転送システム
<< 前回1モノローグ「6年前」大学の剣道部の道場の真ん中で、普段着のまま考えごとをしながら寝る羽場萃。アカリ「…ばさん…羽場さん!」誰かの呼びかけでうっすらと目を開けると、目の前には若かりし時のアカリが羽場を覗いていた。アカリ「鷲尾さんがお呼びですよ」羽場は起き上がり頭をボサボサと掻く。羽場「鷲尾さんが? 今日は海底調査じゃなかったっけ?」アカリ「先ほど帰ってきたんで