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『ロバート・ツルッパゲとの対話』

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写真家ワタナベアニさんの著書『ロバート・ツルッパゲとの対話』の感想を編んだマガジンです。 『ロバートとベートーヴェンとの対話』を運営するサークルがピックアップしております。担当は…
運営しているクリエイター

#ワタナベアニ

自分の在り方を考えさせられて唸った1冊

「判断する人が一流かどうかもありますよね」 とある書店のトークイベントに参加した時に、とある写真家の方が言った一言。 私はこの一言に震えた。だけでなく、救われた。 そして、この日のエピソードは、人を救えるかも知れないと思った。 ことの発端は、雑誌の編集をしているらしい中年女性の質問から。 質問の内容は、まとめると「最近の若いカメラマンの出来が悪い」みたいな内容だった気がする。 これだからゆとりは……みたいな空気感が会場に充満し、他の登壇者も「あなたの話を伺う限り、そ

#437 ツルッパゲ、その後

#397にて、『ロバート・ツルッパゲとの対話』(ワタナベアニ著/センジュ出版)という本との出会いを書いた。だいたいいつも10冊近くを並行して読んでいるもんだからなかなか進まず、先日のオーストラリア往復では機内に持ち込みつつも、うっかり寝ちゃったり、映画ばっかり観ちゃったりでやっぱり進まず(Top Gun : Maverick/LIFE!/線は、僕を描く/母性/ある男……とか)、一昨日トイレ内でようやく読了した次第。 気になる表現があったり、「へぇ」とか「なるほど」ページには

幡野広志×浅生鴨×ワタナベアニ 写真展&トークイベント

雨の土曜日。 大阪は天王寺のスタンダードブックストアで行われた幡野広志さんの写真展と幡野広志さん×浅生鴨さんのトークイベントに行ってきました。 まずは福島駅へ。 駅から徒歩数分の"やまがそば"でランチです。 プロの将棋棋士が出前で頼む事が多く、いわゆる観る将の方には広く知られてるお店なんです。"将棋めし・勝負めし"ってやつですね。 ワタシは天とじ丼、カミさんはカレーそば。 どっちもめちゃ美味しかったなぁ。年季の入った店内もいい雰囲気でした。 やまがそばから大通り"なにわ

「知らんけど」と「ロバート」の教え

元々は関西弁だったんですね。 私は「知らんけど」に冷たい響きを感じます。責任は取れないよ、何かあっても俺のせいにするなよ、と。でも関西の人にとっては、そこまで重いニュアンスを伝える語彙ではないのかもしれない。 私が「知らんけど」について考えるきっかけになったのは、2年前に発売されたこちらの本。帯の表紙側に「君たちに足りないのは哲学だよ。知らんけど」とだけ書かれていたのです。 もちろんその前から言葉自体は知っていました。会話や文章の中で用いることもあったはず。でも↑を青山

考えること、と書くことについて。

どこかが弱っているとき、つまりふだんの生活からいったん立ち止まらざるを得なくなったとき、ぐるぐると人生について考えてしまう。 5ヶ月前、足首を骨折したときも、そう。 めぐりめぐって行き着いたのが、このnoteでした。 自分の考えていることを、何からどう文章にしていいかわからず打ちのめされたけど、気付けば4か月近くも続いていました。 昨日は一日中、寝たり起きたりしながら、図書館で借りていた『ロバート・ツルッパゲとの対話』(ワタナベアニ著)を、結局一気に読み終えてしまった。

2021年10月(10冊ログ)

毎月読んだ本から10冊紹介しています。あなたの知識に役立つ本・情報があればうれしいです。 #山本ゆり #SDGs #ワタナベアニ #やらないことを決めよう #アイドル保健体育 #マネーリテラシー #東野圭吾 #あなたの弱みを売りなさい 今月イチ推しの本 「なんとなく笑えない日々」だったら、読んでみませんか?毎日毎日、目の前に積み重なる「生活のための作業」をこうやって楽しく脳内でしゃべりながら変換できたら楽しいなって思えるエピソード集。 こんな健やかなママ、最高!シンプル

くま読書 ロバート・ツルッパゲとの対話

ワタナベアニさんを知ったきっかけはおそらく幡野さん経由だったと思う。 国内外で活躍を続ける写真家・アートディレクターのワタナベアニ氏による初著書。海外と国内とを行き来する著者による、この国の「哲学」について。「自分がしたいことを考えず、与えられたことだけをこなして自分を騙してしまう。これが哲学の不在です」と、著者はそう語ります。私達はいま、自分に正直に生きているでしょうか。“大人の幼稚さを通過して、もう一度純粋な子どもの目を取り戻"したい、そんなあなたへこの本を贈ります。哲

教養のエチュードTalk.3〈ワタナベアニ〉前編

ワタナベアニとの対話 〈前編〉 ワタナベアニさんに話を聴いた。とても尊敬している人だから緊張した。アニさんの言葉は錐のようだ。力強さと繊細さを両立しながら、螺旋を描いて奥の方まで刺さる。言葉選びと言葉遣いに慎重な分だけ、思考はクリアになる。 その思考も、美意識も、ユーモアも、ぼくは好きで。「好き」というか、それは尊敬であり、憧れだ。見えているもの、あるいは、見えていないものをエレガントに言葉にしていき、新しい世界を広げていく。その軽やかさと時折見せるシャイネスは艶っぽい。

今年読んだ本の中で一番良かった #ロバートツルッパゲとの対話 強烈な毒とユーモア、人生に必要な哲学と可愛げが詰め込まれた名著だと思う。 いいものはいい。私は好き。 著者が見た景色を自分を見たいと思わせる、ちょっと小説に近いかもしれません。

読書感想文:ロバート・ツルッパゲとの対話(再読)

本当は3月に読んだ。 思ったことを書きたかったけど言葉が追いつかず。 そして先日もう一度読み返して、ようやく追いついた。と思いたい。 ** 初読のときは、自分の浅さだったり頭の使ってなさを徹底的に思い知らされて、イタタターーーってなったけど、2回目読んだらむしろその刺され具合が心地良くなって、もっと言ってくれ!!ってなる。 そんな、ドMになれる本(だと勝手に思っています)。 自分の思考や世界に対する認識、自分が持つ哲学をこれでもかってぐらい徹底的に言語化されている

6連休3日目。 猛暑が続き今日もコーヒー飲みながら読書。 ロバート・ツルッパゲを所々を摘み読みしながら再読。何度でも飽きない。そうだよねーとかなるほどとかニヤニヤしながら考えさせられる良本。 #jundo日記 #ロバートツルッパゲとの対話 #哲学 #ワタナベアニ #センジュ出版

どくしょ

職場近くの広場にて 読みかけの太宰の「斜陽」からの ワタナベアニの「ロバート・ツルッパゲとの対話」 酒を呑みながら一気に二冊を通読 まったく毛色が違うモノを摂取することはちゃんぽんと言うべきか ミックスピザと言うべきか 檸檬堂を呑みながら読んでいたせいもあるが 斜陽でドン底に叩き落された後のロバート・ツルッパゲは心地が良い 一人きりなのに大声で笑わせてもらった 心のヒダのような部分をくすぐられるかのような くすぐったさと痒い所と掻くような爽快感を味わう内に あっという間に日が

記録ではなく表現として

カメラを持つようになってもうすぐ3年。 プロではないし、アマという感じでもない。運良く自分の写真が専門誌の表紙を飾るという経験はしたけどあれはタイミングが良かっただけだと分かっている。 自分にとって「カメラ」とは見たものを自分なりの感性と視点で切り撮らせてくれるもの。撮ってみたいと思ったものをファインダーで捉えシャッターを押す。そしてそれがどのように2次元化されたのかを確認するツールが「写真」になる。 写真に残すための撮影ではなく、撮ることを楽しむための写真。ちょっとなに言

初めてのnoteマガジン購読。

初めてのnoteのマガジン購入してみた。 正直個人的にサブスクリプション的なものや、オンラインでのものなどにお金を支払う抵抗感みたいなものがあった。月々の固定費は抑えたい的な、オールドな考えとでも言われそうなものだ。 だけどこの1ヶ月内で、noteのプレミアム会員(¥500)にも申し込んだとき、自分の中ではふじぎな感覚だった。facebookやInstagram、Twitterはもちろん無料なんだけど、なぜかnoteに¥500払ってでもやってみたいという衝動にかられてしま