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石引読書会

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石引商店街にある「石引パブリック」の読書会で知り合った皆さんに面白い本を紹介していただくマガジンです。(今のところ) ※石引パブリックの、本屋・カフェ部門は2022年12月で終了…
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記事一覧

石引読書会 9/22(金)「ヨブ記」 @石引パブリック 

9/22(金)石引読書会『ヨブ記』のレポートです。
作成してくださったのは、「ヨブ記」をリクエストしていただいたKさんです。

今回の参加者は6名。そのうちお一人が初参加の方でした。これまでからすると少なめでしたが、お題からするとよくぞおいでいただいたとの印象です。分量はさほどではないのですが、やはり読みにくくて、みなさんちょっと苦労したようです。

自己紹介も兼ねてざっくり感想をお聞きしたところ

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8/4 読書会 『一向一揆共和国 まほろばの闇』(2014)ちくま文庫  レポート

レポート寄稿:Nさん(八木が代わりに掲載いたします)

保守王国とされる金沢市と過去の一揆による100年の自治の関係について、五木寛之さんのエッセイをもとに考えました。

五木さんは金沢をこよなく愛する作家で、ここを舞台にした『内灘夫人』(1969)、『朱鷺の墓』(69-78)などの小説もあります。ご縁は深いものの郷土作家ではなく、むしろ外部者としての視点が特徴的です。朝鮮半島からの引揚者としての

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「嘘と政治 ポスト真実とアーレントの思想」 (書評:松岡さん

以下、書評を読書会メンバーの松岡さんからいただきました。
松岡さんに変わって八木が掲載いたします。

 安倍政権以降、公文書の書き換えや国会での数々の嘘にモヤモヤし続け、政治に対しては諦めしかないのですが、岸田政権でのマイナ保険証義務化や原発回帰、防衛費倍増計画など、ほっといたらどこまで行くのか恐ろしくもなって、改めて政治について考えようと手に取った一冊。  
 著者は、ハンナ・アーレントの著作を

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石引読書会 メーリングリストへの参加の仕方

そういえば、メーリングリストへの参加したい方に、参加の手順をご案内するのを忘れていました。下記ご参照の上、お手続きを進めてください。

Googleグループへログインしてください。(Googleのアカウント持っていることが必須です。)

検索窓に、石引読書会のメーリングリストのアドレスを入力してください。ishibiki_reading_club@googlegroups.com

「グループへの

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第4回の読書会 8/4(金) 五木寛之 『一向一揆共和国 まほろばの闇

なかなか更新できておらずすみません。
(第2回・第3回のレポートも後ほど載せたいと思います。)
次回の読書会のお知らせです!

次回の課題本

課題本:五木寛之 『一向一揆共和国 まほろばの闇』(2014)ちくま文庫 780円+税
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480431745/

8月4日(金)18:30〜2時間程度
場所:石引パブリッ

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3/14読書会「ぼけと利他」簡単なレポートと次回「べリングキャット」のお知らせ

メーリングリストでお知らせしていた、ボケと利他の読書会、無事終わりました。(メーリングリストが迷惑メールフォルダに入ってしまっている方もいるようです。この後対処法をご連絡いたします。)

7人のご参加となりました。
この本は往復書簡という形で書かれており、お手紙に対してそれに触発されてお手紙で返す、という方法でやりとりがなされています。読書会でも、この本を読んで触発されたことを話しつつ、話を広げつ

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書評:福間良明『「勤労青年」の教養文化史』(岩波新書、2020年)

 私が通っていた高校には、定時制の夜間部があり、そのため教科書を机に置いていくことが禁じられていた。グラウンドには照明があったが、部活動は夕方には終了して帰らなければならなかった(私自身は部活動には参加していなかったが)。入れ違いでやってくるはずの夜間部の学生と話したことはない。高校生の私にとって、彼らは影のような存在だった。

 本書は、戦後日本の中卒労働者が、青年団の講座や定時制高校で勉強を継

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書評:今泉みね『名ごりの夢』と日本人の時間

今泉みね『名ごりの夢――蘭家桂川家に生れて』(平凡社、東洋文庫、1963)

図書館で偶然手に取った本書は、昭和10年に、当時80歳だった老母による維新前後の回想を息子の今泉源吉がまとめたものだが、これがとても面白い。副題にあるように、洋医者の娘だった著者は、幼い頃、福澤諭吉におんぶしてもらったという家庭環境に育った。私がとくに感動したのは、潮干狩りに関連して、著者が次のように述べている箇所だ。「

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書評:ぼけと利他 (&石引パブ回顧録&お知らせ)

「ぼけと利他」ミシマ社 伊藤亜紗・村瀬孝生 著
こんな本が読みたかったという本に久々に出会えました。
「ボケ」た老人たち(あえてボケという言葉を使っていることが本書の冒頭で説明されています)
と関わり合う村瀬孝生さんと伊藤亜紗さんの往復書簡です。

私は普段はITエンジニアをしています。
職業柄、効率的に仕事をしたり、納期を守って仕事をすることを厳密に求められます。
しかし、この本に書いてあるこ

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