老後の暮らしは、都会？田舎？持ち家？賃貸？

表題の選択に関しては、いろんなところで話題になりますよね。人それぞれ条件も違うので、結局は正解のない話だと私は思います。

これはテレビ番組の映像です。「年金はいくらもらっていますか？」と街頭インタビューしています。５万円という人や、10万円という人。皆さん笑いながら答えています。「こんな金額じゃ生活できません」という笑いでしょう。本当は、政府に「もっとください」と要求したい叫びなのかもしれません。２年連続で年金額が減らされていますからね。これから先も、また下げられるかもしれません。

そして、持ち家か、賃貸か、という話です。これは永遠に答えが出ないようにも見えますけど、実際には本人の気持ちですよね。お金がたくさんかかったとしても、家を持っておきたいという所有欲が高ければ、持ち家になるでしょう。

私は若い頃から家を持つ気がまったくなかったので、今も賃貸に住んでいます。だから私からすると、持ち家の人は浪費しているように見えるのです。

ところが誰と話をしても、賃貸に住んでいる方が浪費している、勿体ないと言います。結局、自分が家にいくら払ってきたのか、トータルの金額をはっきり知らないだけかもしれませんよね。これは私にも言えるのではないかと思いました。

そこで、私がこれまで家賃にいくら払ってきたのか計算してみました。

一ヶ月60,000円×12か月×40年＝28,800,000円です。

あくまでも漠然とした金額です。実際には、家賃35,000円の時期もあり、65,000円の時期もありました。そして、90歳まで生きたとして、あと30年払うことになりますので、21,600,000円。足して、50,400,000円です。

私の生涯の賃貸家賃は、約5000万円くらいです。

持ち家の人はいかがですか？　仮に、20歳から30歳までの10年間を賃貸で暮らし、そして家を購入したとしましょう。

家賃が、一ヶ月60,000円×12か月×10年＝7,200,000円です。一戸建てが、3500万円だったとしましょう。足して、42,200,000円になります。

合計で、約4200万円くらいですね。

私の家賃と比べると、800万円ほど安いです。

しかし、家には固定資産税がかかってきます。そして家は老朽化します。屋根を直したり、水道を直したり、あるいは風呂の設備を何年かで交換しなければなりませんよね。そういった修繕費がいくらかかるのか私は分かりません。諸々合算したら、800万円より多くかかるのではないでしょうか。

これらはあくまでも概算であって、ほんの一例です。賃貸物件でも10万円のところもあれば、3万円で住めるところもあります。一戸建てでも、5000万円とか、１億とかする家もありますよね。また不動産として資産が残ります。とはいえ、今の時代、そのままの状態では売れないそうなので、売るとなってもあまり期待できる金額にはならないと言われます。

結局、自分の収入がいくらなのか、年金がいくらもらえるのか、一人なのか二人なのか、条件は本当にみんなまったく違うはずです。だからこの話にやはり正解はないと思います。私は自由に引っ越したいから賃貸派です。

老後は、都会か田舎か？

これも先ほどの映像でインタビューしていますが、この話をする時、どうして、東京の都会と、雪国の田舎を比較するのでしょうか？　真ん中があるはずですよね。極端な例を紹介したら、番組的にはおもしろいことでしょう。しかし、現実を考えると、絶対真ん中が良いに決まってます。これは言い切れます。

私はいま奈良市内に住んでいます。ほとんどの人に不便なところだと思われています。ちなみに、私の家から最寄り駅まで徒歩で15分です。バスもありますが時間的には歩く方が早いです。そして電車に乗れば、難波駅まで乗り換えなしで、26分で行けます。だから、家を出てから約41分で難波駅に着いています。大阪市内に住んでいる人でも、40分以上かかる人はいます。そう考えれば、ぜんぜん遠くないのです。

皆さんがお住まいのところは如何ですか？　きっと「住めば都」だと思います。東京のような都会と比べると劣っていて当り前です。でも、だからこその良さがあるはずです。家賃だって、土地代だって、それなりに手に入る金額ですよね。

テレビはどうして極端な取材しかしないのか、私には不思議でなりません。

各県、各街に、それなりに良いところがいっぱいあるはずです。東京、大阪が便利で、それ以外は不便と決めつけた取材にはうんざりです。ただ、東京で仕事している人は、埼玉や千葉に住んで通勤時間が１時間半という人も少なくありませんよね。どうしてそんなに東京にこだわるのでしょうか？　その方が取材対象として私は興味があります。地方だって、いっぱい良いところがあります。いやむしろ東京、大阪以外の方が、良いところいっぱいあります。都会の方が、生きていくには苦しくしんどい街だと私は感じます。

だから、都会でも雪国でもない「地方」が、人間が暮らすのに適している所だと私は思います。