マラソンに必要なのは理論か経験論か精神論か?

全てが高いレベルにあるに越したことはないが、サブスリーを目指すレベルあたりの市民ランナーがマラソンで速くなるために必要だと思うのは、、ざっくりいうと精神論です。次に経験論、最後が理論。ケースによっても違ってきますが。陸上経験無しの私がサブスリー以上の走力を20年間維持してきた結論です。
同じことを別の記事でも言っていたりしますが、少し言い方、切り口を変えて、記事を引用しながら書きます。


理論

マラソンの走法、フォーム、練習計画、食事、運動力学等。主にネット、書籍から得られる専門知識。
精神論を抜きにして理論、知識だけが先行すると、絶対に速くはなれないです。知識をたくさん持ちうんちくをたれる人で速い(速くなる)人には出会ったことがないです。

経験論

経験から得られる知識というより自身のノウハウみたいなもの。2つあって、1つは理論を実践してそのまま、あるいは自分自身にあうようアレンジしたノウハウ。ということで精神論と経験論の関係はこの点になります。

2つめは理論とは関係なしに実践して得たノウハウ。後者は、理論とは真逆だったりする。時には理論とは真逆のことを実践してみて、その効果を見てみないと、理論が邪魔になることさえあると思っています。

特に怪我の予防とかマラソンにおけるペースコントロールとか自分にあうフォーム、ピッチ、ストライドとかは、経験してみないとわからない、自分にあわないとかがあるので、経験がものをいうノウハウだと思ってます。実例については後で書きます。


精神論

2字熟語でいうと努力と根性のことを言っています。少し言葉を変えると、継続と追い込む事ができる精神力、気持ちの持ちよう。
継続することで経験し自分のノウハウを蓄積する。この点で精神論と経験論を関係があります。

継続と追い込みの必要性については、

継続については、

追い込みについては、

極端にいうと、精神論のみである程度(サブスリー程度)までいけると思います。20年前、経験ゼロ、理論ゼロの状態で初フルマラソンをサブスリーできたので。

ランニングトレーナーとか市民ランナーを指導する立場にある人、または一般的にネットや書籍で精神論に関して言ったり書いてあることはほとんどないのではないかと思います。専門知識でもなんでもないから。
という点で、精神論と理論の関係は、ない、むしろ逆のことを言うこともあるという関係にあると思っています。

追い込め なんていうことはなく、追い込みすぎない、無理しないで走るという記載もよく見かけます。
これは市民ランナーに向けては、ランニングを継続することを重視するからと考えています。
追い込むことが必要と言って、しんどい、つらいイメージを植え付けたり、怪我をしやすい(スピードが上がるほど怪我のリスクは上がる)状況を作ってしまうこと、そうなってしまうことが指導者として最もやってはいけないことなので。

が、速くなるためには継続と、そこは最低限クリアし、今言ったように背反する追い込みが必要と考えているということです。

経験論の実例(時間がかかる)

経験論で言うノウハウを得るためには、1年、1シーズンという単位ではなく、数年、10年とかだったりします。だから、精神論でいった継続することが必要。10年以上の経験から得た怪我の予防に関してはこの記事。

経験論の実例(検証)

この実例は、検証するという意図を持って得たノウハウ。このノウハウを得るのにも3年かかっています。

経験論の実例(理論と合わない)

これは理論が全く合わない例。
この記事には、ちゃんと書いてませんが、私の場合、心拍の数値は必ずしも調子、疲労、しんどさを示す数値にはなっていません。心拍が高くても、調子が良いまま走れたり(最初から心拍180以上でフルマラソンを走り切る)、低くても全く走れないことがあるためです。なので、測ってはいますが、レースで心拍をみてのペースコントロールはしません。

理論vs経験論vs精神論(練習会の場合)

自分が出来るか出来ないかぎりぎりのペース設定の集団に入れば、精神論のみ、追い込むだけでいい。それが一番効果があると思っています。
自分より格上のペーサーについていく、それだけを考えればいい。そうやって、ぎりぎりつくことができた練習が頭に残っているし、効果があった感覚がはっきりあります。
逆の立場で自分がペーサーになる場合も、必死についてくるメンバがこの2年ぐらいを振り返ってもやっぱり速くなっています。その1人は、「時計は全く見ず実際のペースは分からない、ついていくことだけです」と言っていました。

もちろん、ついていけず失敗することも多々あります。だけど練習だからできます。

理論vs経験論vs精神論(1人練習の場合)

1人の場合はメニューも考えなくてはいけないし、追い込み切ることはできないので、理論、経験論の要素も必要と思います。
理論は、実践して経験論にするという意味で。

理論vs経験論vs精神論(レースの場合)

特に狙いのレースの場合は、失敗できないので精神論だけという訳にはいかない。あと実践もしていない理論を取り入れても通用しないことが多いです。もちろん、レースでしか試せないことも多々あるので、必要といえば必要ですが。
ということで、経験論が重要になってくると思います。

例えば、集団についたままにするか、前に出るか、後ろの集団に言って落とすかという選択。
私の場合、先で言ったように経験論からまず心拍は参考にしない。走っている感覚、残り距離、アップダウン、気候(私の場合特に気温を重視)、から選択します。

走力があっても前半突っ込みすぎて、後半大失速するランナーは多いです。だから、前半抑えればいいかというと、、そうでもない。フルマラソンにおいてはそのあたりのコントロール、選択が凄く重要です。

ただ、終盤30キロを過ぎると、、ここからは精神論だと思います。終盤になると、思考も巡らせなくなり、集団もばらけることが多く、あとは自分との戦いになるので。



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