朝日良一

Photographer

朝日良一

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最近の記事

ROBOTという名のカメラ

「ROBOTが欲しいなどと言い出すと、その人のカメラ趣味は終着駅に近い」と書いたのは田中長徳さんだったと思う。久しぶりにフィルムカメラを購入した。ROBOTⅡ軍用ブラックペイント。私のカメラ好きもそろそろ終着駅に着いてしまうのだろうか。 ROBOTにはそれほど関心はなかった。ただ35mmフィルムを使って正方形の写真が撮れるのは良いなと思っていた。それと戦前から戦中にかけてのドイツのカメラ特有の雰囲気があり、「これは触ったらヤバイな」と感じていた。 ライカやローライやハッセ

    • 個人宅の写真を投稿することについて

      前回投稿した記事は削除することにした。見ていない方のために簡単に内容を説明する。近所の住宅の一本桜について。写真は3枚。1枚目はこの投稿に添付した写真で2017年4月撮影。古いお宅の庭に立つ桜の古木が満開になった様子だ。 もう2枚は今日2024年4月1日撮影。以前の家は数年前に取り壊されて新しい家になった。その桜の古木は切り株だけが残されていたが、新築中にひょろひょろと枝が伸びてきて、昨年から数輪の花を咲かせるようになった。古い樹木を大切にして素晴らしいという話だった。

      • ペットと暮らす人の話_03

        私の友人に最近、飼い猫をなくした人がいる。仮に名前をMとしよう。彼女はマンションで一人暮らし。服飾関係の仕事をしている。店をやっていた時代に1匹のオス猫がちょこちょこと入ってきた。そして店のマスコットのようになった。その後、Mはフリーになり自宅が仕事場となる。その猫ちゃんもそこに移り住み1人と1匹の生活が続いた。時おりInstagramで見る写真は微笑ましいものだった。 元々野良猫なので年齢は推定だが19歳になった。元気にしていたが、あるときのこと。8キロほどあったその身体

        • ペットと暮らす人の話_02

          私はInstagramを利用している。ペットの犬や猫の動画がたくさん投稿されて「おすすめ」にもよく出てくる。可愛いのでついつい見てしまう。その中には障害を持つペットや老犬・老猫も少なくない。 あれは何というのだろう。犬用の車椅子?を下半身に装着し、頑張って散歩するワンちゃんは健気だった。年老いて歩けない猫や目が見えなくなった犬たち。表には出ないが病に苦しむペットたちもいるだろう。 どんな姿になっても最期まで面倒を見るのが、犬や猫にとって幸せなのか。それともKのように安楽死

        ROBOTという名のカメラ

          ペットと暮らす人の話_01

          妻の子供の頃からの友人にハワイ在住の女性がいる。現地の日系人男性と結婚して幸せに暮らしている。彼とは一度だけ会ったことがあるがナイスガイだ。女性の名前は仮にKとしよう。 そのKから妻にLINEで動画が送られてきた。妻から私へシェアされた。それは長年かわいがってきたであろう飼い猫を安楽死させる様子だった。ハワイの動物病院の一室で、折りたたんだ毛布の上にグレーの猫を抱くK。猫は毛並みも悪く、一目で状態が悪いのが分かる。 左側に立った病院の先生の手が見える。最初は少しのけぞって

          ペットと暮らす人の話_01

          茨城弁を標準語に

          Instagramでは4月1日にエイプリルフールネタとして冗談を書いている。私が現実とはかけ離れた大人物になっていて、とんでもない事を発言するという話だ。Instagramにおいては4月1日以外でもこのネタが定着しつつあり、今回はこちらにも載せてみた。 スタジオサンライズ ホールディングス スパ&リゾートのCEO兼ジェネラルスーパーエグゼクティブマネージャーで、経団連副会長の朝日良一氏は2月26日午前、自身の公式TikTokを更新。15分の動画を配信した。 なおTikTo

          茨城弁を標準語に

          髭とひげ剃りと私

          久しぶりにひげ剃りを買い替えた。検索すると今どきは「シェーバー」と言うらしい。「シェーバー」あるいは「メンズシェーバー」だ。しかし私はその呼び名では落ち着かない。電気で剃るのが「ひげ剃り」で、T字のものは「カミソリ」だ。カミソリは漢字では「剃刀」と書くのか。 生えているヒゲそのものは場合によって「髭」「ひげ」「ヒゲ」を使い分けるが、剃る機械は漢字の「髭」よりも「ひげ剃り」の方が何故かしっくり来る。 シェーバーという名称の居心地の悪さで思い出したが、最近では「背広」のことを

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          ニコンをつなぐ - 50年の物語

          Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの三部構成です。ⅠとⅡはフィクション。Ⅲはそれを受けての私小説です。 Ⅰ 1971(昭和46)年秋。ニコンから新製品のF2が発表になった。源田正平は株式会社サンフォト通信社の契約カメラマンである。得意分野は報道全般。愛用のカメラは2台のニコンF。1930(昭和5)年生まれで、この時41歳。社員カメラマンからも一目置かれる存在になっていた。 一眼レフと言えばニコンFの時代。それは永遠に続くかと思われたが、まさかそんなことはない。F2の発表会に向かいながら、期待と

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          振り向かないで撮る

          仕事と私事の撮影において、両者の決定的な違いのひとつに「振り向くか、振り向かないか」がある。 この2枚の写真は2023/12/08の14:33と14:41に撮ったもの。仕事の移動で住宅街を北から南に向かって歩いた。時間に余裕がないので構図にこだわっているヒマはない。冬のこの時間は太陽光の角度が急になっていて、陽の当たる面積が少ない。右前からの半逆光だ。 必然的に左斜め前の光景だけを撮っていく。真横を見たり、ましてや振り向いたりしない。こうして撮った写真は強い力を持つ。これ

          振り向かないで撮る

          ストレートフォトグラフィと、写真の撮り方の変遷について

          写真を撮影するときのスタイルについて書いてみよう。と言っても自分が知る範囲だけでのことで、そう難しい話ではない。 写真は長らくフィルムで撮るものであり、カメラはファインダーを覗いて撮るものだった。一眼レフ、レンジファインダー機、中判ではそれに加えて二眼レフ、大判のビューカメラ。レフレックスでもビューファインダーでも、そしてピントグラスであっても、光学的に眼前に像を見せるシステムが当たり前だった。 デジタルカメラとスマートフォンの登場で、それは大きく変化した。デジタル一眼レ

          ストレートフォトグラフィと、写真の撮り方の変遷について

          デジタル写真の紫色

          そういえば昔のデジカメは紫色が上手く出なかったなあ、と最近撮影したこの写真をPCに取り込んで思った。FUJIFILM X-M1は2013年発売だから、今から10年前の製品だ。しかしこれを見ると、ほぼ実際の見た目を忠実に再現している。機械的な部分は今のカメラの方が進化しているが、色再現についてはこの時代で完成されていると思う。後処理なしでここまで出るのは素晴らしい。カメラを引くと夕方の太陽光と人工光とのバランスを取ってくれて、寄ればしっかりニュートラルになる。 最初に買ったデ

          デジタル写真の紫色

          私事における今後の撮影方針

          「カラー撮影をどうするか」と題していくつか投稿した。リバーサルが1本4000円になり、その代わりとさらにiPad miniの役割も果たしてくれるカメラの選択に苦しんだ。熟考の末に10年前のデジタル機である、FUJIFILM X-M1の中古に落ち着いた。 そのボディは程度が良く大満足。レンズはXF27mm F2.8R WRの新品にした。しかし6〜7週間待ちとのことで、いささか気勢をそがれてしまった感があった。そこで先週末に「いずれ絶対に欲しくなるのだから」と、XF18mm F

          私事における今後の撮影方針

          夢を叶えた男の話

          石田昌隆さん(@masataka_ishida)という写真家がいる。世界各地のミュージシャンの撮影と執筆で著名な方だ。Instagramで親しくしていただいている。なぜか使ってきた機材が酷似していて、ストロボや露出計やストラップの好みが同じ。なんとタブレットと携帯電話の機種まで同じなのである。考え方が似ていて嬉しくなる。 石田さんの今朝の投稿で雑誌「MUSIC MAGAZINE」2023年11月号にKODAMA AND THE DUB STATION BANDの写真と記事が

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          カラー撮影をどうするか_ファイナル!

          8月2日と9月3日の2回に渡って、今後のカラー撮影をどうするかについて投稿した。1回目は煮え切らずに現状維持の結論となり、2回目は理想のiPad mini型カメラを妄想して逃避した。 しかし今回!ついに決着を見た。たまたまだがいつも月初めに考えている。そういうサイクルで何か心がざわつくのだろう。 事情と条件をざっとまとめると… カラーリバーサルフィルムの価格が高騰して、フィルムによるカラー撮影はキッパリとあきらめた。それに代わるものが欲しい。できれば現在のiPad min

          カラー撮影をどうするか_ファイナル!

          2023年9月24日

          Instagramに上げたのだが、画質に満足できずにnoteにも投稿した。noteは文章中心で使っているが、画像をクリックするとけっこう高画質で閲覧できるのも魅力だと思う。ただし写真の縦横比にもよるが、3:2の横位置写真をiPad nimiで閲覧すると、タブレットが横だと×ボタンと左右の矢印が、縦だと左右の矢印が写真にかぶってしまう。写真の上にこういったガイドがかぶるのは大嫌いだ。ここだけはマイナス点。PCの横長のモニターで横方向を引っ張れば逃がす事は可能だ。 Instag

          2023年9月24日

          1980年代初頭のプロ野球

          2023年8月26日 久しぶりに野球中継を見た 先日、東京ドームの巨人阪神戦についてインスタに投稿した。大学時代の同級生の阪神ファンGがLINEで「今日はドームに行くぜ」と連絡してきたので、久しぶりにテレビで見たのだ。最近ではプロ野球中継も珍しくなったが、たまたまNHKでやっていた。 インスタに投稿したこの写真に1塁側カメラマン席が写っているが、その中のひとりが別の同級生のNに似ているのに後で気づいた。彼が勤務する某スポーツ新聞社の翌日の記事に、このホームランのシーンの写

          1980年代初頭のプロ野球