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「サービスデザインの教科書」を読んでみた感想。 part2

こんにちは。長谷川リョウヘイです。
今回は、『「サービスデザインの教科書」を読んでみた感想。』シリーズの第2回になります。第1回はこちら。

第1回では、「G-DロジックとS-Dロジックから読み解ける共創の価値」というテーマでお話しました。

読んでいた部分の続きで、それぞれの価値の原動力についての言及があるのですが、S-Dロジックは「使用価値」「文脈価値」を原動力とするロジックということで、こちらもpart1の図に当てはめてみると、

サービスデザイン研究 (7)

(少し文字が小さくてすみません。クリックで拡大推奨です。)

となり、サービス開発の体験設計も、これら2つ価値に注目して、ユーザーインタビューなどを行うと良さそう、と気付きました。(というメモです。笑)

ここからは、第2章についての感想です。


顧客との価値共創の前に、「関心と関与のデザイン」が重要そうだというお話。

第2章では、価値共創ビジネスの強みとして、以下の4つが挙げられています。

1. 成果志向
2.   持続的な接点
3.   多様な文脈への関与
4.   顧客の能力の活用

その中でも、「顧客の能力の活用」の部分では、顧客の関与を引き出すことが前提だという記述があり、確かにもっともだと感じました。

関与を引き出すステップとして自分が考えたのは大きく2つです。

1. 関心のデザイン
2.   関与のデザイン

まずはそのサービスに関心を持ってもらわないと始まらず、さらには関心を持ってもらっても、どう関与できるかをユーザーに示さなければ、持続的に使ってもらえるサービスにはならず、LTVなどに影響が出るでしょう。

これは、メルカリの樫田さんも言及している、グロースに重要な指標である、①LTV・②CAC・③Volumeの3つの指標に大きく直結してくることになるので、この2つのデザインは外せません。そしてこれを様々なタッチポイントにおいてデザインしなければならないので、難易度はとても高いと思います。(参考リンクはこちら)

このあたりの体験、デザインを整理して仮説検証をしておくことで、後々のPMFやグロースフェーズにおいても、仮説検証が楽になりそうですね。

関心のデザイン」に関しては、いかに顧客がそれを必要とするはずか、どんな体験、ストーリーを得ることができるかを中心に、適切な市場でPRを行えば、どんどんユーザーは集まってきそう。(いわゆるPRやマーケティングの世界)

そして「関与のデザイン」に関しては、Apple製品やIKEAのように顧客がサービスをカスタマイズして使ったりすることが、優れた「関与のデザイン」とするならば、下記の要素を上手くデザインできるといいかもしれないです。

1. Controllable
2.   Creative
3.   Motivational

ユーザーとの共創のための関与を引き出すには、自分の技術や知識でコントロールできる範囲内、もしくは、もしくはコントロールの余地のあるサービスであるという実感や、創造的な作業なので楽しいという実感、そしてシェアしたくなるとか、その体験をすることで何かを感じたいといったモチベーションの実感があると、関与がスムーズになるのではないでしょうか。

例えば、iPhoneは直感的に操作できて、使えば使うほど操作能力が上がりスムーズに使いこなせるようになる。そして、アプリをインストールして機能をクリエイティブにカスタマイズし、自分の生活時間を楽しくできる。そしてそれがないと生きていけない程の、強力な使用価値と文脈価値を提供してくれます。

つまり、この3つの観点で「関与のデザイン」を整理することで、ある程度の関与を引き出すパワーがそのサービスにあるかどうかが、わかりそう。
(もっといいフレームワークにできそうな気もしています。)

今回も長くなってしまいそうなので、下記の記述についての考察は次回に回していきます。具体的には、顧客満足度を何と結び付けて、どう評価すれば良さそうか、について書く予定です。

それではまた!

顧客満足度を提供物への評価と捉えることは、顧客による価値創造や価値共創の機会を失わせ、かえって満足度を低下させる可能性がある。

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