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原書のすゝめ

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語学は楽しい♪ +読書は楽しい♪ =原書は楽しい♪♪ をコンセプトに記事を書いてみました。Let’s enjoy reading in the original language…
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#わたしの本棚

原書のすゝめ:#26 L’homme aux cercles bleus

原書のすゝめ:#26 L’homme aux cercles bleus

珍味というのは好みが分かれる。

それと同じで、独特の読み味にも好みが分かれる、と思う。

フレッド・ヴァルガスの作品を読んだことがある人は、ミステリファンでもそれほど多くはないだろう。フランス人でも好き嫌いが分かれるようだが、TVシリーズにもなっているぐらいだから、それなりに人気を博しているようである。

日本では、ヴァルガスの作品は在庫がなくなると書店の棚から消え、再版されることなく、やがて中

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原書のすゝめ:#21 Les scrupules de Maigret

原書のすゝめ:#21 Les scrupules de Maigret

メグレ警視の捜査法は独特である。

犯行現場へ赴くと、状況を観察し、どのようにして犯罪が起こったのか、どのような人物が犯人たり得るのか、なぜ犯行に至ったのか、など人間や物を観察しながら事件を解明していく。

次々に事件を解決するメグレの名声は次第に高まり、のちにこれが「メグレ式捜査法」などと呼ばれることになる。

そして、ロンドン警視庁から「メグレ式捜査法」の「見学」にやって来る警部までいるのだ。

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原書のすゝめ:#20 La Première Enquête de Maigret

原書のすゝめ:#20 La Première Enquête de Maigret

ジョルジュ・シムノンは、ベルギーの作家である。

フランスでの執筆活動が長かったこともあり、フランス人だと間違われることが多いが、1903年、ベルギーのリエージュでフランス系の父とオランダ系の母の間に生まれた。

経済的な理由と父親の健康不良のためシムノンは15歳で退学し、職を転々としながらやがて第一次世界大戦終結後の1919年、新聞社で裁判所廻りの記者の仕事を得る。程なく頭角を表したシムノンは自

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原書のすゝめ:#番外編 私の庭はどんな庭?

原書のすゝめ:#番外編 私の庭はどんな庭?

〜本好きへ捧げる30の問い〜
吉穂みらいさん経由で、闇夜のカラスさんの企画へ辿り着きました。

突然ですが、皆さま、自分の読書傾向について考えてみたことはありますか?

闇夜のカラスさんが「本好きへ捧げる30の問い」と題して、企画を提案されました。
という記事を吉穂みらいさんが紹介してくださいました(もちろん吉穂みらいさんも参加されています)。積読部に所属する万年補欠部員として、これは見逃せない企

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原書のすゝめ:#10 La fille de Brooklyn

原書のすゝめ:#10 La fille de Brooklyn

Antibes, mercredi 31 août 2016.
À trois semaines de notre mariage, ce long week-end s’annonçait comme une parenthèse précieuse, un moment d’intimité retrouvée sous le soreil de fin d’été de la Côte d’

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原書のすゝめ:序文

原書のすゝめ:序文

冒頭でお断りしておかなければならないのだが、この記事を読めば原書がスラスラ読めるようになるとか、原書としてお薦めの本を紹介しているとか、原書の文芸評論をしているとか、そういう実用的な記事ではないということである。

まがりなりにも英語を勉強したといえるのは大学入試までの一時期で、高校の担任の先生に「お前は文系なのに英語が弱いなぁ」と面談で言われたのも自分で納得できるほど英語が苦手だった。そういうわ

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