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抑うつ談議【Part2】抑うつは敵か味方か

今日のテーマは私も大嫌いな【抑うつ】の本質的な捉え方について。
まずね、そもそも憂鬱と抑うつとうつ病って何が違うんだよっていう初歩的な所からおさらい。

≪憂鬱≫
憂鬱(ゆううつ)とは、日常的な用法では、はればれしない落ち込んだ気分、抑うつのこと。
引用元:メランコリー - Wikipedia

≪抑うつ≫
気分 が落ち込み、活動を嫌っている状況であり、そのため思考、行動、感情、幸福感に影響が出ている状況のこと 。
引用元:抑うつ - Wikipedia

≪うつ病≫
一般的な精神障害であり、より厳密には精神障害内の気分障害内の一つ
引用元:うつ病 - Wikipedia

⇒≪憂鬱≫≒≪抑うつ≫…うつ病等の一つの代表的な症状、感情
憂鬱ってひとそれぞれどんな感じで抱いてるのかは分からないし、その大きさもわからない。
病気なのか病気じゃないのか、ってこれがわからないからメンタルヘルスに対する理解が深まらない理由だと思う。
私も正直線引きはよくわかっていない。
とりあえず、”体に身体症状が出始めたら早急に手を打つべきである”としか言えないのである。

結局、抑うつの何が嫌かって、その正体が掴めないからなのではないかと思っている。
人は2つの視点から不安を感じやすい。
1つめは、過去の失敗から「次の失敗(行動・挑戦)が怖くなる」
2つめは、未知のものに対して、得体のしれないものに対して抱く恐怖や不安。
つまり、抑うつの正体(メカニズム)さえ分かってしまえば”なんら怖くないもの”まで昇華する事が出来る。
それが出来た時には、ドン底や抑うつを経験していない人間よりも”強くなれる”のである。

人間の脳は生物として生き延びる事を目的に進化してきた。
いわゆる3大欲求はいずれも『生きて、種を残す、繋ぐ』事に欠かせない本能だ。
進化の過程で、肉体的なディスアドバンテージをカバーする為、他の生物よりも高度な知能を手に入れたのが人間の始まりである。
そして大昔は今よりも多くの脅威、それも生命を脅かすレベルの脅威に囲まれていた。
厳密に言うと、今現代も脅威自体は残っているが、文明の発展とともにたくさんの脅威から身を守る事が可能になったのである。

具体的には、まず生物として一番の脅威は”外敵の存在”と”飢餓”だった。農耕が伝わる前は、木の実や動物の肉を食糧としていたが、木の実を見つけないと、食糧となる動物を捕まえないと飢えて死んでしまう。
スタートは”狩猟”なのである。
狩猟にあたり、どこに何がいる。どんな危険が潜んでいるのかわからない。
夜になると真っ暗で、どんな脅威に襲われるかわからない。
身を守る為に住居をつくり、食べる為に武器をつくりそうやって文明は発達してきた。
文明の発達は”脅威への対策”と共にある。
一歩間違えば”死”に至る。そんな世界で我々の祖先は生きて、種を繋いできた。”経験則に基づき将来を予測する事。不安を感じる事”は”生きる、そして種を残す”を確率を高める為、外せない進化だった。
”危険な経験”は脳に強く刻み込む必要があったし、忘れてはいけない事だった。そして新たな場所に”無警戒”で足を踏み入れる事は当時あってはならない事だった。

そんな過去が脳の進化の過程に影響しているのである。
”ショックな過去が忘れられない”、”恐怖や不安を感じ足が竦む”等は生命を繋ぐ為に進化した脳の機能の一つなのである。

そしてショックが大きければ大きい程、トラウマ的に心身に影響を与える。
不安で寝れない、学校や会社に行けない それはそこに本能的な脅威を感じ無意識に生まれる感情と症状なのである。
脳が「これ以上危険に踏み込むな」と警報を鳴らしているのである。

抑うつ感はその最もメジャーな代表例である。
”活動する事がおっくうになる=命を守ろうとしている”のだ。
だが現代では直接的に”命を脅かす存在”は殆ど文明がカバーしてくれている。必要以上に敏感な”警報ベル”が抑うつの正体なのである。

本質的には”抑うつ”は味方なのである。
この事をまず理解すると、俯瞰的に今の状況を分析できる。
これぞ”抑うつ対策”の第一歩だ。

▽▽▽復活の経緯【完全版】の記事は下記のリンクから

参考文献:『ストレス脳』:著 アンデシュ・ハンセン

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