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読書日記

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滅びの前のシャングリラ/凪良ゆう

滅びの前のシャングリラ/凪良ゆう

読むのを止められず一気読み。

「一ヶ月後、小惑星が地球に衝突します。」

17歳のパシリでいじめられっ子の江那友樹〜暴力男の目力信士〜友樹の母〜歌姫のLoco〜友樹の想い人で美人の藤森さん、それぞれに視点を移しながら書かれた小惑星衝突直前までの一ヶ月。

SFの小説のようなとても異常な設定だけど全然SFじゃない。あくまで現在が背景で、起こり得る出来事や思い・考えが繋がりながら、「大切なもの」を感

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ライオンのおやつ/小川糸

ライオンのおやつ/小川糸

瀬戸内に浮かぶレモン島にある「ライオンの家」
そこで週に一度振る舞われる「おやつ」にはリクエストしたゲストの人生がある

小川糸さんの優しい文体で紡がれる物語は、温かい涙をいっぱい流させてくれました。涙が乾いた後は程よい満腹感。死を扱う重いテーマのはずなのに不思議です…

バッハの無伴奏チェロ組曲、大好きです

ホスピスで残りの日々を過ごすことを決めた女性の物語。

少年と犬/馳星周

少年と犬/馳星周

この物語の犬の名は「タモン」
私にとっては昔飼っていた源次郎が重なる…タモンと全然違って躾けられてないダメ犬でしたが。。。

男、泥棒、夫婦、娼婦、老人、少年、いろんな人生を垣間見ながら、自分の人生を振り返ったり、今後について考えたり…

犬を飼ったことある人は一読おすすめします
(聴くのもおすすめ)
癒されます

流浪の月/凪良ゆう

流浪の月/凪良ゆう

題名と美味しそうなアイスの表紙が
「なんだかチグハグだなぁ」
と思いながら読み始めました

でも、読み終わってから表紙のアイスを見たらスッゴく幸せに満たされてホッコリしました

今の社会問題が、これでもか!というくらいてんこ盛りに詰め込まれています
「彼女」や「彼」に感情移入してみぞおちがグーっとなったり涙流したり、心が振り回されましたよ

愛しみを感じる本でした
良い本だ

一切なりゆき 樹木希林のことば

一切なりゆき 樹木希林のことば

読み進むにつれて肩の荷がおりて、心がスッと軽くなる不思議な本でした。

老いてできなくなってくることを楽しむ
…あー、今まさにそれやってるー!

平和は食べられない
…裕也さんてホント面白いなぁ。

「おごらず、他人と比べず、面白がって、平気に生きればいい」

気に入ったので電子書籍で購入しました。
コレから続く人生後半〜晩年の心を解してくれそうな気がして。。。

雲を紡ぐ/伊吹有喜

雲を紡ぐ/伊吹有喜

ホームスパン、糸紡ぎ、羊、インドネシアのタバコ、上野駅、ナルニア国物語…私の好きなものがたくさん出てきた。
家族の再生物語。
祖母と母、母と娘、親子関係の難しさも自分の人生と少しずつ重なるところがあって、この年になるとよく分かる。
.
紡ぎや織りの楽しさが溢れ、とても優しい空気感の本でした。
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謝辞と参考文献に出てくる名前に知っているものが多くて、それがまた嬉しかったな

夏の騎士/百田尚樹

夏の騎士/百田尚樹

なんて素敵なストーリー❗️

誰もが経験する、人間が子どもから大人に成長する過程、それの様々な要素が全て詰まっていて、どこかしこで「わかるわー」と思わせてくれる。
ゆっくり語られていくストーリーが最後に全て一緒になって、一気に爆発した後の余韻も爽やか。

気持ちの良い一冊だった。

ののはな通信/三浦しをん

ののはな通信/三浦しをん

最後まで読めば胃の腑にズシンとくる
深い、とても深いことか語られて、とても深い問いを投げかけられたのかなぁ

読み始めの一章は眉を顰めながら読み進めたけど、最後の四章まで読み終わると最初の一章の印象は全く違い、崇高なものに変わってた

主人公の二人はどうやら私と同い年
その二人の高校生から始まり震災の年までの文通&メールのやり取りを読みながら自分の同時期の過去を振り返ると私の人生って流されてるだけ

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ほんのちょっと当事者/青山ゆみこ

ほんのちょっと当事者/青山ゆみこ

世の中の出来事、新聞やTVのニュースはどこかちょっと他人事。しかしそれは知らなかっただけで、しっかり周りを見て思い返してみたら結構カスってる危ない出来事や思想があるかも、あったかも知れない。

著者さんが教えてくれる、身の周りの出来事から深く考えていく姿勢や物事の捉え方は学ぶべきところ多し。
にしても、この著者さんはかなり色々な当事者だと思われる。ここまでの事は私には起こってない。
いや、親の看取

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火車/宮部みゆき

火車/宮部みゆき

読んだ事ない本を初めて聴いた
ナレーターは三浦友和(なんと贅沢な!)
さすがに上手い。声の使い分けが自然で物語がすっと入ってくる。読んでいたら読み飛ばしそうな説明もすんなり聴ける。物語の景色がはっきり見えてくる。
何よりも、イイ声。

甥っ子の、消えた婚約者を探す物語。
探していく内に明かされていく2人の女性の過去。ひとつずつ丁寧に積み上げられていく事実がゆっくりとクライマックスへ導き、最後の言葉

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羊と鋼の森/宮下奈都

羊と鋼の森/宮下奈都

初めての朗読本、物語の世界がより濃く感じられるのに驚いた。ナレーターの声も穏やかで物語に合っていた。一度読んだ本だが、読み飛ばしたり斜め読みしている部分があった。朗読ではそんな場所もしっかり読み届けてくれる。本の中には無駄な文章は無いって知らされた。
調律の奥深い世界を少し体験できた気がする。

まずはこれ食べて/原田ひ香

まずはこれ食べて/原田ひ香

美味しそうな表紙の絵とよだれが出そうなメニューの並ぶ目次
現れた家政婦さんが、美味しいご飯のレシピで凝り固まった心をとかしてくれるあったか物語…じゃなかった!
そうと見せかけたミステリー小説。後半ぐいぐい引き込まれて考えさせられて、結局はいろんな人間がいていろんな人生があるもんだとなるんだけど、そこにたどり着く前に心をかなり揺さぶられる。面白い。