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犬がいるところ

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犬がいる小説・エッセイ等を集めています。 犬は偉大だ。
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#創作大賞2024

ロビンソンの飼い犬【前編】

 芽衣子が両手指にマニキュアを塗っているとき、ぼくは決まって彼女にくだらない話をする。 …

七屋 糸
1か月前
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「義父」のこと

ども!!(笑) 天道 馬七です!!(笑) お久しぶりですね!(笑) 「父の日」なんですね…

【掌編】木の根もとを掘る犬

 緑の葉が密になって生い茂る一本の大きな木が、ゆるやかな風に揺られながら立っている。犬は…

酒井創
2か月前
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狛犬 その1

A君は山陰地方の、 とある山間部の小さな町の出身だ。 その町ではちょっと奇妙な風習がある。…

まもるンち
2か月前
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犬のはなし

犬がこんなに雄弁だとは、知らなかった。 うちには今年の秋で4才になる、犬がいる。 オスのミ…

nagisuke
1か月前
12

さもない日常~週末の電話&犬のおとしもの~

「週末の電話」 週末の夜。 父から電話がかかってきた。 母からの電話は日常的にあるけれど …

みずたま
1か月前
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ラムーとモニー【旅で出会った犬たち:インド】 

南インドの聖地に滞在していた時のこと。この町にはシヴァ神の聖山があり、満月になると各地から巡礼者が集まってくる。 刺激的な北インドから南下してきた私とK、始めの数日はアシュラムに泊まっていたが、もう少しこの町でのんびりすることに決め、近くに部屋を探すことにした。 スマホのない時代、情報は人が頼り。 目的を持って歩いていても、全然違うことが起きて回り道せざるを得なくなって、結果その余計な時間がミラクルだった、みたいなことが旅では日常になっていたので、私たちはいつも「犬も歩けば棒

[連載小説]第一章/第一話 犬だけど何? 野良犬の俺がホームレスのアイツに出会っ…

あらすじ 捨て犬のビーグル犬イヌは、健太のばあちゃんと住むことに。 ばあちゃんが心臓の発作…

海caretta
1か月前
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犬を手放した父

犬を飼おうと思う。 みたいなことを高校一年生くらいの時に父が言った。 無責任な人の集まり…

ミタ
1か月前
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【読書コラム】武勇伝が作れない時代に、何者かになりたい若者は空回りするしかないん…

 大学時代の友だちとやっている月一のzoom読書会で小泉綾子さんの『無敵の犬の夜』を読んだ。…

綾野つづみ
1か月前
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いぬ

私は犬好きの自覚がある。 高校生の時に、飼っていた犬が病気で死んだ。入院させて、五日くら…

あらた
1か月前
21

犬を飼ったら終わりだよ。

「犬を飼ったら終わりだよ。子どもを授かるまでは飼っちゃダメよ」 昼下がりの散歩中、老夫婦…

【ファンタジー小説部門】ぜんぶ、佐野くんのせい(第1話)#創作大賞2024

プロローグ 大好きなアンナ。 今日、僕はニナと再会することができました。久しぶりに見たニ…

ティナ
1か月前
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【小説】容器 (1)

一  測量師の木村和彦は仕事を辞めた。特に仕事内容に不満があったわけではない。給料は高くはなかったが、安定していたし、そのまま勤めていればいずれ昇給する見込みもあった。しかし同じ会社の上司たちについて考えたときに、こんなふうにはなりたくない、と感じていたことは事実だ。もっともそんな気持ちを表に出すことはなかった。彼は良くも悪くも、場の空気を乱したりはしない人間だったのだ。穏やかに、目立たないように、これまで生きてきた。だからどうしてTが大学時代に自分を友達にしようとしたのか