龍孫江(りゅうそんこう)可換環論botオペレーター

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龍孫江(りゅうそんこう)可換環論botオペレーター

数学YouTuberこころえ.Twitterから軸足を移しています.数学をきっかけにいらっしゃった方はMathtodon https://mathtod.online/web/@ron1827 も是非ご覧ください.

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数学日誌別館テキスト版廃刊のお知らせ

日頃は『龍孫江の数学日誌』をご贔屓いただきまして有難うございます。 昨年5月の数学日誌別館(YouTube/note)開始以来、多くの方にご贔屓を賜り、おかげさまで YouTube チャンネルは1000人余の方にご登録いただくに至りました。 YouTubeチャンネルを運営する者としては、登録者1000人はひとつの、しかも重要な区切りです。おそらく多くのYouTuberがそう考えているのではないかと思います。というのも、YouTubeに投稿した動画に広告を載せて掲載料を頂け

    • 整数環の素イデアル〈龍孫江の環論道具箱〉

       可換環の素イデアルを定義しました.何か興味深いものを得たら,基本的な例で検めることは重要です. https://youtu.be/hGy9teeY_Po 定理(整数環の素イデアル)$$ \operatorname{Spec} \mathbb{Z} = \{ (0) \} \cup \{ (p) \mid p \text{は素数}\}. $$

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      • 剰余類〈龍孫江の群論道具箱〉

         群の作用から軌道が定義され,軌道の観察から群の性質が導ける可能性が示唆されています.今回は,特に重要な作用の軌道を導入します. https://youtu.be/dt9X-PkhNo8 定義(剰余類)$${G}$$を群,$${H \subset G}$$を部分群とする. (1) 左乗法作用$${\lambda \colon H \times G \to G}$$の軌道 $${ Hx = \{ hx \mid h \in H \} }$$ を右剰余類という. (2

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        • 素イデアル〈龍孫江の環論道具箱〉

           整域という環を定義しました.このように,なにか良い性質を備えた環があれば,剰余環がその性質を備えるためのイデアルの条件は何か? というのが問題になります. 定義(素イデアル)環$${A}$$のイデアル$${P}$$が $${P \ne A}$$,および 任意の$${a,b \in A}$$に対し,$${a, b \not\in P \Rightarrow ab \not\in P}$$ をみたすとき,素イデアルという.□

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        • 龍孫江の群論・環論道具箱
          初月無料 ¥700 / 月
        • 龍孫江の環論道具箱
          初月無料 ¥400 / 月
        • 龍孫江の群論道具箱
          初月無料 ¥400 / 月
        • 龍孫江の数学日誌 in note(令和3年8月分)
          10本
          ¥1,000
        • 龍孫江の「畏れながら申し上げます」
          51本
        • 『龍孫江の数学日誌』in note
          621本

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          忠実な作用〈龍孫江の群論道具箱〉

           有限群$${G}$$が集合$${X}$$に作用するとき,準同型$${G \to \mathfrak{S}(X)}$$が導かれること,および単射準同型$${G \to \mathfrak{S}_{\# G}}$$が存在することを見ました.今回の課題は,対称群に埋め込めるための条件は何か?です. https://youtu.be/ojt8xtyof7A 定義(忠実な作用)群$${G}$$の集合$${X}$$への作用$${\lambda \colon G \times X \

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          忠実な作用〈龍孫江の群論道具箱〉

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          自明な剰余環〈龍孫江の環論道具箱〉

           剰余環を定義して,環$${A}$$とそのイデアル$${I}$$が指定されれば,剰余類空間への自然な全射$${\pi : A \to A/I}$$が全射準同型となることを示しました.ところで,イデアルには自明なイデアルと呼ばれるものがありましたから……? 例(自明な剰余環)環$${A}$$に対し,$${ A/(0) \simeq A,~~~A/A = 0.}$$ □

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          自明な剰余環〈龍孫江の環論道具箱〉

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          Cayleyの定理〈龍孫江の群論道具箱〉

           群の作用は,群の各要素を被作用集合の全単射に写し取ること,またその逆が成り立つことを紹介しました.この事実をある作用の例に適用することで,今回紹介する定理が導かれます. 定理(Cayleyの定理)位数$${n}$$の有限群はすべて,$${n}$$次対称群$${\mathfrak{S}_n}$$のある部分群と同型になる.□

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          ガウス整数環のユークリッド性〈龍孫江の環論道具箱〉

           ある整域が単項イデアル整域であることを判定する充分条件として,ユークリッド整域という概念を導入しました.整数環$${\mathbb{Z}}$$や体$${K}$$上の1変数多項式環$${K[X]}$$などがその例でしたが,今回はもうひとつの例を紹介します. 定理(ガウス整数環のユークリッド性)ガウス整数環$${\mathbb{Z}[i]}$$はユークリッド整域である.特に$${\mathbb{Z}[i]}$$は単項イデアル整域である.□

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          ガウス整数環のユークリッド性〈龍孫江の環論道具箱〉

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          可移な作用〈龍孫江の群論道具箱〉

           群の作用が軌道分解を導き,作用の観察は各軌道への作用の観察に帰着されました.そこで「軌道への作用」を特徴づける必要がありそうです. https://youtu.be/AmVWE0fG8D4 定義(可移な作用)群$${G}$$の集合$${X}$$への作用が可移であるとは,任意の$${x, y \in X}$$に対し$${y = gx}$$なる$${g \in G}$$が存在することをいう.□

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          ガウス整数環〈龍孫江の環論道具箱〉

           ここまでに扱ってきた可換環の例には,整数環$${\mathbb{Z}}$$や多項式環$${A[X]}$$などがありました.これらは今後も理論を牽引する重要な例ではありますが,今回は「狙った性質をもつ環を作る」ことを考えてみましょう. https://youtu.be/IMB7DblHavc  今回の話を通して,$${i = \sqrt{-1}}$$で虚数単位を表すものとします. 定義(ガウス整数環) 複素数体$${\mathbb{C}}$$の部分環 $${\math

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          不変集合の構造〈龍孫江の群論道具箱〉

           群の作用を導入し,不変元を定義しました.不変元の全体という集合を定義しましたが,なかなか興味深い性質をもっていることが知られています. https://youtu.be/uZJM6kapXpU 基本的な考え方群$${G}$$が集合$${X}$$に作用しているとする.ここで 被作用集合$${X}$$がある数学的構造を備えている 群$${G}$$の作用は$${X}$$の構造と整合している なるとき,不変元の全体$${X^G}$$にも$${X}$$と同種の構造が定まり,

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          ユークリッド整域〈龍孫江の環論道具箱〉

           単項イデアル整域(PID)を導入し,体上の1変数多項式環$${K[X]}$$が単項イデアル整域であることを証明しました.また,言葉はまだ導入していませんでしたが整数環$${\mathbb{Z}}$$もPIDであることを証明していました.  実は,この$${K[X]}$$や$${\mathbb{Z}}$$がPIDであることの証明は実に似通っています.このように「よく似た議論」があれば,必要な因子を抽出してまとめることが数学ではしばしばなされます. https://yout

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          ユークリッド整域〈龍孫江の環論道具箱〉

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          不変元〈龍孫江の群論道具箱〉

           群の作用が与えられたとき,被作用集合はいくつかの軌道の非交叉和に分解されること(軌道分解)を紹介しました.そこで,軌道としてどんな集合が現れるかが気になるわけですが,ひとつの極端な場合として「1点集合からなる軌道」を特徴づけます. https://youtu.be/fdN-mlFK0GY  今回の話を通して,群$${G}$$が集合$${X}$$に作用するとします. 定義(不変元)$${x \in X}$$が$${G}$$不変とは,すべての$${g \in G}$$に対

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          相棒と新入り

           万年筆を新調しました.  今回のおまけテキスト,内容と言えるのはこれだけです.  大学入学のお祝いとして,叔父から贈ってもらったのがペリカンのM400青縞(細字)でした.移転前の丸善名古屋店で何本か試筆したのですが,当時はまだ万年筆にさほど造詣もなく,好きな青軸の細字を選びました.

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          単項イデアル整域(PID)〈龍孫江の環論道具箱〉

           整数環$${\mathbb{Z}}$$のイデアルはすべて単項イデアルとなることを紹介しました.この証明で利用したのは整数の除法と余りの関係です.除法の原理を用いると,多項式環においても同様の主張が成り立つことがわかります.特に,これらに共通する性質として単項イデアル整域の概念が定義できます. https://youtu.be/fJ1c2HKAsLc 定義(単項イデアル整域,PID) 次の条件をみたす体でない整域$${A}$$を単項イデアル整域(Principal Ide

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          単項イデアル整域(PID)〈龍孫江の環論道具箱〉

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          左作用と右作用〈龍孫江の群論道具箱〉

           前回,群の右作用を導入して,左右からの作用が出そろいました.今回は,これらの作用が互いに対等であることを示します. https://youtu.be/qfScbe0wacg 定理(左作用と右作用)$${G}$$を群,$${X}$$を集合とする. (1) 左作用$${\lambda \colon G \times X \to X}$$に対し, $${\rho_\lambda \colon X \times G \to X~;~(x, g) \mapsto \lambd

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          左作用と右作用〈龍孫江の群論道具箱〉

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