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龍孫江の環論道具箱

環論の初歩について,基本事項をまとめます.環論を学び始めた人,もう少し良く知りたい人におすすめです.月6回ほどの更新と,おまけテキストを載せる予定です.
環論の初歩について,基本事項をまとめます.教科書にはあまり書かれない細々とした計算や寄り道っぽい話…
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記事一覧

イデアルと整除関係〈龍孫江の環論道具箱〉

 単項イデアルを導入した折に「単項イデアルを主イデアルと訳すこともある」とお話ししました…

整域〈龍孫江の環論道具箱〉

 多項式の次数に関する公式において「0でない要素の積がまた0ではない」という条件が出てき…

除法の原理〈龍孫江の環論道具箱〉

 多項式を観察するときの重要な道具である次数を導入しました.次数は多項式の複雑さの尺度と…

多項式の次数〈龍孫江の環論道具箱〉

 多項式環を導入し,その要素である多項式の性質を観察したいと考えるとき,極めて重要なカ…

環上の代数〈龍孫江の環論道具箱〉

 多項式環を導入し,その重要な性質として「変数にある要素を代入する」写像が準同型となる「…

代入原理〈龍孫江の環論道具箱〉

 多項式環を導入し,任意の可換環$${A}$$に対し多項式環$${A[X]}$$が存在することを確かめま…

環論道具箱ダイジェスト(11~20回)

各見出しから,各回の記事へと飛べます.マガジン 龍孫江の環論道具箱(月額400円) または 龍孫江の群論・環論道具箱(月額700円) の購読者は過去記事が全て読めます.購読解消後は購読月中の更新分のみ読めますので,気になる回がある月のみでも購読いただければ幸いです. 第11回 環の同型環の同型を「(準同型の中に)逆をもつ準同型」として定義し,実は「全単射である準同型」でよいことを示します. 第12回 準同型の核環の同型を「準同型かつ全射かつ単射」と考えるとき,単射性を

多項式環の存在〈龍孫江の環論道具箱〉

 前回,多項式環を定義しました.これからは多項式環(および多項式)を利用していろいろ例を…

多項式環〈龍孫江の環論道具箱〉

 環論道具箱では,これまで基本的な理論をつらつらと紹介してきましたが,ひとつの目標であっ…

剰余環の剰余環〈龍孫江の環論道具箱〉

 イデアルの対応定理によって,剰余環のイデアルともとの環のイデアルの一部に対応がつくこと…

極大イデアル〈龍孫江の環論道具箱〉

 前回は剰余環のイデアルをもとの環のイデアルと対応づけました.ところでこの事実を,イデア…

イデアルの対応定理〈龍孫江の環論道具箱〉

 前回,準同型によるイデアルの逆像や像について観察しました.今回はこれを踏まえて,剰余環…

イデアルの像・逆像〈龍孫江の環論道具箱〉

 剰余環を導入し,準同型定理,および普遍性を用いた特徴づけを紹介しました.続いては剰余環…

剰余環の普遍性〈龍孫江の環論道具箱〉

 前回は「準同型の経由」という関係を紹介しました.今回は,この関係を利用して剰余環(と自然な全射)を特徴づけます. https://youtu.be/-DSbw9sKRPQ 定理(剰余環の普遍性)$${A}$$を環,$${I}$$を$${A}$$のイデアルとするとき,自然な全射$${\pi \colon A \to A/I}$$は次の性質をもつ: (普遍性)準同型$${f \colon A \to B}$$が$${I \subset \ker f}$$をみたすとき,$$