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龍孫江の群論道具箱

群論の初歩について,基本事項をまとめます.群論について,学び始めた人,もう少し良く知りたい人におすすめです.月6回ほどの更新と,おまけテキストを載せる予定です.
群論の初歩について,基本事項をまとめます.教科書にはあまり書かれない細々とした計算や寄り道っぽい話… もっと詳しく
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記事一覧

巡回群からの準同型〈龍孫江の群論道具箱〉

 前回は群$${G}$$から群$${H}$$への準同型全体$${\operatorname{Hom}(G,H)}$$を導入し,整数…

準同型の集合〈龍孫江の群論道具箱〉

 何回か前に,群$${G}$$の自己準同型の全体$${\operatorname{End} G}$$を導入しました.この…

群の同型〈龍孫江の群論道具箱〉

 群を比較する道具として準同型写像を導入し,また自己準同型(自分自身への準同型)の集合$$…

自己準同型〈龍孫江の群論道具箱〉

 前回は準同型写像を導入しました.今回はまず次の定理から始めたいと思います. https://yo

ベクトル空間って何ですか?──公理とその役割

 数学科でどんなことが行われているのか,コミカルに,しかしかなり具体的に描かれているマン…

群の準同型写像〈龍孫江の群論道具箱〉

 これまでの群論道具箱では,1つの群$${G}$$を固定したときに,$${G}$$の内部のみで$${G}$$…

部分集合が生成する部分群〈龍孫江の群論道具箱〉

以前「巡回群の最小性」で,群$${G}$$の要素$${a}$$が生成する巡回部分群$${\langle a \rangle}$$を「$${a}$$を含む最小の部分群」と特徴づけ,同じ論法で 部分集合$${S}$$を包む最小の部分群 を「$${S}$$が生成する部分群」と定義し,$${\langle S \rangle}$$と表しました.この定義は理論的には扱いやすい面もあるものの,やはり「それがどんな集合なのか」を記述しておかないと困ったりします. https://yo

非自明な部分群がない〈龍孫江の群論道具箱〉

 群の性質や形を観察する場合に,どんな部分群があるか? は重要な手掛かりになります.今回…

新たな仲間に進める何冊か(2024年の春に)

 以前「新たな仲間に進める3冊」として,これから数学科に進学する人,数学を学び始める人に…

巡回群の生成元の数〈龍孫江の群論道具箱〉

 群の中でもシンプルなものとして巡回群を導入しました.群論の課題のひとつに,与えられた群…

群と要素の位数〈龍孫江の群論道具箱〉

 部分群が導入され,巡回部分群が定義されたところで,部分群から群をどう観察するかに進んで…

巡回群の最小性〈龍孫江の群論道具箱〉

 群の第一歩として巡回群を導入しました.今回は,巡回群が生成元を「近似する」部分群である…

群論道具箱ダイジェスト(01~10回)

各見出しから,各回の記事へと飛べます.マガジン 龍孫江の群論道具箱(月額400円) または …

「待った」をしたい日々──数学科へ進む人たちへ──

 さのたけとさんの記事「数学者を目指す」を読み返して,自分の二十代,つまり研究者としてなんとかやっていきたいと思っていたころをふっと思い出した.  自分がなんで研究者になれなかったかといえば,全体的にいろいろ足りなかったからという一言に尽きる.「待った」をかけてやり直せるなら,もうちょっとうまくやれる気はする.さすがに今から数学科に戻って学生生活をやり直そうとかは思わないけれど,今から足腰を鍛え直して研究論文が出せたら,とはちょっと思う.  余談だけど,大学から出た30歳