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保健室は私の控え室


学校生活って宗教的だ。

同じ制服に身を包み
同じ机に鎮座して
同じ教科書を見開く

先生という名の教祖が
現代法華経をつらつらと唱え始めた

私は今から50分間
この空間で教育の摂理に入り浸る


清廉潔白な顔したテスト用紙。
これが小テストなら大テストはきっと腹黒い。

回答欄に書き込んだ内容によって、私の現段階においての人間知能レベルを数字で提示されるらしい。

なにそれウケる。発狂しそう。

勉学はいつだって自分勝手だ。
教科書の正義と自分の感性は相反している。
共感を生むときもあれば、分かり合えず決別するときもある。

教師という他人から正解だと言われたものを飲み込み、臓器に入れ反応を伺った。
グルグルと音がして、胃もたれのような感覚に陥った。
『うっ。』
気持ち悪さに耐えられず、吐き出したものを机の上に乗せて眺める。

これが私の回答だ。


『なあ、わからないなら名前だけでもいいんだぞ。』と教師の声が斜め上から降ってきた。


分からないんじゃない。
分かりたくもないのだ。

私の答えが未回答と同等の扱いをされるなら世も末だ。
異物と唱えられるなら潔く排出されようではないか。


廊下の先、右側の白い扉


保健室は私の控え室なのだから。


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