佐藤蓼丸
記事一覧
人間の歴史は「死の克服」の歴史
ジェレミー・リフキン「エントロピーの法則2」21世紀文明の生存原理 1983年11月5日 初版第一刷発行/祥伝社
👇
動物は危険を感じるとパニック状態になり、死から必死で逃げ出そうとする。しかし、「自分はいつかは死ぬのだ」ということを意識する生き物は、人間だけである。アーネスト・ベッカーは、その著書『死からの逃走』の中 で、次のように述べている。「人間にしても、あらゆる動物や原始的な微生物にして
ダーウィンの個人的事情と進化論の関係
「ダーウィンは、機械化時代に機械的な生物社会の概念を確立したのである。人間社会の闘いを、動植物の闘いに置き換えてみせた。私有財産相続制の社会において、生き残るためにいちばん大切なものは、占有と遺伝であると述べた」➡ ジョフリー・ウェスト『ダーウィン伝』
ジェレミー・リフキン「エントロピーの法則2」21世紀文明の生存原理 1983年11月5日 初版第一刷発行/祥伝社 より
👇
ダーウィンの両親は
進化論が熱狂的な支持を得た理由
ジェレミー・リフキン「エントロピーの法則2」21世紀文明の生存原理 1983年11月5日 初版第一刷発行/祥伝社 より
👇
このように、自然淘汰にまかせておけばすべては進歩すると考えたダーウィンは、人種における優劣の差というものに関心を持ち、いつかは劣種が自然淘汰されると信じた。それは、彼の従兄のフランシス・ゴールトンが唱えた優生学論を支持したことでも明らかである。
ゴールトンは、計画的な出産
暗記によって多くの事実を学ばねばならなかった
ジェローム・R・ラベッツ「ラベッツ博士の科学論ー科学神話の終焉とポスト・ノーマル・サイエンス」2010年12月25日 初版第一刷発行 こぶし書房
■巻頭言 より
👇
学生時代、私の科学についての認識は、大半の学生と似たりよったりだった。理論は、変化したりせず、正確な予測を提供すると考えていた。私は、暗記によって多くの事実を学ばねばならなかった。その後かなりの年月を経た1993年に、エドモンドソン
1億総下層中産階級 その9
この一見矛盾した謎は容易に解くことができる。利己主義は、正にこの自愛の欠如に根差している。自分自身を好まない人間や自分を良しとしない人間は、常に自分自身に関して不安を抱いている。
彼は純粋な好意と肯定の基盤の上にのみ存在する内面的な安定をもっていない。
彼は自分自身に気を使い、自分の為にあらゆるものを獲得しようと貪欲の目を見張らなければならない。
彼には根本的な安定と満足とが欠けているからで
1億総下層中産階級 その8
E.フロム「自由からの逃走」昭和26年12月30日 初版/昭和40年12月15日 27版(新版)/昭和62年10月20日 94版/東京創元社
👇
すなわち愛は「好むことではなくて、その対象の幸福、成長、自由を目指す積極的な追及であり、内面的なつながりである。それは原則として、我々をも含めたすべての人間やすべての事物に向けられるように準備されている。排他的な愛というのはそれ自身一つの矛盾である。
1億総下層中産階級 その7
E.フロム「自由からの逃走」昭和26年12月30日 初版/昭和40年12月15日 27版(新版)/昭和62年10月20日 94版/東京創元社
👇
これまで我々は、近代社会において、資本をもち、その利潤を新しい投資に回すことのできる人間について論じてきた。彼らは大資本家であろうと、小資本家であろうと、その生活は経済的機能の遂行、資本の蓄積ということに棒げられた。
しかし資本をもたず、労働力を売っ
1億総下層中産階級 その6
E.フロム「自由からの逃走」昭和26年12月30日 初版/昭和40年12月15日 27版(新版)/昭和62年10月20日 94版/東京創元社
👇
人間を超えた目的に、たやすく自己を服従させようとするこの傾向は、実際には、プロテスタンティズムによって準備された。もちろん、 ルッターやカルヴァンの精神にとっては、経済的活動のこのような優越性を認めることほど縁遠いものはなかったけれども。 しかし、彼ら
1億総下層中産階級 その5
E.フロム「自由からの逃走」昭和26年12月30日 初版/昭和40年12月15日 27版(新版)/昭和62年10月20日 94版/東京創元社
👇
しかしこれは、資本主義が発展する自由の過程に及ぼした一つの結果(自由への道のりの通過点)であり、それは同時に個人を、増々孤独な孤立したものにし、彼に無意味と無力の感情を与えたのである。
ここで最初に取り上げるべき要素は、資本主義経済の一般的特質の一つ
1億総下層中産階級 その4
E.フロム「自由からの逃走」昭和26年12月30日 初版/昭和40年12月15日 27版(新版)/昭和62年10月20日 94版/東京創元社 より
👇
我々はこのようにして、自由の問題とは、近代史の過程において、
これまで獲得してきた自由をより一層獲多く獲得することであると考えがちである。またそのような自由を否定する力に対して、自由を守ることだけがすべてであると考えがちである。
もちろんこれ
1億総下層中産階級 その3
E.フロム「自由からの逃走」昭和26年12月30日 初版/昭和40年12月15日 27版(新版)/昭和62年10月20日 94版/東京創元社 より
資本主義社会のより高度な発達が、宗教改革時代に兆し始めた変化と同じ方向へと、パースナリティに影響した。
プロテスタンティズムの教義は、近代的産業組織のもとで果すべき役割に対する、心理的な準備を与えた。この組織、この習慣、またそこから生まれるこの精神
1億総下層中産階級 その2
E.フロム「自由からの逃走」昭和26年12月30日 初版/昭和40年12月15日 27版(新版)/昭和62年10月20日 94版/東京創元社 より
しかし、我々の主要な関心は、中産階級の反応にある。資本主義の発生は、もちろん独立と創意とを増大させたが、それは中産階級には大きな脅威であった。十六世紀のはじめ、中産階級の個人は、まだ新しい自由から多くの力と安定とを得ることはできなかった。
自由は力