「はじまりは蝶」4話
「あの、ほんとのほんとに大丈夫なんですかこれ」
「あぁ? 知らねーよんなの」
自分の髪を撫でながら言うサドさんは、ご機嫌斜めだ。どうやらご自慢の髪にまで液体をつけるのが気に食わなかったらしい。僕たちは、『とどのつまり』の近くの森に移動していた。ポウ星人は、人気のないところに拠点を持っているらしいんだ。僕たちは、皆一様に壺の中身を体中に塗りたくって相当匂いが酷いだろうから、ある意味有難かった。もはや鼻がおかしくなったのか、自分ではもう臭いを感じなくなったけどね。液体は、塗った