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【あらすじ】ぼくは勉強ができない 読書記録21

ぼくは勉強ができない

山田詠美


僕は、「ぼくは勉強ができない」の主人公、時田秀美がめちゃくちゃ好きだ。

時田秀美は、”枠からはみ出すこと”、”自分の考えを主張すること”に一切の抵抗がなく、「勉強よりも大事なことがある」と信念を持つ男子高校生。

秀美の言葉を紹介する。

母子家庭で育ってきた秀美は、周りから「大変だね」といわれることが多く、疑問を抱く。

幸福に育って来た者は、何故、不幸を気取りたがるのだろうか。不幸と比較しなくては、自分の幸福が確認出来ないなんて、本当は、見る目がないんじゃないのか。

「父親がいない」ということは必ずしも不幸なことなのか?

父親がいないという事実からだけでは、白黒をつけることはできない。


学校でコンドームを落とし、「不純異性交遊をしているから勉強もダメなんだ」と先生から説教を受け、反論する。

先生は、ぼくの何に対して注意しようとなさってるんですか。コンドームを落としたことですか?それに関しては、うっかりしてたと思います。ぼくは、まだ若くて、彼女に子供が出来ても育てていける筈がない。だから、こういうものを使うんだ。何故かって、真剣だからです。真剣だから、彼女の体を気づかうんです。

「セックスすると、成績が下がるって証拠でもあるんですか?」

先生相手に、ここまで堂々と真理を突きつけることができる高校生がいるだろうか。


この1冊の中で僕が一番好きなセリフがこちら。

ぼくは思うのだ。どんなに成績が良くて、りっぱな事を言えるような人物でも、その人が変な顔で、女にもてなかったらずい分と虚しいような気がする。

勉強ができることよりも、もっと重要で重大なことがあり、それに目を向けることもなく、”大学を卒業しないとろくな大人にならない”と本気で信じている人がたくさんいるみたい。


上記3つに共通して秀美は、周りの大多数の考えを当たり前だと思うことなく、世間一般の考えに疑問を持つことができる且つ自分の考えを堂々と相手に伝えることができる、そんな高校生であり、かなり好きな主人公の一人である。

みなさんは高校時代、どんな高校生だっただろうか。

自分が高校生の時にこの本に出合っていたら、また違った人生になっていたりもするような気がする。

気になった方は、ぜひ。



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