【説教集×英語学習16】 信頼して祈る #226
2024年3月31日（復活日） 主のご復活おめでとうございます
説教集より
… there is no man so ignorant but he knoweth, no man so blind but he seeth, that prayer is a thing most needful in all estates and degrees of men.
祈りがどのような地位や位階にある人についても極めて大切なものであるということを知らないほど無知な人、つまり、このことが見えていないほど盲目な人はいません。（第二説教集7章1部：全訳はこちら↓）
ヨハネのひとこと
「人の心を見極める方は、霊の思いが何であるかを知っておられます。霊は、神の御心に従って聖なる者のために執り成してくださるからです（ロマ8:27）。」
それならば私たち人間が神に祈る必要などないではないか、と言いたくなる向きはわからなくもないのですが、それでも祈りはわたしたちに必要であるし求められていることです。
わたしたちのこの世のことになりますが、子と話したがらない父親がいるでしょうか。父親は子との対話そのものを喜びます。ここで子に求められるのは父親への信頼です。
神とわたしたち信仰者の関係はまさに父と子の関係です。この世で生きるなかでいろいろな困難に遭遇するとき、わたしたちに求められるのは、全能の父を呼び求め、その父を信頼し、その力に頼ること。祈りは霊において生かされているわたしたちにとってとても大切なものです。
復活日にあたり、あらためてわたしたちが父に祈るときに仲立ちをしてくださる方を思いましょう。この恵みを思い、今週も日々を送りましょう。
英文の解説
there is no man で「人はいない」ですが、この man を形容詞 ignorant が後置修飾しています。次の but は接続詞ですが、よくある等位接続詞の「しかし」ではありません。but には従属接続詞の用法があり、否定的構文に続いて「～ではない」という意味を持ちます。代表的な例文としてはこのようなものがあります。
He is not such a fool but he can tell that.
彼はそれくらいのことがわからないほどのばかではない。
したがって、there is no man so ignorant but he knoweth は「知らないほど無知な人はいない」となります。また、これに no man so blind but he seeth が続きますが、この二つの no man は同格と考えられます。「A つまり B」です。knoweth と seeth はそれぞれ knows と sees の古い形です。「知らないほど無知な人、つまり見えていないほど盲目な人」と訳しました。know も see も他動詞で、これらの共通の目的語がこれに続く that 節で、そうすると see は「わかる」と訳すのが通例になりますが、blind と対応していることに鑑み、あえて「見えている」と訳しました。
何を知らないのか、何が見えていないのか。that 以下がそれにあたります。prayer is a thing 「祈りが～のものである」の SVC が軸です。a thing には後置修飾が施されています。most needful in all estates and degrees of men です。estates は「地位」、degrees は「位階」と訳しました。したがって「祈りがどのような地位や位階にある人についても極めて大切なものである」という意味になります。これを知らない、これを見えていないほど「無知」で「盲目」な人はいない、というのは、とらえようによっては、かなり痛烈な皮肉にも聞こえるものです。
英文の見取り図
おまけ（復活日聖餐式）
あらためて、主のご復活おめでとうございます。今日の聖餐式ではアコライト（サーバー）を務め、詩編の交唱を担当する（16分18秒付近から）などしました。よかったらぜひご覧になってください。
最後までお読みいただきありがとうございます。今後も主日のたびにこのシリーズを投稿していきたいと思います。引き続きご愛読ください。よろしくお願いいたします。
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