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異世界ファンタジー作品:
<ボロ雑巾な伯爵夫人、やっと『家族』を手に入れました。〜世間知らずの夢の成就は、屋敷ではなく平民街で〜>
連載中(約10万字(文庫本一冊相当)で完結予…
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#平民生活
ボロ雑巾な伯爵夫人、やっと『家族』を手に入れました。〜世間知らずの夢の成就は、屋敷ではなく平民街で〜 第一話
【あらすじ】
第二夫人に最愛の旦那様も息子も奪われ、挙句の果てに家からも追い出された伯爵夫人・フィーリア。
なけなしの餞別だけを持って大雨の中を歩き続けていた彼女は、目的地も希望も生きる理由さえ見失いかけた時に、二人の貧民の男の子たちと出会う。
言葉汚く直情的だけど、何だかんだで面倒見がいい、ディーダ。
喋り方こそ柔らかいが、その実どこか冷めた毒舌家、ノイン。
環境のせいでスレてい
ボロ雑巾な伯爵夫人、やっと『家族』を手に入れました。〜世間知らずの夢の成就は、屋敷ではなく平民街で〜 第十六話
◆◆◆
――マイゼル様は、最近特に機嫌が悪い。
使用人から影でそう言われている事は、俺自身よく知っている。
が、仕方がないではないか。
最近俺の周りでは、腹立たしい使用人の不手際が頻発に頻発を重ねているのだ。
「おいメイド! どうしてインク壺にちゃんとインクが入っていない!」
「し、しかしインクはちゃんと――」
「俺はインクが半分以下に減っているのは嫌なんだ! 貴様は一体何年俺に仕え
ボロ雑巾な伯爵夫人、やっと『家族』を手に入れました。〜世間知らずの夢の成就は、屋敷ではなく平民街で〜 第十三話
陽光が差し込む布屋『ネィライ』の店内で、店内の美化活動に勤しんでいた。
壁一面に並ぶこげ茶色の棚から一段分、商品を傷めないように注意しながら布束を引き抜く。空いた棚には雑巾を掛け、うっすらと積もっていた埃を拭きとって、布束の方にははたきを掛けて、再び棚へと戻す。その作業の繰り返しだ。
しかしそれが意外と大変。一束の布は意外と重く、出し入れするだけで重労働だ。
が、だからこそやりがいもある