ピンピンころりん子ちゃん 6
「よしおや、はやまってはいけない。まずは父さんの話を聞いておくれ」と父親はいった。
「さっき駅前で、南方からの帰還兵にあったんだよ。よしおや、彼はお前と同じ年のころだろうか。片足を地雷でやられちまって、物乞いに身をやつしていたよ。戦友は全員、殺されちまったっていってたよ。お国のために、不自由なからだになって、もう働くことができなくなっちまったんだよ。捕虜にとられて、それでも家族に会いたい一心で、辛酸に耐えてさ。ようやく、何年も抑留されて国に戻ったら、嫁さんはアメリカ人と再婚