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【簡単あらすじ】マリアビートル(微ネタバレ)【伊坂幸太郎/角川文庫】



『はじめに』
Noteで「読書の秋」コンテスト開催ということで、最近読んで印象に残ったり、買ったままで積んでいた本の感想を書いていこうと思います。
このレビューを読んだことで、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたいのですが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』がありますので、ご注意ください。


2022年にブラッドピットさんが主演となった「ブレットトレイン」の原作です。

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伊坂さんの作品は宮城県に関連した舞台が多いのですが、今作品は場所ではなく、東北新幹線という乗り物が舞台になります。

新幹線の車内、という狭く・時間的にも肉体的にも自由の利かない空間の中に、

①息子の仇を狙う元殺し屋「木村」
②気弱でとにかく運の悪い殺し屋「七尾」
③見た目・中身・運、全てが天才的な中学生「王子」
④凄腕の殺し屋コンビ「檸檬」「蜜柑」
「スズメバチ」やその他の殺し屋・裏社会の人間

という個性豊かな登場人物たちが、それぞれの思惑を持ち行動します。

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このように記述すると、『アクション性の高い作品なのかな?』もしくは、『すぐに登場人物同士の戦闘になるような、血なまぐさい作品なんでしょう?』とお思いになるかもしれません。

もちろんアクション描写も多い作品ですが、それが作品の中心とならないところがこの(伊坂)作品の面白さです。

殺し屋同士が普通に遭遇した場合には、当然戦闘になってしまいますが、各登場人物が自分の立場を良くするため、常に考えながら行動しており、その行動の結果が、他の登場人物の置かれている立場を目まぐるしく変化させます。

さらには、新幹線が舞台ということでタイムリミットが発生するなど、アクションというよりもサスペンス性が強く、とにかく大変スピード感がある作品なので、私は休日に一気に読了してしまいました。

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ある登場人物(上記①~⑤の誰か)は、過去も現在も考え方や行動が「最高の悪役」であり、ラスボスと呼ぶにピッタリです。

このラスボスには何人もの凄腕の殺し屋が軽くあしらわれ、手玉に取られる描写が多くあり、どうやったら倒せるのか、ということが作品の途中では全くイメージ出来ません。

ただ、ラストにかけて、グラスホッパーの主人公である鈴木や、①~⑤の誰かに関係した最強の助っ人が登場するなど、大変胸アツな展開になり、流石のラスボスも打つ手が無くなる、という詰将棋のような形での終幕になります。

もちろん最後には、伊坂作品安定のスッキリとした読後感があります。

人の死という重めのテーマを扱っていますが、安心して読んでいただける作品になっていると思います。

今作を含め、伊坂先生の「殺し屋シリーズ」全三巻は大変おススメです!

私は、今作がシリーズの中で一番好きです。

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★同作者の他作品レビュー★

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ブラピ主演の「ブレットトレイン」も、細かいところはツッコミどころ満載ですが爽快感が良かった作品ですので、こちらもお時間が出来ればどうぞご鑑賞ください。



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画像は【しま】さまからお借りしました。ありがとうございます。

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