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【簡単あらすじ】探偵の探偵(微ネタバレ)【松岡圭祐/講談社文庫】

探偵とは、他人の行動・秘密などを秘かに探ること。
また、それを職業とする人。

参照:デジタル大辞泉

中堅調査会社が併設する探偵養成所に、決して笑わぬ美少女・沙崎玲奈が入校する。
養成所の担当者であり調査会社社長である須磨は、沙崎の容姿や養成所での言動から、とても探偵向きではないと説得するが…

対探偵課

養成所卒業後、沙崎は須磨の会社でこの肩書を身に付け働くことになる。

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『はじめに』
私は自他共に認める出不精です。さらに冬の寒さをひしひしと感じ、外出する頻度が減っているのですが、それに反比例して読書量は増加しています。
ですので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりした本の感想を書こうと思います。
このレビューを読んだことで、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。

「探偵の探偵」


題名に惹かれて読み始めた作品です。

主人公は美少女で探偵、ということで多くの人がイメージしているような内容とはかけ離れた作品になっていると思います。

主人公の沙崎自身が「探偵の全てを知りたい。でも、探偵にはなりたくない」と言っているように、

通常皆さんが読まれている・イメージしているような探偵物の作品とは一線を画しています。

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探偵が主人公というと、
依頼されて、もしくは偶然に、事件現場に立ち会い、
そこでなんやかんやあって、探偵が犯人を捕まえる。

という流れの作品が多いのですが、本作品はそのイメージには全く合っていません。

また、推理が中心とならない探偵作品の場合は、戦闘描写が多くなりがちですが、今作は、

①探偵養成所の授業として護身術を習うテコンドー道場で、直視するのもはばかられるほどの野蛮な行為で滅多打ちにされ、

②調査会社に勤務後は、包丁を持った敵となる探偵にマンションの一室で突然襲撃され、何とかそれをやり過ごした後は、ハードカバー本で反撃し足の甲の感覚が無くなるほど蹴り続ける、

など、戦闘描写においても、少年マンガのような爽やかな・鮮やかな場面は全くありません。

むしろ、ちょっとバイオレンスシーンやグロ表現が多いとも言えます。

しかし、そのようにギリギリの戦いをしているからこそ、物語の最後まで読むと、ホントに良く頑張ったと声をかけたくなるくらい、登場人物たちに感情移入をしてしまいます。

悪役が、「ザ・悪役」と言えるほど悪役しているところも、そういった感情移入につながり易いのかもしれません。

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今作では、沙崎は、読者がちょっと可哀そうに感じるくらい心身ともにダメージを受けます。

ですが、最終的には沙崎の成長を感じますし、味方もちょっと増えそうな感じもあり、最終目的に(微妙に)近づいている感じがします。

読了した現在、沙崎が可哀そうでちょっとモヤモヤしているので笑、このモヤモヤを晴らすためにも、次作も読みたいと思います。



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