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【簡単あらすじ】四畳半神話大系(微ネタバレ)【森見登美彦/角川文庫】

大学三回生の私。

入学当初はバラ色のキャンパスライフを想像していたが、現実はそう甘くない。
悪友小津に振り回され、入学から二年間を振り返ると、自虐な感想しか出てこない。

もし、入学時に「あの選択をしていたら」どうなったかを、実際に平行世界を利用して表した物語。

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『はじめに』
私は自他共に認める出不精です。
さらに冬の寒さをひしひしと感じ、外出する頻度が減っているのですが、それに反比例して読書量は増加しています。
ですので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいた本の感想を書こうと思います。
このレビューを読んだことで、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。

以前に、

読了したことがあり、「もしかすると、読了順序を間違った?」「この順番では楽しめないのでは?」と思いながら読んだのですが、結論から言うと、どちらの作品から読んでも充分に楽しめる内容でした。



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第一話.四畳半恋ノ邪魔者

入学後、映画サークル「みそぎ」に足を踏み入れた私は、腹立たしいほど和気あいあいとした雰囲気に中々馴染むことが出来ない。

それから二年間、悪友小津と、サークル内の人間関係を悪化させることに一意専心していた私と小津は、先輩を揶揄しすぎた桃太郎を上映し、追放される。

第二話.四畳半自虐的代理代理戦争

入学後、「弟子求ム」と一際大きな字で書かれたとても胡散臭いビラを読んでいた私は、樋口師匠に出会い弟子となり、悪友小津とも出会うことになる。

その後、私は太平洋戦争前から続く戦いに巻き込まれ…

第三話.四畳半の甘い生活

入学後、ソフトボールサークル「ほんわか」に入部した私は、仲良く交流し、爽やかに汗を流しながら、友達百人作り、美女との交流を目指したが、当然のようにサークルで居場所を失う。

その後悪友小津と出会い、当然なんやかんやあり、誘拐された?香織さんと一緒に生活することになる。

最終話.八十日間四畳半一周

入学後、秘密組織<福猫飯店>に入った私は、そこで出会った小津とともに暗躍する。

今日もまたいつも通りの一日が始まる、と思っていたある日、ドアから出ても窓から出ても壁を壊しても自分の四畳半の部屋に戻っている。

そこからおよそ八十日間、私の四畳半世界探検が続く。

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簡単なあらすじを見ても分かるように、どの話でも、私は入学してから二年間、自分の理想とかけ離れた学生生活を送り、小津との関係性はほとんど変わらず、樋口師匠や羽貫さんはいつも通り、最終的に明石さんとの仲も良い感じになります。

だからと言って、全話が似たような内容にはならず、各話とも「登場人物や結論はほぼ同じでも、そこに至る途中経過が面白い」ため、新鮮な気持ちで読み進めることが出来ます。

また、各話において何か所か同じセリフが使われていますが、各話の展開によって、そのセリフの意味が微妙に変化するところがとても好きです。

SFもの?平行世界もの?とジャンル分けされそうな一筋縄ではいかない作品ですが、第四話目のまとめ方でとてもスッキリとした・愛を感じる読了感になりました。


「俺なりの愛だ」
「そんな汚いもん、いりません」






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