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【簡単あらすじ】方舟(微ネタバレ)【夕木春央/講談社】

学生時代によく遊んでいた六人が、目的地の地下建築を楽しんでいると、きのこ狩りで道に迷ってしまったという親子三人組と出会う。
夜も遅かったため六人と三人は、共に地下建築で一晩を過ごすことになる。

翌日の朝。
大きな地震が発生し、地下建築に響いた巨大な銅鑼のような音と共に出入口が塞がれてしまう…

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『はじめに』
私は自他共に認める出不精です。さらに冬の寒さをひしひしと感じ、外出する頻度が減っているのですが、それに反比例して読書量は増加しています。
ですので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりした本の感想を書こうと思います。
このレビューを読んだことで、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。

2023年1月28日のほんタメ文学賞でたくみさんが紹介した他、ほんタメで多く紹介されている作品です。

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①光の入らない、空間が迫ってくるような感じを受ける「地下空間」
②昔何が起こっていたかを想像出来てしまう「某信仰宗教が使用していた建物&拷問器具」
③誰も助けに来てくれない「孤立状態」と時間の経過による「水死確定」


上記の全てが私の苦手な(苦手に感じる)舞台だったため、読書中ほとんどの時間を胃袋のあたりがキュッと締め付けられているような感じになりながら・冷や汗を流しながら読了した作品でした。

登場人物には「不穏な雰囲気のカップル」「訳ありそうな家族」などがおり、密室の中で次々に起こる殺人事件も含め緊張が続き、解決したのか思いとちょっと気持ちが緩んだところでの…

そして、エピソードまで読み終わったときは、晴れ晴れとしたスッキリ感ではなく、どんなグロテスクで狂気的なホラー作品よりも、ヒエッと恐ろしさを感じてしまうくらいの怖い作品です。

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ツイッターでもかなり目にした作品で、

読了したほとんどの方が「何かを言ってしまうと、それがネタバレになってしまう」ということを書かれていましたが、まさにその通りの内容で訳アリです。

しかし、一応題名に(微ネタバレ)と書いてありますので、少しだけヒントのようなネタバレを書きたいと思います。

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それは、(おそらく)筆者らが題名を決める際に参考にした(であろう)「ノアの方舟(箱舟)」のあらすじです。

『ノアの方舟(箱舟)あらすじ』
人々が堕落して悪いことしかしていないと感じた神様は、ノアに「私は大洪水を起こし、人間を滅ぼすつもりだ。お前は船を作り、家族と動物だけを乗せて生き残りなさい」と伝えた。
ノアは村の人々に、上記のような神様からのお告げがあったことを話すが、誰も信じない。当然、ノアの舟には誰も乗らず、その後神様が起こした大洪水で皆死んでしまいました。

上記のように「ノアの方舟」とは、

「誰かを犠牲にして自らが生き残る」のではなく、
「誰かを信じることで自らも生き残ることが出来る」

というお話しです。

後は、読んでからのお楽しみです笑






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