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【簡単あらすじ】万能鑑定士Qの事件簿Ⅰ・Ⅱ(微ネタバレ)【松岡圭祐/角川文庫】

高校時代は信じられない程の天然キャラで学業的劣等生徒だった主人公が、ある人に出会った後に広範な専門知識を観察眼を身に付け、ハイパーインフレという未曽有の危機から国家を救うため事件に立ち向かいます。

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『はじめに』
季節が変わり、読書の秋ではないですが、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいた本の感想を書こうと思います。
このレビューを読んだことで、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたいのですが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』がありますので、その点にご注意ください。


「表紙の印象が障碍になり、おじさんにとって購入ハードルが高い作品を読了しようシリーズ」です。


本作は、主人公の凛田莉子が様々な知識を利用し問題を解決していくストーリーになります。

これだけ記述すると、探偵小説とは違うの?と思われる方も多いかと思います。

しかし、物語の始めに、出身地沖縄での高校生活について
「学力(学校の勉強)での低さ」
「凛田の人柄(凛田を取り巻く人々)」
「どのように専門知識と観察眼を身に付け、開業したのか」

というプロセスを記述しており、それを読み進めていくと、探偵ではなく「万能鑑定士」というネーミングがピッタリだと理解出来ると思います。

学力的には劣等生に分類される主人公が、高校卒業後の努力により、学力以外の分野で才能を開花させる、ということについては、少々無理がある設定と感じる方もいらっしゃると思います。

しかし私の周りにも(中学の同級生)、全体の学力は低いものの「理科(無線等の機器)」には能力を発揮していた方が、久しぶりの同窓会の際に某大学准教授になっていることもありましたので、私にとってはそんなに浮世離れしていない設定であり、すんなりと物語に没入出来ました。

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今エピソードは、シャッター街に何千枚も張り付けられていた、愛嬌があるとも言えない不気味な「力士シール」について、マスコミに所属している小笠原が、記事のネタにするため主人公・凛田に依頼をするというところから始まります。

これだけを聞くと、週刊誌の小さな一つの小ネタのように感じますが、そのシールが、日本全体を巻き込んだハイパーインフレにつながり… 

最終的には、なぜ「主人公は様々な知識を高めることが出来たのか」「主人公は様々な厄介ごとに巻き込まれる(自分から首を突っ込むようになる)のか」が分かるストーリーです。

面白くて知恵がつく、人の死なないミステリ

というキャッチコピーに相応しい作品です。

ⅠとⅡは同エピソードでしたが、その他のシリーズは一冊完結ものらしいので、また時間が出来た際に続編を読みたいと思います。



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画像は【みしぃ】さまからお借りしました。ありがとうございます。

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